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砂の城……✨✨✨

ナポレオン……（三人称）

　また矢作に着信バイブが響いた。


「ン、もしもし……」慎重に電話を繋いだ。

《やァ……、ハギさん》
　まったく元気のない少年の声だ。

「よォ、少年探偵ナポレオン君！  ありがとうよ！
　キミのおかげで黒髪の美少女は一人､助けられたよ」



《はァ……、わかってますよ。正義の味方！
　だけど二人救えなきゃ､なンにもならないんだ》
　


「えッ､二人……！」


《ハギさんは何にも悪くないよ……。悪いのは､すべてオレなんだ。オレが敵を甘く見て傲あなどった所為なんだよ……うッううゥ……》
　声が震えだした。泣いているようだ。



「おい……、レオン。大丈夫か」
《ダメだッて言えば､レイラが生き返るのか》


「ええェ……？  レイラ」


《まさか､焼身自殺の巻き添えでレイラが殺されるなんて……。全部､オレの責任だ。アキラを信用しすぎた。オレがバカだったンだ》



「そんな事､誰も予期できないよ……。バスで焼身自殺するなんて……。お前の所為じゃないだろう」



《ううゥ……、ハギさん！  お疲れ様！  ハギさんには感謝の言葉しかないよ》


「おい、ナポレオン！！」

《この仇は必ず討つッ！  ナポレオンの名に賭けて》


「ぬうゥ……」

　また消防車のサイレンの音が響いた。



　横浜の街が夕陽に紅く染まっていく。

　










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