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105話 人斬り
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そして休養日を挟んで後大会第3日目が始まった。
今回は屈指の名勝負が行われるだろう。
第一試合は私と皇帝代理騎士ルカ・パーヴェルとの試合である。
私は闘技場に向かって進んでいく。ルカは私の前を進んでいた。
「せいぜい悪あがきでもするんだな」
すれ違った時にルカがそう言った。
私は所定の位置についてルカと対峙した。
私は彼に対して容赦しない。
「始め!」
私はルカに向かって駆けていくとそのまま神速を超える神速で斬った。
ルカはそれを剣で受け止める。ルカの顔に苦い表情が浮かんだ。
私はそのまま神速を超える神速で16連撃を繰り出した。
ルカが剣で受け止め他のは初撃だけで、その後の15の連撃は躱すことができなかった。
ルカは持っていた剣を弾き飛ばされ、斬られ続けた。
私は一呼吸おいてさらに連撃の開始しようとすると、
「勝者、レオン・エルドバーン。すでに勝負はついている、剣を止めなさい!」
私は剣を収めた。
ルカを見ると兜は弾き飛ばされて顔は痣だらけであった。鎧も所々へこんでいた。
ルカは大粒の涙を流していた。
「皇帝陛下、申し訳ございません。私はアンブロス帝国に泥を塗ってしまいました……」
今までの言動に腹を立てていたが、こうなるとルカも可哀想である。大勢の前で恥をかかされたようなものである。
私は今までのことがあるのでルカに声をかけることなく闘技場を後にした。
ルカは部下達に背中を借りて闘技場を後にした。
私は観客席に移り妻達とヴィンセントの勝負を観戦することにした。
ムネシゲ・イトウとヴィンセントは闘技場に上がって対峙した。
ヴィンセントは多彩な戦い方がある。今回はどのような戦いを見せるのだろうか。
闘技場を見ているとムネシゲが号泣していた。
「このような強敵、もう今生では戦うことができぬ。しかし、こんな木の刀では真の戦いは望めない。それが悔しゅうて悔しゅうて」
ムネシゲが泣き止まないので試合が始まらない。
「どうじゃろう、この戦いは互いに真剣で戦うと言うのは」
「それは無茶です。死人が出ます」
「儂はもう老い先短い身、ここで死んでも悔いはない。どうじゃろうヴィンセント殿、儂の願いを聞き入れてもらえないだろうか?」
「……私は構いませんよ。真剣での戦いは望む所だ。ただし、どんな結果になっても後悔しないように」
そして大会実行委員会役員と王との協議の結果、今回の試合に限り真剣を用いることになった。
2人は剣を取りに戻り、そして闘技場に戻ってきた。
ヴィンセントは魔剣を差していた。
「ほう、魔剣使いとは、いいものを持っている。儂は『三日月宗近』天下の名刀じゃ」
ヴィンセントは落ち着いているようだ。
~~
ヴィンセントはムネシゲと対峙した。不思議とムネシゲから殺気も威圧感も感じられない。ただの老爺にしか見えない。
「儂は……」
「お主を殺したい……」
その言葉にヴィンセントは戦慄を感じた。肌が粟立つ。自分はここから生きて帰れないのだと悟る。
そしてムネシゲから今までに感じたこともない濃密な殺気が放たれた。
開始の合図と同時にムネシゲはヴィンセントに迫ってくる。ヴィンセントには不安、恐れ、絶望が支配していた。
しかしそんな感情とは裏腹にヴィンセントの体は動いていた。
ムネシゲの必殺の一撃を躱しムネシゲを横薙ぎに斬った。
ムネシゲを斬った後のヴィンセントは自分でも驚くほど冷静になっていた。
横には体が二つに別れたムネシゲだったモノがそこにあった。
ヴィンセントの手は細かく震えていた。それは恐怖によるものではなく、勝利に対する喜びによるものでもなかった。
「ハハハ、ハハハハハハハハ」
ヴィンセントは高笑いした。なぜそうするのかはヴィンセントにもわからなかった。ただ可笑しかった。あまりに可笑しくて涙が出てきた。
~~
ヴィンセントが一瞬ためらったようにも見えたが、ヴンセントはムネシゲの必殺の一撃を躱して斬ったのだろう。正直私には良く見えなかった。途方も無く高レベルの攻防である。
ムネシゲは上半身と下半身が切り離されていた。即死だろう。
そしてヴィンセントは高笑いしていた。彼らしくない、どうしたんだ?
