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ロリコン万堂……

矢作警部補……

　すぐ隣りが万堂の屋敷だったなんて。

　まさに最悪だ。　



「どうした。こんな近くに万堂さんのお宅があってびっくりしたのか」
　まるで私の心を読んだみたいだ。矢作は私の顔色を伺って笑った。



「ぬうぅ、るッせぇな。マン○ー、マン○ーッて、どんだけエロワードを呼んでるんだよ。
　セクハラだろォ！！」
　こっちも逆転ギレだ。NGワード連発で警察の尋問をかわしていく。




「ああァン、おいおい万堂だよ。言うかよ。いくらオレだって女子高生に､マン○ーなんて」
　


「言ってるだろう。バァカ」
　もちろんこのままアキラの部屋へ帰るワケにはいかない。マンションをスルーし、そのまま真っ直ぐ歩き続けた。



「待てッて。お姉ちゃん。じゃァ､せめて名前を教えてくれよ。それから連絡先と住所を」
　しつこく矢作はつけてくる。名前を言わなければ帰りそうにない。



「はァ、なんだよ。なんでそんな個人情報を」
「いいか。お姉ちゃん……、オレは目を見りゃァ、そいつがウソを言ってるかわかるんだよ」


「ウソォ……」


「そうだ。この万堂さんがチェキで撮ったセーラーエンジェルのモデルはお姉ちゃんなんだろう。
　マスクを取ってみろよ」



「そんなセーラーエンジェルなんか知らねえェよ……。警察呼ぶぞ」



「ああァ、呼んでくれて結構だ。県警の矢作やはぎッて､警部補に殺人の容疑で疑われているんですッて通報してみろ」
　ハッタリにしても､かなり強気だ。


「ちょっと、ハギさん。そんなコトされたら､また大問題ですよ」
　隣りでイケメンの富田が慌てて話しに入ってきた。


「ぬうぅ……」この刑事。マジで私を殺人犯だと疑っているのか。



「どうした。スマホで通報しろよ」

「ッるせぇな。忘れてきたんだよ」
　元々、スマホを持っていない。


「なるほど、サンダル履きでスマホもなしか。近くのコンビニへブラッと入ったッてことだろう。
　メロンパンでも買いに……。
　だがこの辺りの地理にはあまり詳しくない。まさか近所に万堂の屋敷があるとは思わなかった。
　そうじゃないのか？」


「るッさいなァ……」クッソォ。当たっているが。


「名前を教えてくれ。いいだろう。そのくらいなら」



「ああァン、レイラだよ……」つい答えてしまった。



「レイラ？  良いね。レイラちゃんか。苗字は」


「龍崎……」つい龍崎レイラの名前を使ってしまった。


「ヘッヘヘ、スゲェ名前だな……。
　龍崎レイラって！  お蝶夫人か」


「お蝶夫人……？」なんだ。そりゃァ。








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