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✨逆襲✨

第73話 久遠大河✨

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 第3ラウンド。
 ムトベエリカとの三度目の直接対決だ。




 オレたちは敵のホームグラウンドである久遠家の屋敷へ招かれた。
 かなり大きな邸宅だ。


 久遠家は代々続く旧家だったが戦後、没落していた。 



 落ちぶれ果てた久遠家を当主の久遠大河が一代で復興させたと言われている。

 家族写真が飾られてあった。

 父親、大河と二人の仲の良さそうな兄弟。そして少し影のある表情を浮かべたヒロシだ。



 大河には二人の息子が居たが、現在、久遠家を相続するのは、養子の久遠ヒロシだ。


 ヒロシは愛人の息子とされ軽蔑さげすまれていたが、四年前に養子縁組がなされ、現在に至る。


 四年前と言えば、沢向エリカの父親が硫化水素で亡くなっていた。


 そして、雨の歩道橋で沢向エリカが転落死したのも四年前だ。


 そして沢向エリカの死後、四年が経ちムトベ  エリカは久遠ヒロシと結婚する事に……。

 久遠大河は病いで亡くなる前に全ての遺産をヒロシへ譲ったそうだ。



 もしかしたらオレたちは何か大きな間違いを犯していたのだろうか。



 リビングには、オレとクリス、そしてヒデの3人がソファに腰掛けエリカらを待っていた。



「いやいや、スゴい豪邸だね……」
 ヒデはリビングの中をウロチョロしている。


「あァ……」オレは壁に飾られた肖像画を眺めていた。
 おそらく当主の久遠大河のモノだろう。



 言いしれない圧迫感がオレを襲ってきた。



「パン君!! 落ち着きなさいよ。あとで、好きなだけバナナ買って上げるから」
 クリスがヒデを笑顔でたしなめた。



「ウッキキィー……ッて、なんでやねん!!
 チンパンジーちゃうわ!!」

「わかったから下手な関西弁を使うな!!」
 

 
 やがてドアが開き美女が現れた。
 初めて見る美女だ。

 




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 この作品はフィクションです。


 実際の人物、団体、事件等とは、いっさい関係ありません。

 
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