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九鬼神邸✨✨✨✨
九鬼神邸✨✨
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事件は、一気に解決へ向かった。
哀しい結末へ……。
一夜明け、私たちは九鬼神邸へ戻って寛いでいた。
朝からずっとテレビでは『ブラディ ジャスティス』の事件で持ちきりだ。
『こちら、現場となりました横須賀市新平成町にある真島真一郎宅です。
一連のブラディジャスティスによる連続殺人事件の容疑者、真島真一郎が二階から飛び降り自殺した模様です』
女子アナが真島家の前でアナウンスしていた。
テレビカメラに映っている女子アナを取り囲むように野次馬が数多く群がっていた。
「カインとアベルでしょうねえェ……」
クッキー様が辛そうにボソッとつぶやいた。
「えェ……、聖書の」
確か人類初の殺人事件だ。兄が弟を殺すと言う。
「ええェ、弟のアベルに嫉妬したんですよ。兄のカインは」
「それは、真島家での事……。弟の真二郎がバスケでジュニアオリンピックの候補生になったから」
「ああァ……、兄の真一郎は面白くなかったんでしょう」
「なるほど、エリートで家族の愛を一身に浴びていた兄の真一郎は、弟真二郎の才能に嫉妬して、事故を起こし怪我をさせたのか」
ジョーダンが頷いた。
「今となっては、その兄弟二人とも亡くなっているので確認は取れないけどねえェ……」
「でもどうして、こんな事に……」
「アクシデントだろうな」
「えェ……、アクシデント」そう言えば、ずっとクッキー様が言っていた。
「昨夜は『紅い月夜』だった。真一郎は『ブラディジャスティス』として、田山孝一を処刑し磔にして晒しものにした。
そこまでは計画通りだったはずだ」
「でも違ったのねえェ……」
「ああァ、アクシデントだよ。家に帰ったら真二郎が暴れていた。金を脅しとろうとしたのか、どうかは不明だが」
「ンうゥ……、家庭内暴力かァ」ジョーダンが唸った。
「そうだ。何しろ二メートル近い父親も母親も堪らなかったはずだ」
「ッで帰ってきた兄貴の真一郎が、背後からガッツンか?」
ジョーダンが何かを振り下ろす真似をした。
「ああァ、ガッツンか、ザクッかわからないが弟を殺めてしまった」
「その時、血の手形が壁についてしまったのね」
「ああァ、取り敢えず、兄の真一郎は父親と二人して遺体をどこかへ運ぼうとした」
「それで清川の屋敷へ?」
「ああァ、真一郎は、かねてより最後に清川を自宅の屋敷で自殺に見せかけて殺そうと目論んでいたんだ。そのため合い鍵も作っておいたンだろう」
「なるほど、ブラディジャスティスの罪を全部、清川仁に背負わせて」
恐ろしい計画だ。
もちろん私を殺すこともその計画の中に入っている。
もしあの時、事件が解決していなかったら、今度は私の番だったかもしれない。
「ああァ……、しかし背に腹は変えられない。まずは目の前の弟、真二郎の遺体を一刻も早く処分しなければならない」
「それで急遽、清川の屋敷へマジーの遺体を運んだのねェ……」
ようやく事件の詳細がわかってきた。
さすがクッキー様。
まったく私には想像もしていない展開だ。
しかしまだ事件は終わってはいなかった。
記憶から消し去ったあの大惨事……。
私に取って『悲劇のエピローグ』の幕が上がった。
文字通り『最後の幕』だ。
やはり運命からは逃れられないようだ。
☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚
哀しい結末へ……。
一夜明け、私たちは九鬼神邸へ戻って寛いでいた。
朝からずっとテレビでは『ブラディ ジャスティス』の事件で持ちきりだ。
『こちら、現場となりました横須賀市新平成町にある真島真一郎宅です。
一連のブラディジャスティスによる連続殺人事件の容疑者、真島真一郎が二階から飛び降り自殺した模様です』
女子アナが真島家の前でアナウンスしていた。
テレビカメラに映っている女子アナを取り囲むように野次馬が数多く群がっていた。
「カインとアベルでしょうねえェ……」
クッキー様が辛そうにボソッとつぶやいた。
「えェ……、聖書の」
確か人類初の殺人事件だ。兄が弟を殺すと言う。
「ええェ、弟のアベルに嫉妬したんですよ。兄のカインは」
「それは、真島家での事……。弟の真二郎がバスケでジュニアオリンピックの候補生になったから」
「ああァ……、兄の真一郎は面白くなかったんでしょう」
「なるほど、エリートで家族の愛を一身に浴びていた兄の真一郎は、弟真二郎の才能に嫉妬して、事故を起こし怪我をさせたのか」
ジョーダンが頷いた。
「今となっては、その兄弟二人とも亡くなっているので確認は取れないけどねえェ……」
「でもどうして、こんな事に……」
「アクシデントだろうな」
「えェ……、アクシデント」そう言えば、ずっとクッキー様が言っていた。
「昨夜は『紅い月夜』だった。真一郎は『ブラディジャスティス』として、田山孝一を処刑し磔にして晒しものにした。
そこまでは計画通りだったはずだ」
「でも違ったのねえェ……」
「ああァ、アクシデントだよ。家に帰ったら真二郎が暴れていた。金を脅しとろうとしたのか、どうかは不明だが」
「ンうゥ……、家庭内暴力かァ」ジョーダンが唸った。
「そうだ。何しろ二メートル近い父親も母親も堪らなかったはずだ」
「ッで帰ってきた兄貴の真一郎が、背後からガッツンか?」
ジョーダンが何かを振り下ろす真似をした。
「ああァ、ガッツンか、ザクッかわからないが弟を殺めてしまった」
「その時、血の手形が壁についてしまったのね」
「ああァ、取り敢えず、兄の真一郎は父親と二人して遺体をどこかへ運ぼうとした」
「それで清川の屋敷へ?」
「ああァ、真一郎は、かねてより最後に清川を自宅の屋敷で自殺に見せかけて殺そうと目論んでいたんだ。そのため合い鍵も作っておいたンだろう」
「なるほど、ブラディジャスティスの罪を全部、清川仁に背負わせて」
恐ろしい計画だ。
もちろん私を殺すこともその計画の中に入っている。
もしあの時、事件が解決していなかったら、今度は私の番だったかもしれない。
「ああァ……、しかし背に腹は変えられない。まずは目の前の弟、真二郎の遺体を一刻も早く処分しなければならない」
「それで急遽、清川の屋敷へマジーの遺体を運んだのねェ……」
ようやく事件の詳細がわかってきた。
さすがクッキー様。
まったく私には想像もしていない展開だ。
しかしまだ事件は終わってはいなかった。
記憶から消し去ったあの大惨事……。
私に取って『悲劇のエピローグ』の幕が上がった。
文字通り『最後の幕』だ。
やはり運命からは逃れられないようだ。
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