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横浜、レイラと……✨✨✨
ソレイユ……✨✨✨
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決定的な決裂だ。
ここは横浜市中区にある高級マンション、ソレイユの四階の一室。弁護士、桐山アキラの部屋だ。
「違う。ミスタッチだ!」
「まただ。何度ミスタッチするんだ!」
何度もリストの『ラ・カンパネラ』のミスタッチを指摘され、イラッとしたのだ。
ピアノの練習中に、つい先日、矢作らに訊問されたコトをこぼした。
「なにィ……、二人連れの刑事に事情聴取されたァ。ふざけるな」
途端にアキラは烈火のごとく怒り始めた。
「ッるせぇな……」私はそっぽを向いた。
「ぬうぅ、あの日か。勝手に外へ出てた……」
「ああァ……」あの日、ブラッと外出しコンビニで買食いをしようとして偶然、矢作と富田と言う刑事に出会ってしまった。
「まさか……、アイツの屋敷が隣りだったなんて知らなかったんだ」
万堂の屋敷のある方を見た。アキラのマンションのすぐ隣りが、被害者の資産家、万堂の豪邸だった。
「だから、むやみに外出するなッて言っただろう」
「わかってるよ。でも……」
「でもなんだ。軽率な真似をして、全て台無しだ」
「ぬうぅ……、知るかよ」
「なにィ!!」
「だいたい、はじめから無理な計画だろう!!
バカなのか。お嬢様とヤンキーが入れ代わるなんて!!」
「そうだ。普通なら絶対に無理だ。だが、お前なら出来るんだよ。瓜二つのお前なら!!」
「るッせぇな。もし万が一、上手くいってもレイラはアキラと結ばれるだけなんだろう」
「それは……、そうだが」
「知るか!! バカバカしくてやってられるかァ!」
私は帽子とマスクをつけ、そのまま部屋を飛び出した。
「お、おいッ、待てよ。レイラ!!」
まだアキラは、私のコトをレイラと呼び止めた。
なんで、こんなにイラつくのか。
この時は、わからなかった。
アキラとレイラのコトを嫉妬したのだろうか。
私は、振り向かずマンションから逃げるように横浜の街へと駆け抜けていった。
☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚
ここは横浜市中区にある高級マンション、ソレイユの四階の一室。弁護士、桐山アキラの部屋だ。
「違う。ミスタッチだ!」
「まただ。何度ミスタッチするんだ!」
何度もリストの『ラ・カンパネラ』のミスタッチを指摘され、イラッとしたのだ。
ピアノの練習中に、つい先日、矢作らに訊問されたコトをこぼした。
「なにィ……、二人連れの刑事に事情聴取されたァ。ふざけるな」
途端にアキラは烈火のごとく怒り始めた。
「ッるせぇな……」私はそっぽを向いた。
「ぬうぅ、あの日か。勝手に外へ出てた……」
「ああァ……」あの日、ブラッと外出しコンビニで買食いをしようとして偶然、矢作と富田と言う刑事に出会ってしまった。
「まさか……、アイツの屋敷が隣りだったなんて知らなかったんだ」
万堂の屋敷のある方を見た。アキラのマンションのすぐ隣りが、被害者の資産家、万堂の豪邸だった。
「だから、むやみに外出するなッて言っただろう」
「わかってるよ。でも……」
「でもなんだ。軽率な真似をして、全て台無しだ」
「ぬうぅ……、知るかよ」
「なにィ!!」
「だいたい、はじめから無理な計画だろう!!
バカなのか。お嬢様とヤンキーが入れ代わるなんて!!」
「そうだ。普通なら絶対に無理だ。だが、お前なら出来るんだよ。瓜二つのお前なら!!」
「るッせぇな。もし万が一、上手くいってもレイラはアキラと結ばれるだけなんだろう」
「それは……、そうだが」
「知るか!! バカバカしくてやってられるかァ!」
私は帽子とマスクをつけ、そのまま部屋を飛び出した。
「お、おいッ、待てよ。レイラ!!」
まだアキラは、私のコトをレイラと呼び止めた。
なんで、こんなにイラつくのか。
この時は、わからなかった。
アキラとレイラのコトを嫉妬したのだろうか。
私は、振り向かずマンションから逃げるように横浜の街へと駆け抜けていった。
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