💕ヴァージン✨ゲーム✨💕 一千億円で私のバージンを売ってやる✨✨ さァ✨ゲームの始まりです❗❗

オズ研究所《横須賀ストーリー紅白へ》

文字の大きさ
152 / 171
革命……🎼🎶🎹✨✨✨

革命……🎼🎶🎹✨✨✨

しおりを挟む
 圧倒的な演奏だ。
 
 リビングにいる全員が息を飲んだ。


 私の覚悟。
 命を賭けたパフォーマンスにリビングの観衆の耳目を支配した。




 私が、最後に選んだ一曲はショパンのピアノ曲『革命』だ。

 何度、練習したことか。
 それはショパンが絶望と孤独の中で創った最高傑作だ。


 叩きつけるような怒りや憎しみを鍵盤に乗せ、紡ぎ出す骨太のメロディー。



 もちろん私なりの解釈だ。誰かに習ったわけではない。
 天宮美彩先生の録音した演奏を聴いては弾く。



 何度も何度も……。繰り返し、繰り返し。



 だが手の甲のヤケドがひきつるように傷んだ。
 

「……!」
 思った通り弾けない。


 それでも、これが今の私だ。
 今の私の思いをすべて叩き込みピアノを演奏した。


 おそらくレイラお嬢様の演奏とはまったく違った演奏になっただろう。
 なにしろ基本すら習っていないのだから。




 私の『革命』だ。
 プアな自分との……、榊ルナとの決別。



 私は痛みも忘れ、いつしか演奏に没頭した。

 あっと言う間に時間は経過していく。




 『ダーン』
 弾き終わった。なんとかすべてを……。
 もうこれで悔いはない。


 どうだったんだ。
 振り返る勇気がない。


「……」
 リビングに、重たい沈黙が流れた。
 かすかにエアコンのモータ音だけが耳に届いた。



 押しつぶされそうになった時、背後からパチパチと拍手をする音が聴こえてきた。



「うゥ……」ゆっくり振り返って見ると矢作がひとり立ち上がり、手を叩いて拍手をしていた。



「ブラボー!  驚きましたよ。いやァ、さすがレイラお嬢様!  見事な腕前でした」
 いさぎよく矢作は負けを認めたようだ。



「ううゥ……」
 ハッとしたように、桐山アキラも拍手をして讃えた。



「レイラお嬢様ァァァァァ……!」
 さらに武藤百合子ら家政婦らからも拍手喝采の歓声が響いた。



「……」ミラも声がない。
「ぐうゥ……」ママ母の舞香も呻くのがやっとだ。



「どうですか。レイラお嬢様の演奏は」
 自慢げにアキラは舞香らに微笑んだ。


「そうねェ……。良かったんじゃないの」
 ママ母の舞香もお手上げのようだ。視線を逸らせて応えた。


「フゥン……」ミラもそっぽを向いた。


 
 
 取り敢えず、まだ『バージンゲーム』は続行のようだ。





「さァ、戻りましょう。お嬢様!」
 アキラの押す車椅子に乗って私は部屋へ戻った。





 



☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚



 
しおりを挟む
感想 83

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

借金した女(SМ小説です)

浅野浩二
現代文学
ヤミ金融に借金した女のSМ小説です。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

処理中です...