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オズ研究所《横須賀ストーリー紅白へ》

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嵐の中で……✨✨✨✨

バスルーム……

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 その時、曲が変わり勇壮なショパンの『革命』が掛かった。


 私の大好きなピアノ曲だ。

「ふたつの種類だッてェ……。なんだよ。そりゃァ。
 強いモノと弱いモノかよ」
 私はバスタブに全身を湯に浸かったまま聞き返した。



『まァ、そうとも言えるが2種類ッて言うのは……。生まれつきツイてるヤツと生まれつきツイていねェヤツさ』



「ヘェ……」思わず私は顔を歪めた。
「だったら私はツイてねェヤツの部類だな……。
 それも、とびっきりツイてねェヤツだ」
 最悪の人生だからな。



『フフゥン……』ドア越しにアキラも微笑んだようだ。


 確かにアキラの言う通りだ。



 つくづく世の中は不公平に出来ている。
 私は、アキラと一緒に写真に映っていたお嬢様の龍崎レイラを思い浮かべた。



 自分でも顔自体は似ていると思う。

 だが、この境遇の差はなんだ。
 写真に映るレイラは何不自由なく育ってきただろう。

 なのにそっくりな私は毎日のように親父に殴られ蹴られて、まともな食事も与えられない。


 貧乏で蔑まれて生きてきた。
 生まれた家の環境が問題なのか。
 シャクにさわるが、抜群に笑顔が可愛らしい。

 果たして……。
 私は、あんな笑顔で笑ったコトがあるだろうか。


 彼女と私の何が違うと言うのだろう。


 その時、ハッと気づいた。


「そうか。わかった……!!」
 レイラはカレを……。
 桐山アキラに恋をしているんだ。


 恋をしているから、あんなキラキラと輝く笑顔が出来るんだ。
 全ては恋のなせるワザなのか。



 その時、腕がズッキンといたんだ。
「イッツウゥ……」また腕の引っ掻きキズが疼いた。

 嵐の中、クソ親父とロリコン万堂に暴行され、その際、揉み合いになって腕を引っ掻かれたキズだろう。



「クッソォ……」アイツら。
 




 だが思えば、このキズが後に大きな問題になることになった。











☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚


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