ようこそ『異能者の夜会』へ

ロシキ

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19話 早朝の聴取①

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いつの間にか眠っていた私が目覚めたのは、まだ日が昇っていない時間帯帯だった。
けれど、明かりなんて無いのに部屋を見回して、私以外が誰も居ない事を確認出来るくらいには明るかった。

それは何故か。
その理由は私の周りを囲むようにしてある半透明な、しかし微弱な光を発している膜にあった。

私は、この膜が誰かの『異能』なのだと理解した。
なぜなら、このような膜は世界の何処にも存在していないからだ。
ならば、誰かの『異能』で作り出されたとするのが普通。

そして、この膜を『異能』で作り出したのは私なのだと、誰に説明されるまでもなく理解していた。
もちろん、さっきの夢のような物の影響も少しはある。
けれど、私の中にある何かが、おそらく『異能者』になる為に必要な主家の血が、この膜は私の物なのだと教えてくる、気がする。


そんな事をぼんやりと考えていると、膜はどんどん光、厚さ共に薄くなっていって、最後には消えた。
消えると気には霧散するようにして消えたので私の中に戻る事が無かったのは確認できた。

それが確認できたので、私の『異能』はオーディン様と同じような物体を操作出来る万能型な『異能』ではない。
おそらく、何か一つの事に特化している万能な『異能』と比較すると不便な、しかし効果の面では同等かそれ以上の特化型な『異能』なのだろうと思った。


私は膜が消えてから立ち上がり、体に異常がないかを確認した。
体には特に異常はなく、力が上がった感じや感覚が鋭くなった感じもしなかった。

『異能』の中には効果が分かりづらいです物もある。
例えば以前には、体を覆う光の膜を出してから少しの間、身体能力が上がったり、頭が良くなったりする『異能』もあったらしい。

だから、私の『異能』もその類いかと考えたものの、特に変化は無かった。
なので、私は私の『異能』が最も使えない場合の事を考えてみた。


最も使えない場合は、私に不利益を与える『異能』。
『異能』とは本人が望んでいる能力である事が殆どなので、あまりない例ではあるが、以前には他人の悪意を自分に向ける『異能』が存在したという記録もある。

次に使えない場合は光るだけの膜を作り出すだけの『異能』。
一応『異能者』である時点で相当に優遇されるので悪くはないものの、『異能者』は他国に身を狙われやすい。
だからこそ、この場合は『異能者』である事自体を隠す必要性がある可能性がある。

最も良い場合は私が気が付けないだけで効果が出ている『異能』。
これは誰かに、お父様やお母様、お兄様に確認して貰うしか無い。
問題は、そうなると不特定多数に『異能者』である事を知られる可能性を捨てきれない事。

出来れば『異能』を確認した上で、『異能』がある事を隠し通せる人物に確認して貰いたい。
けれど、そこまで都合のいい人物は居ない。


そこまで考えた所で、外からほんの少しだけ光が漏れ込んできた。
それによって、もうすぐ朝日が昇るのだと考えたと同時に、机の上に置いてあるのを見つけた。
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