【都市伝説殺人事件】 クッキー様 ！ とろけるように甘く謎を解決《とい》てください！ 紅い月夜に死者が舞う！！

九鬼神邸✨✨✨

九鬼神邸✨✨

　私はシオンに付き添ってもらい､九鬼神邸へ向かった。


「大丈夫？  ミオ……」
　シオンは私を気づかい優しく背中を擦ってくれる。
「ハイ……」なんとか笑顔を作った。


　重厚なドアが開き､クッキー様が心配そうな顔で出迎えてくれた。



「ミオさん。どうしましたか」
　

「あ、あの……」クッキー様の顔が見られて嬉しいはずなのに上手く笑えない。


　なにから話せば良いのか、頭の中が混乱している。話したいことは､いくらでもあるのに言葉が見つからない。




「ごめんなさい。さァ、ミオ。彼に全部話しなさい」
　シオンはクッキー様の元へ私の背中を押してくれた。


「ああァッ」彼の胸の中へ飛び込んだ。
「うッ」クッキー様もワケがわからず受け止めてくれた。


「ええェッと……」
　私も自分のコトをさらけ出さなければならないようだ。


「とにかく話しを伺いましょう。どうぞ。中へ」
　私を抱き寄せ屋敷の中へ招かれた。



　リビングは暖かな空気に包まれていた。



「楽にして､今、ココアでも入れましょう」
　いつでもクッキー様は優しい。

　私とおネエのシオンはソファに腰掛け､クッキー様の用意したミルクココアをひと口飲んだ。




　少し落ち着きを取り戻し､事情を説明した。



「実は……、小学生の時のクラスメイトが亡くなったんです」


「ンうゥ、クラスメイトが……」
「ハイ……、まず半年ほど前の夏……、飯沼勝利君と言う人が神倉ハイウェイで亡くなりました」


「事故か何かですか……」

「いえ、それが」
「かなり残酷に殺されたようよ」横からシオンが説明をしてくれた。


「ああァ、あの神倉ハイウェイ惨殺事件ですか。あの事件は敵対する半グレ集団による犯行なのでは」



「ええェ……、私もそう思っていました。つい最近まで」


「違ったのですか」

「実はあの事件､もう一人被害者がいるのよ」
　シオンが話しを補足した。



「もう一人……」

「三隅茜……。【シェアハウス ソレイユ】の住人だった子よ」

「ああァ、そうでしたね。家にも事情聴取に警察の方が来ましたよ。紅い髪の女の子でしたね」


「ええェ……、その三隅茜の遺体が神倉山山中から発見されたの」



「なるほど、ワイドショーで見ました。では､彼女も飯沼君の殺人事件に巻き込まれて」


「ハイ……、そうだと思ってました。はじめは私も」



「はじめは……？  今は違うのでしょうか」











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