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102話 大会前
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そして、アークライト武術大会が近づいて来た。出場選手達は王立闘技場『テアトルム』の隣に建設された宿泊施設に宿泊することになる。宿泊施設は様々な人たちであふれかえっていた。
私はマリアンナ、エマ、シズ、ルティアの妻達、そしてユイ、イレーネ、そしてミーアと何部屋かを使って宿泊することになる。ヴィンセントはエリーナ王女と1部屋で2人宿泊している。最もヴィンセントの部屋は私達とは比べ物にならない広大な特別宿泊室であるが。
他の剣士達も大勢の弟子や家族を引き連れて続々と宿泊施設にやってくる。
私はヴィンセントと一緒にそれを眺めていた。
その中にひときわ目立つ集団がいた。あきらかに異質な服装、反った剣、あれはどこの国であろうか?
「あれがジュポン帝国のムネシゲ・イトウの一団だ」
「どれがムネシゲだ?」
一団の中でもっとも強そうなのは……
「あの爺さんか……」
「どうやらそうみたいだな。そういえばムネシゲはかなりの高齢のはずだ」
ムネシゲ・イトウの一団が過ぎ去ると、今度は豪華絢爛な一団が現れた。
「あれはアンブロス帝国『皇帝代理騎士』のルカ・パーヴェルの一団だ」
さすが皇帝の威信を背負っているだけのことはある。凄い一団だ。
おそらくあの一番派手なのがルカ・パーヴェル……
その時、ルカ・パーヴェルがこちらを見た。そしてしばらく私達を凝視した後、前を向いて進んで行った。
それからはミレニア帝国の竜騎士の一団、そして都市国家群の剣豪の一団がやって来た。
「4騎士団がまだのようだな」
「もう来るさ」
そして4騎士団がやって来た。最初にやって来たのは黒騎士ブルーム・ドラグノフ。ドラグノフ師はこちらを見るとニカっと笑った。ドラグノフ師は多数の弟子を引き連れている。
そして、白騎士クルト・アスマン、赤騎士エルマー・ヘルツとやって来た。
最後に来たのは青騎士である。青騎士ローベルト・ハイゼの隣にはヘンリー・アルベールがいた。さすがは後継者である。
これで全ての選手が揃ったことになる。大会は明後日に始まる。
食事は豪華な食堂が用意されており、ビュッフェ形式で食事することになっていた。
私は妻達やヴィンセントと食事をしていたところ、黒騎士ブルーム・ドラグノフがやって来た。
「おう、レオンの坊主、ついに剣聖になったようじゃな」
「お久しぶりです、ドラグノフ師。あれからずいぶんと経ちましたね」
「もう10年も前の事になるな。まだまだ儂はは現役じゃよ。しかし、あの頃感じた才能からしたら剣聖になるのも当然かのう」
「師は私が剣聖になった事を認められませんか?」
「いや、儂はレオンなら賛成と言いたいところだが、なんせ4騎士とは誰とも戦ってはおらんからのう。手放しでは認められん」
「なる程、実力を示せと」
「まあ、早い話がそうじゃな。そうでないと他の4騎士も納得せんしな」
そう言うとドラグノフ師は隣にいたヴィンセントを見た。
「それよりも、こちらの御仁よ。只者ではないな」
「私は、ヴィンセント・ミッドガル。以後お見知り置きを」
「お主がヴィンセント殿か……なるほどなるほど、これは剣聖の器じゃな。じゃが、果たして儂より強いかな?」
「それは大会でお見せしましょう」
「なるほど、強敵は多いのう」
「師はジュポン帝国のムネシゲ・イトウはどう思われますか?」
「儂にもわからん。噂通りならここにいる誰も勝てんよ。しかし、本人を見たが、ただの爺さんにしか見えぬ。確かに威圧感はあるのだがな」
「なるほど」
「まあ、何にせよ儂の目的はレオン、お前だ。せいぜい首を洗って待っているがいい」
そう言うとドラグノフ師は去っていった。
次に現れたのは皇帝代理騎士ルカ・パーヴェルだった。
ルカは私達を一瞥すると
「こんな奴が剣聖だと、私は認めないぞ」
「俺が剣聖にふさわしいかどうかは大会で決めよう」
「お前にこの私が負ける訳がないだろう」
「さあ、それはどうかな。それにここで言い合いをしてもしょうがない。弁が立つ方が強い事にするか?」
「くっ、見ていろよ、大会で圧倒的に私が勝つところを……地べたに這いつくばってな」
そう言うとルカは去っていった。
「何かと来客が多いな」
私はヴィンセントに向かってそう言うと、背中に強い殺気を感じた。
振り向くとそこにはムネシゲ・イトウが笑って立っていた。
「ふぉふぉふぉ、隙ありじゃな剣聖」
「あなたはジュポン帝国の」
「左様、川崎宗重じゃ。こんなに隙があるようでは剣聖も大した事ないのう」
「なるほど、こんなに近くまで気配を感じさせないとはさすがですね」
「この世に生まれて百と余年、力ではすでに衰えはしたが、技ではお主らなど童も同然よ」
「それはどうかな?」
私には前世の経験がある。ムネシゲには及ばないかもしれないがそう隔絶したものではない。ただの青二才とは訳が違うのだ。
「なるほど、確かに歳格好からは想像できんほどに場数を踏んでいそうだな。これはこれで楽しみじゃわい」
そう言うとムネシゲは去って行った。
私はマリアンナ、エマ、シズ、ルティアの妻達、そしてユイ、イレーネ、そしてミーアと何部屋かを使って宿泊することになる。ヴィンセントはエリーナ王女と1部屋で2人宿泊している。最もヴィンセントの部屋は私達とは比べ物にならない広大な特別宿泊室であるが。
他の剣士達も大勢の弟子や家族を引き連れて続々と宿泊施設にやってくる。
私はヴィンセントと一緒にそれを眺めていた。
その中にひときわ目立つ集団がいた。あきらかに異質な服装、反った剣、あれはどこの国であろうか?
