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8話 お昼⑤
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私が『成金の象徴』と呼ばれる料理について考えていると、オーディン様が話しかけてきた。
「やはり家の料理人や、貴族御用達のレストランの料理人が優秀だという意味が分かる料理だな。
まあ、ここの料理人も悪くはないが、予算の関係で一流止まりの料理人なんだろうな」
「そうですね。
学園はあくまでも学舎ですから、料理人にまで多くの予算を回せないという事でしょう」
「まあ、それもあるだろうな」
「それも?
という言いますと、他になにか理由があるのですか?」
「ここの料理人はあくまでも一流止まりだが、腕自体はそこまで悪く無い。
それでも一流である理由は作る料理の多さに比例して、少し味が落ちるからだ」
「なるほど、超一流の料理人は作る量が多くなっても、変わらない味を出せると言うことですか」
「そうだ。
貴族家はパーティーを主催する事もある。
例えば立食パーティーなんかで、同じ料理の中でも味が異なってしまえば、軽い言い合いになる可能性もなくはない。
だからこそ、超一流の料理人は量が変わっても、常に同じ味を出せる必要がある。
それに、そんな超一流の料理人の雇う貴族家の人間も、それを理解する必要がある。
つまり、それを理解せずに無駄な金を払わせようとしていたスコット嬢の婚約者は貴族家の人間としては足りないという事だな」
その言葉を聞いて、私は驚いた。
オーディン様は『異能者』であり、『異能者』の権力を良く理解している。
『異能』は何故か、この王の王家の血が少しでも入っている人間でなければ現れない。
だからこそ、『異能者』は王族に近い権力があると同時に、時と場合と『異能』によっては国王陛下すら凌ぐ権力が与えられている。
そして、オーディン様の『異能』は国王陛下を凌ぐ権力を与えられる可能性がある。
そんなオーディン様がある貴族家や組織、商会を個別に非難すれば、その貴族家や組織、商会は終わる。
ここは特別室であり、この場には私とオーディン様しか居ないものの、ダエスティ様を非難すればオーディン様も面倒事に巻き込まれてしまうかもしれない。
そう考えて緊張している私に、オーディン様はなんでも無いように言った。
「スコット嬢には関係のない話になってしまうが、最近国王陛下から無能の扱い方について聞かれてね。
俺自身は、あまり関わらず邪魔なら視界に映さないか、映らないようにすると答えたんだ。
スコット嬢はどうする?」
オーディン様の質問を聞いて、私とお昼を取っている理由が理解できた。
しかし、それを出来るだけ表には出さずに、オーディン様に返答をした。
「私ならば状況次第、でしょうか。
国王陛下やオーディン様のように、ご自身の時間が1秒単位で国益に繋がる方々の時間を無駄するようなら、確かに映らないようにした方が良いでしょう。
ですが、私はまだ学ぶ事の多い学生です。
ですので、オーディン様の言う無能な方からも学ぶことがあるかもしれませんから、極度に邪魔にならなければ放置しております」
「そうか。
それなら、もう少しだけ様子見しようか」
私の言葉に返答したオーディン様は、どこか楽しそうにお昼をとっていた。
「やはり家の料理人や、貴族御用達のレストランの料理人が優秀だという意味が分かる料理だな。
まあ、ここの料理人も悪くはないが、予算の関係で一流止まりの料理人なんだろうな」
「そうですね。
学園はあくまでも学舎ですから、料理人にまで多くの予算を回せないという事でしょう」
「まあ、それもあるだろうな」
「それも?
という言いますと、他になにか理由があるのですか?」
「ここの料理人はあくまでも一流止まりだが、腕自体はそこまで悪く無い。
それでも一流である理由は作る料理の多さに比例して、少し味が落ちるからだ」
「なるほど、超一流の料理人は作る量が多くなっても、変わらない味を出せると言うことですか」
「そうだ。
貴族家はパーティーを主催する事もある。
例えば立食パーティーなんかで、同じ料理の中でも味が異なってしまえば、軽い言い合いになる可能性もなくはない。
だからこそ、超一流の料理人は量が変わっても、常に同じ味を出せる必要がある。
それに、そんな超一流の料理人の雇う貴族家の人間も、それを理解する必要がある。
つまり、それを理解せずに無駄な金を払わせようとしていたスコット嬢の婚約者は貴族家の人間としては足りないという事だな」
その言葉を聞いて、私は驚いた。
オーディン様は『異能者』であり、『異能者』の権力を良く理解している。
『異能』は何故か、この王の王家の血が少しでも入っている人間でなければ現れない。
だからこそ、『異能者』は王族に近い権力があると同時に、時と場合と『異能』によっては国王陛下すら凌ぐ権力が与えられている。
そして、オーディン様の『異能』は国王陛下を凌ぐ権力を与えられる可能性がある。
そんなオーディン様がある貴族家や組織、商会を個別に非難すれば、その貴族家や組織、商会は終わる。
ここは特別室であり、この場には私とオーディン様しか居ないものの、ダエスティ様を非難すればオーディン様も面倒事に巻き込まれてしまうかもしれない。
そう考えて緊張している私に、オーディン様はなんでも無いように言った。
「スコット嬢には関係のない話になってしまうが、最近国王陛下から無能の扱い方について聞かれてね。
俺自身は、あまり関わらず邪魔なら視界に映さないか、映らないようにすると答えたんだ。
スコット嬢はどうする?」
オーディン様の質問を聞いて、私とお昼を取っている理由が理解できた。
しかし、それを出来るだけ表には出さずに、オーディン様に返答をした。
「私ならば状況次第、でしょうか。
国王陛下やオーディン様のように、ご自身の時間が1秒単位で国益に繋がる方々の時間を無駄するようなら、確かに映らないようにした方が良いでしょう。
ですが、私はまだ学ぶ事の多い学生です。
ですので、オーディン様の言う無能な方からも学ぶことがあるかもしれませんから、極度に邪魔にならなければ放置しております」
「そうか。
それなら、もう少しだけ様子見しようか」
私の言葉に返答したオーディン様は、どこか楽しそうにお昼をとっていた。
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