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横浜､レイラと……✨✨✨

ナポレオン……（三人称）

　矢作と富田は横浜市内を覆面パトカーで巡回していた。



「こんなコトしても無理ですよ。この大都市横浜でたった二人の美少女を探し出すなんて」
　運転している富田は口を尖らせて文句を言った。



「るっせぇなァ、わかってるよ」彼もかなり苛ついていた。


　矢作と富田は車の中から通行人や女子高生らに視線を巡らせレイラらを探していた。



　その時、着信バイブが響いた。


「チィッ、なんだよ」矢作は､舌打ちをして不満げにスマホを繋いだ。




《もしもし､ハギさん！  オレだオレ！  大変だなんだよ。レイラを助けてくれェーー……！》
　いきなり悲鳴にも似た少年の声がスピーカーから流れた。
　謎の少年ナポレオンだ。



「おいおい……、あのなァ､少年！！」
　あまりの怒鳴り声に矢作はスピーカーから耳を遠ざけた。

　文句を言おうとしたが、遮るように少年は悲痛な声で叫んだ。



《わかっているよォー。今はハギさんしか､レイラを助けられる人がいないんだ！  お願いだ。オレの言う通りにしてくれェ……！
　オレには助けられないンだ！》



「はァ､そんなに緊急だったら、お前が電話で報せろよ」


《妨害されているんだ！  レイラを助けてくれェ……》



「はァ……、断っておくが､オレはボランティアの正義の味方じゃないんだぜ」



《頼むよ！  ヤツが動き出したんだ！  レイラを殺す気なんだよ！》

「ああァン、殺す気……！」穏やかではない。


《そうだ。もう時間がない！  ハギさんだけが頼りなんだ》


「チィッ､わかったよ。どうすりゃァ良いんだ」
　さすがにコワモテの矢作警部補も泣く子と､何とかには叶わないようだ。




《横浜市内の山下町へ向かってくれ。それから今すぐにレイラの位置情報を送るから》



「おいおい……、位置情報だとォ､なんでそんなのがお前にわかるんだ」



《いいから早くしてくれえェ……》
　また悲痛な叫びがスピーカーから響いた。










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