転生した剣聖は最初から最強のようです

白檀

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121話 新婚旅行

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 私達は宮殿の応接室にいた。前には皇帝とその側近がいた。

「こうして余と余の娘セシリアと結婚したのだから余と剣聖は親子になる。当然、皇位継承権も発生してくる」

 何やら物騒なことを皇帝は言った。

「余の名前は、ニコル・アンブロスだ。覚えておくがいい。この名前を口にすることをお前に許そう」

 皇帝は髭を触りながら満足そうに言った。

「しかし、結婚式も終わった。次は新婚旅行だな」

 そういえば他の妻達とも新婚旅行に行っていない。

「実は私には他にも妻がいます。その者達と一緒であれば」

「できればお前とセシリアの2人っきりで行って欲しいのだが」

「他の妻とも新婚旅行に行っておりません」

「ならば良かろう。ジュポン帝国あたりはどうだ?」

 また、因縁のある国を選ぶ……

「私はジュポン帝国に行ってみとうございます。昔、本で読んだ時からの憧れだったのです」

 セシリアが言った。

「そうなるとなれば一度アークライト王国に戻ってから、ジュポン帝国に向かうことになり、少し時間がかかります」

 その言葉に皇帝はいい顔をしなかった。

「皇帝陛下、お話があります」

 ダリルが言った。

「なんだ?」

「実は空を移動する魔導飛行機なるものがございます。それを使えば短期間でアークライト王国とアンブロス帝国を移動することができます」

「ほう」

「それが着陸するには滑走路というものが必要になります。帝都の外の広大な平原に建設する許可をいただければ飛行機が使えます」

「ふむ、我が国は広大な平原がある。少しぐらいならかまわんぞ」

「ありがたき幸せ」

 こうしてダリルは滑走路の建設の許可をとると平原を整地して滑走路を作った。

 そして改良した魔導通信具で王都にいるシズ達に連絡するとダリルの仲間の操縦でこの帝都まで飛行してくる段取りができた。

 そして数日でシズ達を乗せた魔導飛行機が滑走路に着陸した。

 私達はシズ達を出迎えた。

「む、知らない女の匂いがするにゃ」

 さすが、ルティア。鋭い。あと、語尾が戻ってるぞ。

「初めまして皆さん。私は皇帝陛下の娘、セシリア・アンブロスと申します。この度はレオン様と結婚させていただきました。先輩方、どうぞご鞭撻の程を」

 その時『風の守護者』のメンバー全員が固まった。特にミーアがショックを受けていた。

「また先を越された……」

「……ミーア、この新婚旅行の帰りに辺境伯領で結婚式をあげような」

「私、結婚式もまだなのに新婚旅行に行くの?」

 これは困った。私は皇帝に相談してミーアの結婚式をとりあえず帝都で挙げることにした。

 正式な結婚式は辺境伯領で行う。

「2度も結婚式ができてお得なの?」

 ミーアとの結婚式も帝国の威信をかけた盛大なものになった。

「私達の立場って微妙よね」

 結婚式の席でエマがボソリと言った。

 そんなこんなで結構時間が立ってしまったが、いよいよジュポン帝国に出発することになる。

 移動手段は皇帝が用意した豪奢な馬車で向かうことになった。皇帝の血族の新婚旅行は馬車に決まっているらしい。魔導自動車の使用は却下された。

 ルートはアンブロス帝国の東端に接する砂漠のハン王国を通り、チュナ帝国に向かう。チュナ帝国の東側には海が面しており、そこから船でジュポン帝国に向かう。

 なかなか遠大な旅路である。おそらく戻ってくるのに数ヶ月はかかるであろう。

 総勢12人が4人乗りの馬車3台に別れて乗り込む。皇帝から護衛をつける話があったが断った。このメンバーに勝てる盗賊はこの世に存在しないからだ……魔族もいるしな。

 12人の内訳は、私、ヴィンセント、エマ、アメリア、ダリル、ベル、マリアンナ、シズ、ルティア、ミーア、ユイ、イレーネである。
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