ようこそ『異能者の夜会』へ

ロシキ

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15話 1ヶ月後のお昼②

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私はオーディン様の言葉に驚き、目を見開いた。
そんな私にオーディン様は、これまで見せたこと無い疲れた表情で言った。

「第二王子はまだ準成人前の14歳。
学園の入学すらしてない年齢のせいで、謹慎はさせられても去勢までは持っていけなかった。

そのせいで、こちらにその付けが回ってきたんだ。
まあ、学園に入り次第、去勢するだけの失態を演じてもらうつもりだがな」

「そ、それは私が聞いて大丈夫な話でしょうか?」

「ああ、問題ない。
国王陛下にも、主家の当主達にも話は通している。

横槍を入れてくるなら、スコット嬢の婚約者の家だな。
間者らしい女を招いたのは公爵家だからな」

「っ!?
公爵家がそんな事を?」

「今の公爵家は何を考えているのか理解出来ない。
特に公爵夫人の動きがおかしい。

何も考えていないように動いているくせに、ここぞと言う所で嫌な一手を打ってくる。
狙っているのだろうが、狙っていないようにも見える。

正直に言って、公爵家で最も厄介なのは公爵夫人だな。
流石、元王女と言った所だろうな」

「公爵夫人ですか。
確かに、夫人は掴み所がない方ですね。

私も夫人と接する機会は多くありましたが、まだ掴みきれていません」

「スコット嬢でもか?」

「はい。

私は公爵家に入る事になっていますから、ダエスティ様を立てるように動く事が要求されます。
ですが、夫人からもっとダエスティ様を立てるように言われた事があります」

「もっと立てるようにか。
いつ言われたのか分からないから、なんとも言えないな。

ただ、現在のスコット嬢の状況なら言われるはずもない言葉だな。
むしろ婚約者を咎めて、あのアホ女を引き離せと言われないか?」

「いえ、夫人からは『あの子の好きにさせるように』と言われました」

「好きにさせる?
どちらか一方のみが主家ならともかく、両方の家が主家であり、アホ女が主家ではないのにか?」

「はい」

私の言葉でオーディン様は考え込むように唸っていた。


主家の血を引く者は数が少ない。
それは管理のしやすさと言う面では良い事であるものの、血を残すという面では問題もある。

その問題を解消する為に、主家の当主達のみ、第三夫人まで娶る事が認められている。
しかし、それはあくまでも対象の家同士並びに本人同士でも合意が取れている事が前提となる。
更に最低でも1年半は閨を行う義務もある。

しかし、ダエスティ様と私は結婚すらしていない婚約者の状態。
更に、この第三夫人までというのも基本的な相手は主家に限定され、相手が居ない場合のみ主家以外からも娶る事が出来るようになる。

つまり、ダエスティ様が主家の人間ではない伯爵家の恋人と結ばれる可能性は、かなり低い。

ダエスティ様はその事を理解しているか怪しいものの、絶対に理解しているだろう公爵夫人からは静観するように言われているのだ。
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