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6話 お昼③
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オーディン様の視線に、ダエスティ様は怒りの表情を見せたものの、「その通りです」と答えた。
それを受けて、私も同じように答えた。
私達の答えを聞いた先生は少し不審な表情をしたものの、これ以上は無駄だと思ったのか、「以後気をつけるように」とだけ言って離れていった。
多分、ダエスティ様がオーディン様を殴っていたら、もっと詳細を聞いてきたのだろうなと思った。
そんな事を考えていると、ダエスティ様は一度オーディン様を睨みつけてから、連れていた令嬢も連れて歩いていった。
オーディン様はダエスティ様を見送ってから、私に振り返った。
「相応に注目を集めてしまっているから、移動しようか」
その言葉を受けて、周りに人の目がある事を思い出したので、頷いて答えた。
◇
オーディン様は「少し落ち着ける場所に移動してから、話をしようと」言って、私を特別室に連れて入った。
特別室とは学園だけに存在する部屋ではない。
公的な場所には必ず特別室が存在し、貴族家所有の屋敷や最高級と呼ばれる宿や商館にも多く存在する。
この特別室は『異能者』が使用する事が前提となっている。
そして、使用するのはもちろん、入室も特別室を管理している者か『異能者』に許可を取らなければならない。
そんな場所に私は学園唯一の『異能者』であるオーディン様の許可を得て入室した。
私は学園の特別室、というか特別室自体に入る事が初めてで物珍しく、顔は動かさずに見回してしまった。
私が部屋を見回している最中に、オーディン様の表情が目に入った。
その表情は少し面白そうな、どこか微笑むような表情をしていて、私の行動が悟られているのが分かった。
その事が少し恥ずかしかったものの、話があると連れてこられたので、その事について質問した。
「私に話があるとの事でしたが、今朝の資料で何か不手際がありましたか?」
「いや、その事はあまり関係ないな。
ただあの時は集中していて、スコット嬢には軽い礼で済ませてしまった。
だから、もう少しきちんとした礼を、と思って探していたんだ。
もしかして、さっきのは邪魔になってしまったか?」
「いえ、正直に申しますと助かりました。
ですが、大丈夫ですか?
ダエスティ様と連れのご令嬢の2人分は、『あのフルコース』が有ったように思いましたが」
「それは大丈夫だ。
スコット嬢は俺に任されている仕事を知っているだろう?」
「はい、確か『異能』による国境防衛や賊の捕縛ですよね?」
「そうだ。
それらの仕事で平均的な伯爵家が領地から得る税金と同じくらいは貰っているから、気にしないで良い」
それを受けて、私も同じように答えた。
私達の答えを聞いた先生は少し不審な表情をしたものの、これ以上は無駄だと思ったのか、「以後気をつけるように」とだけ言って離れていった。
多分、ダエスティ様がオーディン様を殴っていたら、もっと詳細を聞いてきたのだろうなと思った。
そんな事を考えていると、ダエスティ様は一度オーディン様を睨みつけてから、連れていた令嬢も連れて歩いていった。
オーディン様はダエスティ様を見送ってから、私に振り返った。
「相応に注目を集めてしまっているから、移動しようか」
その言葉を受けて、周りに人の目がある事を思い出したので、頷いて答えた。
◇
オーディン様は「少し落ち着ける場所に移動してから、話をしようと」言って、私を特別室に連れて入った。
特別室とは学園だけに存在する部屋ではない。
公的な場所には必ず特別室が存在し、貴族家所有の屋敷や最高級と呼ばれる宿や商館にも多く存在する。
この特別室は『異能者』が使用する事が前提となっている。
そして、使用するのはもちろん、入室も特別室を管理している者か『異能者』に許可を取らなければならない。
そんな場所に私は学園唯一の『異能者』であるオーディン様の許可を得て入室した。
私は学園の特別室、というか特別室自体に入る事が初めてで物珍しく、顔は動かさずに見回してしまった。
私が部屋を見回している最中に、オーディン様の表情が目に入った。
その表情は少し面白そうな、どこか微笑むような表情をしていて、私の行動が悟られているのが分かった。
その事が少し恥ずかしかったものの、話があると連れてこられたので、その事について質問した。
「私に話があるとの事でしたが、今朝の資料で何か不手際がありましたか?」
「いや、その事はあまり関係ないな。
ただあの時は集中していて、スコット嬢には軽い礼で済ませてしまった。
だから、もう少しきちんとした礼を、と思って探していたんだ。
もしかして、さっきのは邪魔になってしまったか?」
「いえ、正直に申しますと助かりました。
ですが、大丈夫ですか?
ダエスティ様と連れのご令嬢の2人分は、『あのフルコース』が有ったように思いましたが」
「それは大丈夫だ。
スコット嬢は俺に任されている仕事を知っているだろう?」
「はい、確か『異能』による国境防衛や賊の捕縛ですよね?」
「そうだ。
それらの仕事で平均的な伯爵家が領地から得る税金と同じくらいは貰っているから、気にしないで良い」
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