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文化祭✨🎉✨✨💕
アクシデント……✨⚡⚡⚡
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やっと音響が正常に回復したのか、山口百恵の歌がスピーカーから響いた。
『これっきり♪ これっきり♪ もうこれっきりですかァァ♪』
やはり本物の方がダンスを合わせやすい。
そのままなんとか最後まで踊りきった。
だが明らかに不完全燃焼だ。
観客も盛り上がらない。
練習したダンスの魅力の半分も伝わっていないようだ。
「うッううゥ……」
初お披露目だと言うのに、なんて無様なんだろう。
しかしタイムアップだ。時間が押しているみたいだ。
すでに次の出番の後輩たちがステージ裏でスタンバイしている。
「ご迷惑をお掛けしました。ありがとうございました」
恥ずかしくて、ステージの上から早く消え去りたい。
私たちは頭を下げ、スゴスゴとステージ裏へ戻ろうとした。
その時、不意に観客席から『アンコール』と言う叫び声が響いてきた。
「アンコールアンコールアンコール……」
ショーリがひとりで立ち上がり喚いている。
ワル目立ちし過ぎだ。
「あのバカ……」ひとりでアンコールをしても仕方がないだろう。
これ以上、恥の上塗りは勘弁してほしい。
「もう一度、はじめッからアンコールアンコール」
盛んにショーリは周りの観客らを煽りたてる。
『やめてくれ……』どんなに煽ってもシラケるだけだ。しかし誰かが呼応した。
「アンコールアンコールアンコール……」
ショーリの掛け声にゴンちゃんの後輩らも加勢した。
「ああァ……!」
「アンコールアンコールアンコールアンコール……」
嬉しいことに徐々にアンコールの声が大きくなってきた。
あっと言う間に会場じゅうからコールが轟いた。
「申し訳ありません。ボクたちの不備で……」
音響を担当していた下級生たちがステージ裏まで謝りに駆けつけた。
「いえ、仕方ないわ。わざとじゃないんだし……」
もちろん先輩としては後輩に八つ当たりも出来ない。
「もう一度、はじめッからやり直して下さい」
後輩らは再チャレンジをお願いしてきた。
「ええェ……?」思わず私たちは顔を見合わせた。
「じゃァ、アンコールに応えて良いのね」
「ハイ、今度こそちゃんとしますから」
「よォし! 行くわよ」
音響スタッフの下級生らを見つめ手を上げた。
みんな、さっきまでの緊張感がほぐれて微笑んでいた。
今度こそ良いパフォーマンスができそうだ。
☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚
『これっきり♪ これっきり♪ もうこれっきりですかァァ♪』
やはり本物の方がダンスを合わせやすい。
そのままなんとか最後まで踊りきった。
だが明らかに不完全燃焼だ。
観客も盛り上がらない。
練習したダンスの魅力の半分も伝わっていないようだ。
「うッううゥ……」
初お披露目だと言うのに、なんて無様なんだろう。
しかしタイムアップだ。時間が押しているみたいだ。
すでに次の出番の後輩たちがステージ裏でスタンバイしている。
「ご迷惑をお掛けしました。ありがとうございました」
恥ずかしくて、ステージの上から早く消え去りたい。
私たちは頭を下げ、スゴスゴとステージ裏へ戻ろうとした。
その時、不意に観客席から『アンコール』と言う叫び声が響いてきた。
「アンコールアンコールアンコール……」
ショーリがひとりで立ち上がり喚いている。
ワル目立ちし過ぎだ。
「あのバカ……」ひとりでアンコールをしても仕方がないだろう。
これ以上、恥の上塗りは勘弁してほしい。
「もう一度、はじめッからアンコールアンコール」
盛んにショーリは周りの観客らを煽りたてる。
『やめてくれ……』どんなに煽ってもシラケるだけだ。しかし誰かが呼応した。
「アンコールアンコールアンコール……」
ショーリの掛け声にゴンちゃんの後輩らも加勢した。
「ああァ……!」
「アンコールアンコールアンコールアンコール……」
嬉しいことに徐々にアンコールの声が大きくなってきた。
あっと言う間に会場じゅうからコールが轟いた。
「申し訳ありません。ボクたちの不備で……」
音響を担当していた下級生たちがステージ裏まで謝りに駆けつけた。
「いえ、仕方ないわ。わざとじゃないんだし……」
もちろん先輩としては後輩に八つ当たりも出来ない。
「もう一度、はじめッからやり直して下さい」
後輩らは再チャレンジをお願いしてきた。
「ええェ……?」思わず私たちは顔を見合わせた。
「じゃァ、アンコールに応えて良いのね」
「ハイ、今度こそちゃんとしますから」
「よォし! 行くわよ」
音響スタッフの下級生らを見つめ手を上げた。
みんな、さっきまでの緊張感がほぐれて微笑んでいた。
今度こそ良いパフォーマンスができそうだ。
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