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17話 1ヶ月後のお昼④
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「それでは気を付けて帰って下さい」
「はい、ありがとうございました。
失礼します」
私は私が落ち着くまで側にいてくれた女医の先生にお礼を言ってコーディング伯爵家の馬車へと乗り込んだ。
ある程度落ち着いてから聞いた話によると、お昼に飛び込んで来た黒尽くめ者達は暗殺者達だったらしい。
その暗殺者達を殺害する事なく捕らえたので、これから色々と情報を搾り取るらしい。
なんでも暗殺者達がバタバタと倒れていたのは致死性のない毒による物だったらしく、後遺症は残ったとしても情報は絞り取れると言っていた。
また、味方だろう黒尽くめの者達は全員が致命傷や毒によって手の施しようが無かったとも聞いた。
この事を聞いた時に落ち着いてから聞いて良かったと思った。
話を聞いた時は、襲われてからそれなり時間が経っていたし、周りに護衛の騎士さん達も居たので、少しは落ち着いて頭の整理が出来た。
今日の出来事でオーディン様の言う通りに動かない方が良いのだろうと思った。
オーディン様には様々な功績があるのは間違いない。
でも、それは功績と同じ数、もしくはその数以上の修羅場に晒されてきたという事なのだと理解させられた。
オーディン様が言った『『異能者』で無い為に格不足だ』と言う言葉は文字通りなのだろう。
『異能』の力がなければ、何もない私では死んでしまう。
私は初めて晒された命の危機に、遅まきながらも震えていた。
それを落ち着かせる為に何度も深呼吸をしていると、屋敷に到着した。
完全には止められなかったものの、私は馬車を降りた。
馬車の外にはお父様やお母様、お兄様が待っていて私が降りると、お母様が抱き着いてきた。
「どこも怪我はないのよね?
怖ったでしょう?
でも、もう大丈夫よ、私達が側に居るわ。
明日は学園を休んで、ゆっくりしましょう?」
「母上、そんなに矢継ぎ早に言われては困ってしまいますよ。
ひとまず落ち着ける場所に移動しませんか?」
「そうだな。
まだ震えているようだから、一度落ち着こうか」
お父様の一言で、私達は食堂へと移動した。
それから、私が部屋に戻る瞬間まで、皆が私を気遣って優しかった。
けれど、私は眠る瞬間まで微かに残っていた震えが止まることは無かった。
ベットに入り、眠ろうとすると影が目に入った。
その影に昼間の黒尽くめの姿を思い出してしまい、ベットから飛び起きてしまった。
よく目を凝らし、影には何も居ないと確信しても、どうしても脳裏には黒尽くめの姿が浮かんでしまった。
その姿を振り払うように首を横に振り、何度も寝ようとしては飛び起きて影を確認し、また首を横に振る。
それを何度も繰り返した後、私の意識は落ちていった。
「はい、ありがとうございました。
失礼します」
私は私が落ち着くまで側にいてくれた女医の先生にお礼を言ってコーディング伯爵家の馬車へと乗り込んだ。
ある程度落ち着いてから聞いた話によると、お昼に飛び込んで来た黒尽くめ者達は暗殺者達だったらしい。
その暗殺者達を殺害する事なく捕らえたので、これから色々と情報を搾り取るらしい。
なんでも暗殺者達がバタバタと倒れていたのは致死性のない毒による物だったらしく、後遺症は残ったとしても情報は絞り取れると言っていた。
また、味方だろう黒尽くめの者達は全員が致命傷や毒によって手の施しようが無かったとも聞いた。
この事を聞いた時に落ち着いてから聞いて良かったと思った。
話を聞いた時は、襲われてからそれなり時間が経っていたし、周りに護衛の騎士さん達も居たので、少しは落ち着いて頭の整理が出来た。
今日の出来事でオーディン様の言う通りに動かない方が良いのだろうと思った。
オーディン様には様々な功績があるのは間違いない。
でも、それは功績と同じ数、もしくはその数以上の修羅場に晒されてきたという事なのだと理解させられた。
オーディン様が言った『『異能者』で無い為に格不足だ』と言う言葉は文字通りなのだろう。
『異能』の力がなければ、何もない私では死んでしまう。
私は初めて晒された命の危機に、遅まきながらも震えていた。
それを落ち着かせる為に何度も深呼吸をしていると、屋敷に到着した。
完全には止められなかったものの、私は馬車を降りた。
馬車の外にはお父様やお母様、お兄様が待っていて私が降りると、お母様が抱き着いてきた。
「どこも怪我はないのよね?
怖ったでしょう?
でも、もう大丈夫よ、私達が側に居るわ。
明日は学園を休んで、ゆっくりしましょう?」
「母上、そんなに矢継ぎ早に言われては困ってしまいますよ。
ひとまず落ち着ける場所に移動しませんか?」
「そうだな。
まだ震えているようだから、一度落ち着こうか」
お父様の一言で、私達は食堂へと移動した。
それから、私が部屋に戻る瞬間まで、皆が私を気遣って優しかった。
けれど、私は眠る瞬間まで微かに残っていた震えが止まることは無かった。
ベットに入り、眠ろうとすると影が目に入った。
その影に昼間の黒尽くめの姿を思い出してしまい、ベットから飛び起きてしまった。
よく目を凝らし、影には何も居ないと確信しても、どうしても脳裏には黒尽くめの姿が浮かんでしまった。
その姿を振り払うように首を横に振り、何度も寝ようとしては飛び起きて影を確認し、また首を横に振る。
それを何度も繰り返した後、私の意識は落ちていった。
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