ビジュアル系弁護士シンゴ&パラリーギャル織田マリア！

コギャル風美少女

　まったく酷い嵐だった。




　その中、オレは自宅へ帰り着き、完全犯罪に酔いしれていた。


　ドンペリでカンパイしたいくらいだ。


　やはり神はオレに微笑んだようだ。




　この嵐でオレの足跡も証拠も何もかも消し去ってくれただろう。




　もう怖いモノはない。




　元カノの百合香の遺体は明日の朝には見つかり、自殺として処理されるだろう。


「フッフフ」これでジ・エンドだ。


　最後に笑うのはやっぱりオレのようだ。



　取り敢えず、缶ビールでカンパイをすると不意に玄関からインターフォンが聞こえた。


「はぁ～、なんだ？」
　しかもしつこく何度もだ。


　こんな夜更けにいったい誰が来たのだろう。


　煩わしくて堪らない。

　まだ外は土砂降りだ。


　少しだけ嫌な予感がした。



　だがアリバイのためにも居留守はできない。


　仕方なく玄関のドアを開けた。



「え？」驚きのあまり固まってしまいそうだ。


　そこには、なんとも場違いなコギャルの女の子が微笑んでいた。



　見たこともない美少女だ。
　小学校高学年くらいだろうか。


　天使のように可愛らしいコギャル風な女の子だ。



　だが間違いなくオレにとって彼女は疫病神になった。




「フフッどうも蒲生がもうさんですねェ」
　コギャル風の美少女は笑みを浮かべオレに訊たずねた。

　せっかくの長い金髪が雨に濡れてベッタリしていた。


　圧倒的に可愛らしいが、とんでもない恰好をしていた。


　土砂降りの雨の中、素肌にパレオを巻いただけのスタイルだ。



　かなり露出が激しいコギャルだ。
　濡れても構わないと言ったところだろうか。



「ええェ、まァそうですが、なんでしょうか。ここには室内プールはありませんが」
　取り敢えずオレも皮肉交じりに応えた。



　いったいなんなんだろう。
　さっきからずっとイヤな胸騒ぎがした。