ようこそ『異能者の夜会』へ

ロシキ

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1話 出会い①

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夜、私の部屋で眠っていたはずの私は真っ暗な場所にいた。

そこには地面の感覚はあるのに、下を見ても地面は無かった。
周りは黒い霧が漂っていて、少し先すら見えない。
それに恐怖を覚えた。

そんな時に男の人の声が消えてきた。

「ようこそ、『異能者の夜会』へ

新人さんが来るなんて、久しぶりだな」

声が聞こえて来たのは前なのに、そちらには何も見えなかった。
だから、「誰かですか」と声に出そうとした。

でも、声が出せなかった。
それに驚いて、口に手を当てると、口が無かった。
というか、私自身の体も無かった。

そんな私に男の人の声が再び話しかけてきた。

「落ち着いて、新人さん。

ここは王国国内に居る『異能者』が、来ることが出来る『夜会』だ。
まあ、『夜会』と言っても、実際に何処かで『夜会』をしている訳じゃない。
ここは先代達の『異能』によって存在している。

そして、先代達の『異能』によって存在しているのは場所だけじゃなく、俺達もだ。
だから、『異能』に目覚めたばかりの新人さんには体がない。

でも、『異能』が安定したら体が出るはずだから安心して良い。
もちろん本物の体にも問題は起きない。

今日は新人さんの『異能』が覚醒したから来れたのだろう。
『異能』に覚醒したての『異能者』は、ここに来やすいからね。


おっと、もう時間か。
目が覚めたら、忘れているかもしれないけど、じゃあね。
今度は新人さんの『異能』が完全に覚醒した時にね」

男の人の言葉が終わると同時に、私は何かに引っ張られるように後ろに飛ばされた。


そして、次の瞬間には体がビクリと反応した。
体が反応した事で目が覚めて、私は飛び起きた。

飛び起きた私は、気持ち悪いと感じれるくらいに全身に凄い量の汗をかいていた。
しかし、その事を無視して周りを見回りした。

そして、ここが私の部屋である事を確認してから、さっきまでおかしな夢を見ていたのだと理解したらしく。

「はぁ、はぁ、夢か」

私は一度落ち着く為に、部屋にある水を飲んだ。
しかし、水を飲んだ感覚が無かった。
それに首を傾げていると、部屋の扉がノックされた。

入室許可を出すと、専属侍女のミリーが入って来た。

「おはようございます、お嬢様。

今日はお早いお目覚めですね。
なにかありましたか?」

「いいえ、少し夢見が悪かっただけよ」

「そうですか?」

「ええ、それよりも学園に行く準備をお願い」

「まだ早いですよ?」

ミリーの言葉を受けて、私は外を見た。
まだ外は薄暗く、朝というよりも早朝と言った方が分かりやすい景色をしていた。

それを見て、どうしようかと思ったものの、少し落ち着きたいということもあった。

「今日は少し歩きたい気分なの」

「承知しました。
それでは護衛の準備をさせましょう」

「お願い」

私の言葉を聞いて、ミリーは扉の外に居た侍女に護衛の準備をさせるように指示を出していた。
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