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16話 1ヶ月後のお昼③
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私の言葉を聞いて、オーディン様は顔を顰めたものの、すぐに普段通りの表情に戻った。
「とりあえず、スコット嬢は公爵夫人の行動に気を付けておいてくれ。
ただ何かを掴んだとしても、決して動く事の無いように。
無理に動いた結果、スコット嬢に不利益や危険があってはならないからな」
「いえ、私も主家の一員です。
仮に公爵夫人が他国に主家の血を流す気なら、私もお手伝いします」
「駄目だ。
自身の身を守りやすい『異能者』ならともかく、ただのご令嬢では格不足だ」
「ですが」
「駄目だ。
これだけは譲れない」
オーディン様の譲らないと言う言葉に、曲げられない圧を感じた。
そんな圧に言葉を紡げないでいると、オーディン様が閉じられている扉の方を向いた。
それに釣られて視線を向けると、同時にオーディン様が私と扉の間に立った。
そして、その次の瞬間には扉が勢い良く破られた音がした。
その音の一瞬後に、オーディン様が右指をパチンと鳴らした。
パチンという音同時にオーディン様と私を包み込むように風が渦を巻いた。
その渦によって、渦の外の音が一切聞こえなくなった。
そこまで来て、ようやくオーディン様に守られているのだと理解した。
「ちっ、誰か俺の『異能』を漏らしやがったな」
若干の焦りを含んだオーディン様の声が聞こえてきて、急いで周りを見回した。
すると、周りが完全に囲まれていて、後から飛び込んで来ただろう何人かの味方だろう人達が地面に倒れているのが見えた。
風によって詳しい状況は見えなかったものの、倒れている味方だろう人達の周辺に大量の赤が見えた。
仮に、大量の赤が血だとするならば、相当に不味い状況なのだと理解した。
それを理解してしまった事で、私の中には恐怖が生まれた。
オーディン様が私の事を守ってくれてはいるものの、それは余裕があるから。
もしもオーディン様が傷つけられる事があるならば、私が盾とならなけれならない。
私には戦いの心得がない。
だから、せめて盾にはならなければと思い、立ち上がった。
それに気がついたのか、オーディン様はこちらを振り向かずに言った。
「スコット嬢、安心してくれ。
『異能』が多少漏らされた所で、俺の優位は揺るがない」
その言葉と同時に、私達を囲んでいた黒尽くめの者達が苦しみ出し、暫く苦しんだ後にバタバタと倒れ出した。
バタバタと倒れ出した所で、扉の外から造園らしい騎士達がなだれ込んできた。
「安全が確定するまでは、この中に居てくれ。
この中は相当に安全だから」
オーディン様はそう話すと、私達を覆っていた風の渦に飛び込んで外に出た。
そして、なだれ込んできた騎士達に指示を出し始めた。
「とりあえず、スコット嬢は公爵夫人の行動に気を付けておいてくれ。
ただ何かを掴んだとしても、決して動く事の無いように。
無理に動いた結果、スコット嬢に不利益や危険があってはならないからな」
「いえ、私も主家の一員です。
仮に公爵夫人が他国に主家の血を流す気なら、私もお手伝いします」
「駄目だ。
自身の身を守りやすい『異能者』ならともかく、ただのご令嬢では格不足だ」
「ですが」
「駄目だ。
これだけは譲れない」
オーディン様の譲らないと言う言葉に、曲げられない圧を感じた。
そんな圧に言葉を紡げないでいると、オーディン様が閉じられている扉の方を向いた。
それに釣られて視線を向けると、同時にオーディン様が私と扉の間に立った。
そして、その次の瞬間には扉が勢い良く破られた音がした。
その音の一瞬後に、オーディン様が右指をパチンと鳴らした。
パチンという音同時にオーディン様と私を包み込むように風が渦を巻いた。
その渦によって、渦の外の音が一切聞こえなくなった。
そこまで来て、ようやくオーディン様に守られているのだと理解した。
「ちっ、誰か俺の『異能』を漏らしやがったな」
若干の焦りを含んだオーディン様の声が聞こえてきて、急いで周りを見回した。
すると、周りが完全に囲まれていて、後から飛び込んで来ただろう何人かの味方だろう人達が地面に倒れているのが見えた。
風によって詳しい状況は見えなかったものの、倒れている味方だろう人達の周辺に大量の赤が見えた。
仮に、大量の赤が血だとするならば、相当に不味い状況なのだと理解した。
それを理解してしまった事で、私の中には恐怖が生まれた。
オーディン様が私の事を守ってくれてはいるものの、それは余裕があるから。
もしもオーディン様が傷つけられる事があるならば、私が盾とならなけれならない。
私には戦いの心得がない。
だから、せめて盾にはならなければと思い、立ち上がった。
それに気がついたのか、オーディン様はこちらを振り向かずに言った。
「スコット嬢、安心してくれ。
『異能』が多少漏らされた所で、俺の優位は揺るがない」
その言葉と同時に、私達を囲んでいた黒尽くめの者達が苦しみ出し、暫く苦しんだ後にバタバタと倒れ出した。
バタバタと倒れ出した所で、扉の外から造園らしい騎士達がなだれ込んできた。
「安全が確定するまでは、この中に居てくれ。
この中は相当に安全だから」
オーディン様はそう話すと、私達を覆っていた風の渦に飛び込んで外に出た。
そして、なだれ込んできた騎士達に指示を出し始めた。
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