【都市伝説殺人事件】 クッキー様 ！ とろけるように甘く謎を解決《とい》てください！ 紅い月夜に死者が舞う！！

不審な電話✨📳✨✨

♯１９ ストーカーの清川仁✨📳✨✨✨

『オレだよ。オレェ……。清川だよッ！！』



「なッ、清川……君？」ストーカーの清川仁だ。
　あまり声も聴いた事がなかったので､音声だけではまったくわからなかった。
　声を聞いたのは､いつ依頼だろうか。中学卒業と同時に行方不明になっていた。


　最近はまともに会ったこともない。
　


　なんで､いつも黙って影のような存在だった清川仁がわざわざ連絡してきたのだろう。



『田山は､半グレ同士の抗争で殺されたんじゃない』



「ええェ……、じゃァ､誰に殺されたッて言うの」
　徐々に息苦しくなっていく。



『もちろんアイツだよ！！』



「うッ､ううゥ……､アイツッて誰なの」
　まるで真綿で首を絞められていくような気分だ。



『ミオにもアイツから連絡があっただろう』

「くッううゥ……､まさか」アイツ……。
　清川仁にも脅迫電話をかけていたのだろうか。



『そうさ。ブラディ･ジャスティスだよ！』
「な……ッ！！　ブラディ･ジャスティス」


『血まみれの正義の刃ヤイバで､復讐しに来たんだ！！  アイツがブラディジャスティスになって』

　

「ぐゥ､アイツッて」まさか。



『フフン、決まっているだろ。アイツッて言えば」

「誰なの。はっきり言ってよ！」



『ケッケケ､蒼井だよ。蒼井正義セイギさ！』



「くゥ……、ちょッ､ちょっと待って」
　これ以上は､いくらクッキー様には聞かせられない。
　


「ン……！！」
　目の前のクッキー様は不審な眼差しで私を見つめている。



「すみません。ちょっと向こうで電話をします」
　私はクッキー様のベッドから離れ､隣りのゲストルームへ逃げるように急いだ。



「ミオさん……」クッキー様も唖然として見送った。

　しかし構っていられない。
　


　蒼井正義の話しは他の誰にも聞かせるコトは出来ない。
　わたしがもっとも秘密にしておきたいデリケートな話しだ。



　たとえクッキー様にも秘密にしなければならない。



　私はゲストルームの内鍵を掛け､改めて電話を続けた。


「ンうゥ、もしもし……」小声で囁くように声をかけた。



『なんだ。九鬼神とか言うイケメンには聞かせられないのか』
　清川仁は嘲るように薄笑いをした。



「うるさいわね。そんなコトより……。カレの……、蒼井君のはずはないわ。だって蒼井正義君は」



『フフン､校舎の屋上から飛び降りて､自ら命を絶ったからか！！』




「ヌウぅ、そ……、そうよ。蒼井君は七年前に亡くなっているじゃない！」
　彼が真犯人のはずはない。








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