「あれがジュポン帝国のムネシゲ・イトウの一団だ」
「どれがムネシゲだ?」
一団の中でもっとも強そうなのは……
「あの爺さんか……」
「どうやらそうみたいだな。そういえばムネシゲはかなりの高齢のはずだ」
ムネシゲ・イトウの一団が過ぎ去ると、今度は豪華絢爛な一団が現れた。
「あれはアンブロス帝国『皇帝代理騎士』のルカ・パーヴェルの一団だ」
さすが皇帝の威信を背負っているだけのことはある。凄い一団だ。
おそらくあの一番派手なのがルカ・パーヴェル……
その時、ルカ・パーヴェルがこちらを見た。そしてしばらく私達を凝視した後、前を向いて進んで行った。
それからはミレニア帝国の竜騎士の一団、そして都市国家群の剣豪の一団がやって来た。
「4騎士団がまだのようだな」
「もう来るさ」
そして4騎士団がやって来た。最初にやって来たのは黒騎士ブルーム・ドラグノフ。ドラグノフ師はこちらを見るとニカっと笑った。ドラグノフ師は多数の弟子を引き連れている。
そして、白騎士クルト・アスマン、赤騎士エルマー・ヘルツとやって来た。
最後に来たのは青騎士である。青騎士ローベルト・ハイゼの隣にはヘンリー・アルベールがいた。さすがは後継者である。
これで全ての選手が揃ったことになる。大会は明後日に始まる。
食事は豪華な食堂が用意されており、ビュッフェ形式で食事することになっていた。
私は妻達やヴィンセントと食事をしていたところ、黒騎士ブルーム・ドラグノフがやって来た。
「おう、レオンの坊主、ついに剣聖になったようじゃな」
「お久しぶりです、ドラグノフ師。あれからずいぶんと経ちましたね」
「もう10年も前の事になるな。まだまだ儂はは現役じゃよ。しかし、あの頃感じた才能からしたら剣聖になるのも当然かのう」
「師は私が剣聖になった事を認められませんか?」
「いや、儂はレオンなら賛成と言いたいところだが、なんせ4騎士とは誰とも戦ってはおらんからのう。手放しでは認められん」
「なる程、実力を示せと」
「まあ、早い話がそうじゃな。そうでないと他の4騎士も納得せんしな」
そう言うとドラグノフ師は隣にいたヴィンセントを見た。
「それよりも、こちらの御仁よ。只者ではないな」
「私は、ヴィンセント・ミッドガル。以後お見知り置きを」
「お主がヴィンセント殿か……なるほどなるほど、これは剣聖の器じゃな。じゃが、果たして儂より強いかな?」
「それは大会でお見せしましょう」
「なるほど、強敵は多いのう」
「師はジュポン帝国のムネシゲ・イトウはどう思われますか?」
「儂にもわからん。噂通りならここにいる誰も勝てんよ。しかし、本人を見たが、ただの爺さんにしか見えぬ。確かに威圧感はあるのだがな」
「なるほど」
「まあ、何にせよ儂の目的はレオン、お前だ。せいぜい首を洗って待っているがいい」
そう言うとドラグノフ師は去っていった。
次に現れたのは皇帝代理騎士ルカ・パーヴェルだった。
ルカは私達を一瞥すると
「こんな奴が剣聖だと、私は認めないぞ」
「俺が剣聖にふさわしいかどうかは大会で決めよう」
「お前にこの私が負ける訳がないだろう」
「さあ、それはどうかな。それにここで言い合いをしてもしょうがない。弁が立つ方が強い事にするか?」
「くっ、見ていろよ、大会で圧倒的に私が勝つところを……地べたに這いつくばってな」
そう言うとルカは去っていった。
「何かと来客が多いな」
私はヴィンセントに向かってそう言うと、背中に強い殺気を感じた。
振り向くとそこにはムネシゲ・イトウが笑って立っていた。
「ふぉふぉふぉ、隙ありじゃな剣聖」
「あなたはジュポン帝国の」
「左様、川崎宗重じゃ。こんなに隙があるようでは剣聖も大した事ないのう」
「なるほど、こんなに近くまで気配を感じさせないとはさすがですね」
「この世に生まれて百と余年、力ではすでに衰えはしたが、技ではお主らなど童も同然よ」
「それはどうかな?」
私には前世の経験がある。ムネシゲには及ばないかもしれないがそう隔絶したものではない。ただの青二才とは訳が違うのだ。
「なるほど、確かに歳格好からは想像できんほどに場数を踏んでいそうだな。これはこれで楽しみじゃわい」
そう言うとムネシゲは去って行った。
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