あまりの結末に場内は静まり返っていた。ムネシゲの遺体はジュポン帝国のもの達によって運ばれていた。
ヴィンセントは泣きながら闘技場を降りてきた。
「ヴィンセント大丈夫か?」
「いや、大丈夫ではない。私は知ってしまった。これが真剣勝負……そしてこれが人を斬るということ……」
「ヴィンセント……」
「ムネシゲは私を斬りたくて斬りたくてしょうがなかった。そして奴を斬った時、その気持ちが私にもわかってしまった。私はもう人に真剣を向けるべきではない……かといってもう木刀では本気を出せない。決勝は残念だが辞退することにするよ」
「……」
「本当はレオンと真剣で戦ってみたかった。だが、お互い守べき家族もいる。それに私とレオンで殺しあう必要なんてないしな……」
今回は屈指の名勝負が行われるだろう。
第一試合は私と皇帝代理騎士ルカ・パーヴェルとの試合である。
私は闘技場に向かって進んでいく。ルカは私の前を進んでいた。
「せいぜい悪あがきでもするんだな」
すれ違った時にルカがそう言った。
私は所定の位置についてルカと対峙した。
私は彼に対して容赦しない。
「始め!」
私はルカに向かって駆けていくとそのまま神速を超える神速で斬った。
ルカはそれを剣で受け止める。ルカの顔に苦い表情が浮かんだ。
私はそのまま神速を超える神速で16連撃を繰り出した。
ルカが剣で受け止め他のは初撃だけで、その後の15の連撃は躱すことができなかった。
ルカは持っていた剣を弾き飛ばされ、斬られ続けた。
私は一呼吸おいてさらに連撃の開始しようとすると、
「勝者、レオン・エルドバーン。すでに勝負はついている、剣を止めなさい!」
私は剣を収めた。
ルカを見ると兜は弾き飛ばされて顔は痣だらけであった。鎧も所々へこんでいた。
ルカは大粒の涙を流していた。
「皇帝陛下、申し訳ございません。私はアンブロス帝国に泥を塗ってしまいました……」
今までの言動に腹を立てていたが、こうなるとルカも可哀想である。大勢の前で恥をかかされたようなものである。
私は今までのことがあるのでルカに声をかけることなく闘技場を後にした。
ルカは部下達に背中を借りて闘技場を後にした。
私は観客席に移り妻達とヴィンセントの勝負を観戦することにした。
ムネシゲ・イトウとヴィンセントは闘技場に上がって対峙した。
ヴィンセントは多彩な戦い方がある。今回はどのような戦いを見せるのだろうか。
闘技場を見ているとムネシゲが号泣していた。
「このような強敵、もう今生では戦うことができぬ。しかし、こんな木の刀では真の戦いは望めない。それが悔しゅうて悔しゅうて」
ムネシゲが泣き止まないので試合が始まらない。
「どうじゃろう、この戦いは互いに真剣で戦うと言うのは」
「それは無茶です。死人が出ます」
「儂はもう老い先短い身、ここで死んでも悔いはない。どうじゃろうヴィンセント殿、儂の願いを聞き入れてもらえないだろうか?」
「……私は構いませんよ。真剣での戦いは望む所だ。ただし、どんな結果になっても後悔しないように」
そして大会実行委員会役員と王との協議の結果、今回の試合に限り真剣を用いることになった。
2人は剣を取りに戻り、そして闘技場に戻ってきた。
ヴィンセントは魔剣を差していた。
「ほう、魔剣使いとは、いいものを持っている。儂は『三日月宗近』天下の名刀じゃ」
ヴィンセントは落ち着いているようだ。
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ヴィンセントはムネシゲと対峙した。不思議とムネシゲから殺気も威圧感も感じられない。ただの老爺にしか見えない。
「儂は……」
「お主を殺したい……」
その言葉にヴィンセントは戦慄を感じた。肌が粟立つ。自分はここから生きて帰れないのだと悟る。
そしてムネシゲから今までに感じたこともない濃密な殺気が放たれた。
開始の合図と同時にムネシゲはヴィンセントに迫ってくる。ヴィンセントには不安、恐れ、絶望が支配していた。
しかしそんな感情とは裏腹にヴィンセントの体は動いていた。
ムネシゲの必殺の一撃を躱しムネシゲを横薙ぎに斬った。
ムネシゲを斬った後のヴィンセントは自分でも驚くほど冷静になっていた。
横には体が二つに別れたムネシゲだったモノがそこにあった。
ヴィンセントの手は細かく震えていた。それは恐怖によるものではなく、勝利に対する喜びによるものでもなかった。
「ハハハ、ハハハハハハハハ」
ヴィンセントは高笑いした。なぜそうするのかはヴィンセントにもわからなかった。ただ可笑しかった。あまりに可笑しくて涙が出てきた。
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ヴィンセントが一瞬ためらったようにも見えたが、ヴンセントはムネシゲの必殺の一撃を躱して斬ったのだろう。正直私には良く見えなかった。途方も無く高レベルの攻防である。
ムネシゲは上半身と下半身が切り離されていた。即死だろう。
そしてヴィンセントは高笑いしていた。彼らしくない、どうしたんだ?
あまりの結末に場内は静まり返っていた。ムネシゲの遺体はジュポン帝国のもの達によって運ばれていた。
ヴィンセントは泣きながら闘技場を降りてきた。
「ヴィンセント大丈夫か?」
「いや、大丈夫ではない。私は知ってしまった。これが真剣勝負……そしてこれが人を斬るということ……」
「ヴィンセント……」
「ムネシゲは私を斬りたくて斬りたくてしょうがなかった。そして奴を斬った時、その気持ちが私にもわかってしまった。私はもう人に真剣を向けるべきではない……かといってもう木刀では本気を出せない。決勝は残念だが辞退することにするよ」
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