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『ラブソングは歌えない』✨✨

第40話 ロードスター✨

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 目の前に派手なオープンカーが停車している。

 真っ赤なロードスターだ。


「さ、乗ってェ!! シンゴ」
「うゥ……、まさか。これに……」
 オープンカーなんて乗ったことがない。



「決まってンでしょう。ほら、私、見た目が地味じゃン……。愛車くらい派手にしないと!!」
 クルクルとダンスを踊るようにターンした。


 香水だろうか。濃厚で甘美な匂いが僕の鼻孔をくすぐっていく。



「いやいや、見た目も派手だよ!!」
 クリスは、セクシークイーン並みにスタイル抜群だ。
 刑事と言うよりもオ○カーのモデルと言った方がシックリくる。
 


「良いから✨🤗✨💕」
 なかば強引に乗せられた。


「おいおい……」

 スピーカーからは『ラブソングが歌えない』が流れていた。



「じゃ……このまま教会に行って結婚しちゃうゥ」
 
「はァ~……、冗談だろう」


「あら、私!! 冗談とロクに前戯しないでセッ○スしてくるガッついた男子が大嫌いなのよ!!」


「いやいや、ジョークだろ。どんな例えだよ」
 気分転換には楽しいドライブだ。



 赤信号で停車していると、不意にサラリーマン風の男性が車に顔を突っ込むようにして叫んだ。



「ちょっと……!! その曲、誰の曲ですか!!」
 いきなり怒鳴るように訊いてきた。



「え……?!」なんだ……。急に。
 危ないヤツか。






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