【都市伝説殺人事件】 クッキー様 ！ とろけるように甘く謎を解決《とい》てください！ 紅い月夜に死者が舞う！！

イスルギリオ✨✨✨

イスルギリオ✨✨✨

　
「天真《テンマ》ッて､九鬼神天真のこと！！」
　思わず､私は立ち上がって姉を詰問した。



「えェ……？」姉のリオも目を丸くして驚いている。


「どうなのよ。リオ！！
　クッキー様と､どういう関係なの」
　私は､まくしたてるようにリオへ突っ掛かった。



「なに……、どうしたのよ。急に」
　姉も怪訝な顔で聞き返した。
　

「教えて。クッキー様とどういう関係なのかを」
　まさか彼に限って二股ってワケではないだろうが。
　それほど彼が､『恋の駆け引き』に長たけているとは思わない。



「ン､クッキー様ッて､天真のこと？」



「ええェ、そうよ。九鬼神天真。私のクッキー様」


「別に、サークルの先輩後輩よ。何度か､天真のお屋敷に招かれたけどね」
　



「えェ……、サークル。マジで」

「なによ。フィアンセだとでも言えば盛り上がるの」　　　
　姉のリオはジョークめかして微笑んだ。



「なッ！  フィアンセ」

「そうね。天真はイケメンですもの。ミオが舞い上がるのもわかるけど」


「別に……、舞い上がッてるワケじゃないわよ」


「美少女姉妹で､イケメンセレブを奪い合うッて言うのも面白いかもね」


「うッううゥ……、何を言ってるのよ」
　美少女姉妹ですッて。
　そんなの絶対に勝てるはずがない。

　姉のリオと競っても､何ひとつ私に勝ち目はない。
　勉強もスポーツもビジュアルも､すべて姉は私よりも優っている。



「実は､彼とは簡単には言えない深い仲なのよ」
　意味深に微笑んだ。

「な、なんですッてェ……。深い仲ァ……？」
　一気にヒートアップした。
「どう言う事よ。深い仲ッてェ……！！」



「もォ……、プライベートな事よ。そんな事より今は､彼の事を話してるヒマはないの。
　こっちは連続殺人事件で忙しいンだから！！」



「くうゥ……」
　確かに､そうだろうけど。




「さァ、こっちもトミー行くわよ」
　リオは立ち上がるとすぐに部下の富田に指示を出した。


「ええェ……、行くッてドコヘですか？」


「『パンドラ』よ。キャバクラの！！」

「えッ、キャバクラ？」

「『パンドラ』のキャバ嬢､三隅茜が殺害され、吉木公平殺害の第一発見者の麻見萌絵が勤めているのよ。
　そんな偶然がある？」


「いや、でもそれは」
「あの店長なんて言ったかしら亀有……？」

「え、ああァ、亀坂ですね」



「行くわよ。トミー！！」リオはイケメン刑事を引きずるように出ていった。


「ハイハイ……、お姫様！！」
　まるでお付きの従者だ。



「ぬゥ……」私は茫然と姉の後ろ姿を見送った。








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