【都市伝説殺人事件】 クッキー様 ！ とろけるように甘く謎を解決《とい》てください！ 紅い月夜に死者が舞う！！

真島家✨🏡✨✨✨

真島家……✨✨✨✨

「なるほどバスケよりもサッカーでしょうか」
　少し嫌みな言い方だ。


「まァ……、そうですね」
　父親の真太郎は少し答えにくそうだ。
　息子を殺されたので､お疲れ気味なのだろうか。



「真二郎君が事故に遭ってからバスケは見なくなりましたか」
　またクッキー様は笑顔で尋ねた。



「えェ……、いや､別に……」
　父親はスッと視線を逸らせた。
「……」母親はギュッとハンカチを握りしめた。




「フフゥン、これは､ずいぶん前のポスターですよね。確か､このユニホームはレアルだから」
　クッキー様はポスターを眺めながら微笑んだ。
　

「さァ……、私は詳しくは」
　父親は少し眉をひそめた。



「ケッケケェ……、そうだな。レアル・マドリードのユニホームだから２０１８年よりも前だろォ。やっぱクリスティアーノ・ロナウドは､いつ見てもカッコいいよな」
　ジョーダンもポスターを見ながら笑顔を浮かべた。



「うん、マンＵに移籍してからちょっとね。さすがにクリスティアーノ・ロナウドも３７歳だし……」
　クッキー様も愉しそうに応えた。　


　
「……」真二郎の両親は､ムッとした顔で沈黙している。



「おいおい、いつまでサッカー談義をしているんだ。イケメンクッキーさんよ。ここは､大学のサークルの談話室じゃァねえェンだ……。
　場所をわきまえろ」
　コワモテの鰐口警部が横からクレームをつけた。



「そうですね。ああァ､こちらのカーペットは､いつ変えたのですか」
　だが､構わずクッキー様は世間話しを続けていく。



「えェ……、カーペット？  ンうゥ、いつだったかな」
　真太郎はチラッと横の奥さんを見た。


「さァ、忘れたけど」妻は弱々しく首を横に振って応えた。盛んに両手でハンカチをいじっている。



「急遽､家具の配置を変えたようですね。ほら、ここが家具の跡と合っていない」
　クッキー様がアゴで指摘をした。


「あ、マジだ」私もジョーダンもカーペットの窪んだ跡を見て微笑んだ。
　


「なんなんでしょうか。深夜に､そんな下らない事を」
　堪らず父親の真太郎は文句を言った。




　しかしクッキー様は父親のクレームなどスルーし部屋を物色していく。

「ほぉ、この写真は息子さんとの写真ですね」
　今度はクローゼットに飾ってある家族写真をみつけた。



「ええェ……、まァ」

「お兄さんの真一郎さんとご両親の写真ですか」
　クッキー様は笑顔で尋ねた。


「えェ……、そうですが、それが何か」










☆ﾟ.*･｡ﾟ☆ﾟ.*･｡ﾟ☆ﾟ.*･｡ﾟ☆ﾟ.*･｡ﾟ☆ﾟ.*･｡ﾟ