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紅い蜘蛛✨✨
萌絵✨✨202○年夏……
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☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚
202○年七月二十二日、昼過ぎ。
夏の強烈な日差しが眩しい。今日も酷暑日だ。
そこかしこから鳴いている蝉の声が煩わしい。
私の元へ萌絵から急用だと連絡があり駅前の喫茶店『ルノワール』へ急いだ。
店内にはショパンのメロディアスなピアノ曲、『雨だれ』が流れていた。
少し出歩いただけで、汗びっしょりだ。
急用だと言うので急いでやって来たのに、麻見萌絵は約束した待ち合わせ時間に十分も遅れてやって来た。
「ミオ!!」萌絵は私を見つけると半分キレ気味に睨みつけた。
まったく悪気はないという顔だ。
「なんなのよ。ッたくゥ……、遅刻してきて」
こっちがキレるならわかるが、遅れてきた萌絵が逆ギレか。
それにしてもスゴいオッパイだ。
胸元が、ざっくり開いているので豊かなオッパイがこぼれそうだ。
近くの男たちがヨダレを垂らして見つめている。
香水の匂いだろうか。甘美で蠱惑的な薫りが私の鼻孔を刺激してくる。めまいがしてきそうだ。
「そっちから呼び出したクセに。
遅れて来るッてェ……」
私だって暇じゃない。唇を尖らせた。
「知らないの。ミオ!」断りもなく隣りに座って、一気に私のグラスを取り煽った。
「あのねェ……、何がよ。いきなり知らないのッて」
まったく脈絡もない。
カタッとワザと音が立つように、グラスをテーブルへ置いた。
「ンうゥ……」なんなんだ。このムカつく態度は。
『アイツが殺されたのよ』
麻見萌絵はスッと耳元へ顔を寄せ小声で囁いてきた。
「え、えェ? なによ。誰が殺されたッて言うのよ」
ウエイトレスが来たのも知らず、私は大きな声を張り上げた。
「あッ、いらっしゃいませ」
少し驚いた様子で、ウエイトレスは水の入ったグラスを萌絵の前に置いた。
突然、私が『殺された』と喚いたのでビックリしたようだ。
手が震えて『カランカラン』と氷がグラスとぶつかって音を奏でた。
『シーッバカ。大きな声を出さないでよ』
口に指を当て静かにするようジェスチャーをし囁いた。
しかしすぐさまウエイトレスには作り笑顔で、「アイスコーヒー」を頼んだ。
「うッううゥ……、バカッて、何よ」勝手なヤツだ。
萌絵が変な事を言うから声を上げただけだ。
『知らないの。飯沼よ。神倉ハイウェイで何者かに撲殺された。飯沼を……』
また萌絵は囁いてきた。
「ああァ……、飯沼勝利君?」
私はアイスコーヒーのストローに口をつけ聞き返した。
今朝からワイドショーなどでも騒いでいた。
海に放り投げられ、惨殺死体で発見されたようだ。
「でもあれッて、半グレ集団同士の抗争でしょ」
ワイドショーでは、『紅い蜘蛛』の幹部だった飯沼勝利が敵対するグループに殺害されたのではないかと報道されていた。
私たちとは、まったく世界が違う。
☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚
202○年七月二十二日、昼過ぎ。
夏の強烈な日差しが眩しい。今日も酷暑日だ。
そこかしこから鳴いている蝉の声が煩わしい。
私の元へ萌絵から急用だと連絡があり駅前の喫茶店『ルノワール』へ急いだ。
店内にはショパンのメロディアスなピアノ曲、『雨だれ』が流れていた。
少し出歩いただけで、汗びっしょりだ。
急用だと言うので急いでやって来たのに、麻見萌絵は約束した待ち合わせ時間に十分も遅れてやって来た。
「ミオ!!」萌絵は私を見つけると半分キレ気味に睨みつけた。
まったく悪気はないという顔だ。
「なんなのよ。ッたくゥ……、遅刻してきて」
こっちがキレるならわかるが、遅れてきた萌絵が逆ギレか。
それにしてもスゴいオッパイだ。
胸元が、ざっくり開いているので豊かなオッパイがこぼれそうだ。
近くの男たちがヨダレを垂らして見つめている。
香水の匂いだろうか。甘美で蠱惑的な薫りが私の鼻孔を刺激してくる。めまいがしてきそうだ。
「そっちから呼び出したクセに。
遅れて来るッてェ……」
私だって暇じゃない。唇を尖らせた。
「知らないの。ミオ!」断りもなく隣りに座って、一気に私のグラスを取り煽った。
「あのねェ……、何がよ。いきなり知らないのッて」
まったく脈絡もない。
カタッとワザと音が立つように、グラスをテーブルへ置いた。
「ンうゥ……」なんなんだ。このムカつく態度は。
『アイツが殺されたのよ』
麻見萌絵はスッと耳元へ顔を寄せ小声で囁いてきた。
「え、えェ? なによ。誰が殺されたッて言うのよ」
ウエイトレスが来たのも知らず、私は大きな声を張り上げた。
「あッ、いらっしゃいませ」
少し驚いた様子で、ウエイトレスは水の入ったグラスを萌絵の前に置いた。
突然、私が『殺された』と喚いたのでビックリしたようだ。
手が震えて『カランカラン』と氷がグラスとぶつかって音を奏でた。
『シーッバカ。大きな声を出さないでよ』
口に指を当て静かにするようジェスチャーをし囁いた。
しかしすぐさまウエイトレスには作り笑顔で、「アイスコーヒー」を頼んだ。
「うッううゥ……、バカッて、何よ」勝手なヤツだ。
萌絵が変な事を言うから声を上げただけだ。
『知らないの。飯沼よ。神倉ハイウェイで何者かに撲殺された。飯沼を……』
また萌絵は囁いてきた。
「ああァ……、飯沼勝利君?」
私はアイスコーヒーのストローに口をつけ聞き返した。
今朝からワイドショーなどでも騒いでいた。
海に放り投げられ、惨殺死体で発見されたようだ。
「でもあれッて、半グレ集団同士の抗争でしょ」
ワイドショーでは、『紅い蜘蛛』の幹部だった飯沼勝利が敵対するグループに殺害されたのではないかと報道されていた。
私たちとは、まったく世界が違う。
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