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横須賀へ……✨✨✨✨
ルナ✨✨(三人称)
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横須賀新平成大学から少し坂を昇った一方通行の小さな路地へ矢作とミッチーらを乗せた車が入っていく。
「ああァ、そうです。この辺りですねえェ……」
ミッチーは車から降りて思い出したように指を差した。
「なるほど、じゃァ、そのセーラーエンジェルはこの一方通行の道を逆走してキミたちの乗った車とすれ違ったのか」
嵐の中の景色と照合してみた。
この辺りに間違いないようだ。
「そうですねえェ。ッでこの辺りで彼女に気づいてスマホで録画したんですよ。車の中からこうやって」
ミッチーはジェスチャーをしてみせた。
「そうか。ありがとォ」
「でも、あのセレブが殺された事件ッて、黒川ジュリアによる保険金殺人事件だったんじゃないんですか」
大学生のミッチーも思い出したようだ。
「ヘッヘヘ、よく知ってるな。そうなんだけどね」
「あんなバレバレの保険金殺人なんて普通しないでしょ」
「まァ、殺人をしないのが普通なんだけどね。ありがとう。ミッチー君、ええェッと……」
「三橋ですよ。新平成大学二年生の」
「そうか。どうも、また何かわかったら、ここに連絡してもくれよ」
矢作は名刺を渡した。
引き続き、矢作と富田はセーラーエンジェルが爆走していた近辺を聴き込んだ。
「金髪の娘ですか。さァ……」
「わかりませんねえェ……」
何人か事情を訊いたが、あまり芳しくない。
続けて、学生服姿の高校生くらいのメガネを掛けた少年に声を掛けた。
「悪いが、この辺りの学生かな」
矢作が前に立ちふさがる感じで訊いた。
「えッ、はァ……、まァそうですが」
スマホを見ながら歩いていたので突然声を掛けられ、びっくりした様子だ。
「この辺りに金髪のセーラーエンジェルみたいな格好をした美少女を知らないか」
チェキのコピーを見せた。
「え、セーラーエンジェル? 知りませんよ」
眉をひそませ、そのまま立ち去ろうとした。
「どうも……、すみません」
別の人を探そうとした時、背後からさっきのメガネ少年が振り返って話しかけてきた。
「あのォ、ちょっと……」
「ン、何か思い出したか」
「いえ……、別に、金髪ではありませんけどね。黒髪の美少女ヤンキーなら知ってますよ」
「黒髪の美少女ヤンキーねえェ……。なんて子なんだ」
「ええェッと、ルナって子ですけど……」
ようやくメガネの少年はスマホから目を離し、矢作たちの顔を見た。
「フフゥン、ルナねえェ。その子がこのセーラーエンジェルのコスプレをしたと思う?」
「ううゥン……、わからないけど。このトコロ見かけないから。小学校もロクに来てなかったし。中学は全然だったから。お父さんがアレで……」
「ン、アレとは」
「いや、まァ、あんまり大きな声じゃ言えないけど」
少年は声をひそめて辺りを伺った。
他に人通りはない。
「なんですか。僕たちは県警のモノですが」
改めて富田は警察手帳を見せた。
☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚
「ああァ、そうです。この辺りですねえェ……」
ミッチーは車から降りて思い出したように指を差した。
「なるほど、じゃァ、そのセーラーエンジェルはこの一方通行の道を逆走してキミたちの乗った車とすれ違ったのか」
嵐の中の景色と照合してみた。
この辺りに間違いないようだ。
「そうですねえェ。ッでこの辺りで彼女に気づいてスマホで録画したんですよ。車の中からこうやって」
ミッチーはジェスチャーをしてみせた。
「そうか。ありがとォ」
「でも、あのセレブが殺された事件ッて、黒川ジュリアによる保険金殺人事件だったんじゃないんですか」
大学生のミッチーも思い出したようだ。
「ヘッヘヘ、よく知ってるな。そうなんだけどね」
「あんなバレバレの保険金殺人なんて普通しないでしょ」
「まァ、殺人をしないのが普通なんだけどね。ありがとう。ミッチー君、ええェッと……」
「三橋ですよ。新平成大学二年生の」
「そうか。どうも、また何かわかったら、ここに連絡してもくれよ」
矢作は名刺を渡した。
引き続き、矢作と富田はセーラーエンジェルが爆走していた近辺を聴き込んだ。
「金髪の娘ですか。さァ……」
「わかりませんねえェ……」
何人か事情を訊いたが、あまり芳しくない。
続けて、学生服姿の高校生くらいのメガネを掛けた少年に声を掛けた。
「悪いが、この辺りの学生かな」
矢作が前に立ちふさがる感じで訊いた。
「えッ、はァ……、まァそうですが」
スマホを見ながら歩いていたので突然声を掛けられ、びっくりした様子だ。
「この辺りに金髪のセーラーエンジェルみたいな格好をした美少女を知らないか」
チェキのコピーを見せた。
「え、セーラーエンジェル? 知りませんよ」
眉をひそませ、そのまま立ち去ろうとした。
「どうも……、すみません」
別の人を探そうとした時、背後からさっきのメガネ少年が振り返って話しかけてきた。
「あのォ、ちょっと……」
「ン、何か思い出したか」
「いえ……、別に、金髪ではありませんけどね。黒髪の美少女ヤンキーなら知ってますよ」
「黒髪の美少女ヤンキーねえェ……。なんて子なんだ」
「ええェッと、ルナって子ですけど……」
ようやくメガネの少年はスマホから目を離し、矢作たちの顔を見た。
「フフゥン、ルナねえェ。その子がこのセーラーエンジェルのコスプレをしたと思う?」
「ううゥン……、わからないけど。このトコロ見かけないから。小学校もロクに来てなかったし。中学は全然だったから。お父さんがアレで……」
「ン、アレとは」
「いや、まァ、あんまり大きな声じゃ言えないけど」
少年は声をひそめて辺りを伺った。
他に人通りはない。
「なんですか。僕たちは県警のモノですが」
改めて富田は警察手帳を見せた。
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