上 下
7 / 112
秩父クリス✨💕

第7話 秩父クリス✨

しおりを挟む
 

 どうやら本気にはしないようだ。
 さっきからずっと疑いの眼差しを向けている。


 
「フフ……」オレも自嘲気味に微笑んだ。
 もちろん、こんな扱いには馴れている。



 いつだってそうだ。

 どう考えても、こんな派手なビジュアル系ミュージシャンのカッコをした弁護士など居るはずがない。


 しかし信じられないだろうが本当の事だ。



「マジで、弁護士なんだよ……!!
 世界でただ一人のビジュアル系弁護士、シンゴだ。
 ほら、見ろよ!!」
 オレは胸につけた弁護士バッチを親指で差した。


「ヘェー……」しかしクリスはチラッと見ただけで気のない返事だ。
 


「おいおい、見ろよ。ちゃんと!!
 ヒマワリのバッチだ。弁護士の!!」
 なおも念を押した。


「フフン……、そんなバッチ……
 ネットで幾らでも売ってるでしょ!!」
 これでも信じないようだ。クリスは薄ら笑いを浮かべた。


「あのねェ……!!」


「それよりも亡くなったユウキさんを怨んでいた人を、ご存知?!」
 逆に、クリスはオレたちに事情聴取をしてきた。


「ユウキを……」怨恨か。

「なんだよ……。警察は自殺ッて考えてるんだろ!」
 ヒデが口を挟んだ。


「そうね。まァ、今のトコは自他殺両面で捜査ッてトコよ……」



「自殺なんてするはずはない!!
 ユウキとは、つい先日も会って酒を酌み交わしたンだ……!!」


「へェ、それは興味深いわねェ……!!」
 目の色が変わった。本気で耳を傾けてくれるようだ。



「少しはオレの話しを聴いてくれるのか……」

「え…… そうね」



「警察は、ユウキの事をこのまま自殺で終わらせようとしているんだろう!!」
 オレはクリスに詰め寄った。






 ☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚






しおりを挟む

処理中です...