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第二ラウンド
第62話 絵本✨
しおりを挟む帰り際、施設の玄関ロビーへ来るとメガネ美女の神谷美織は思い出したようにオレたちに声を掛けた。
「そう言えば…… エリカちゃんは『シンデレラ』の絵本が好きでしたね」
「え、あァ……、『シンデレラ』の絵本ですか」
オレたちも振り返った。
「ハイ……、あそこに有る本です。ずっと、ひとりで読んでました」
ロビーの本棚を指差した。
たくさんの絵本や児童図書が並んでいる。
周りのテーブルで子供たちも絵本を読んでいた。
「なるほどね。絵本がたくさんありますね」
ザッと見てもスゴい量だ。
『シンデレラ』の絵本を開いた。
本の角が削れて、少し傷んでいた。
「ウッフフ……、私も好きだったな。シンデレラ」
クリスもパラパラと捲り、見ていて楽しそうだ。
「エリカちゃんは、昔、お母さんに『シンデレラ』の絵本を買って貰ったと言ってました」
「うゥン……、お母さんに……
じゃ、その時、沢向エリカさんが読んでいた絵本が今も」
「いえ、それが無くなってしまったんですよ。
そのシンデレラの本は……」
「え、あァ……、そうですか……」
その絵本があれば、指紋を採取できたかもしれないのに。
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