【本編完結】魔眼持ちの伯爵令嬢〜2度目のチャンスは好きにやる〜

ロシキ

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1章 王国編

28話

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その後も色々と雑談という名の、ちょっとした情報収集を続けていたが、特に進展はなくフロービス伯爵邸に到着した。

一番初めにフィーナが馬車を降り、その後コローナが続き、最後に私が降りた。
特に私が馬車を降りる時に、フィーナが私に手を出してくれたの(降車の手伝い)で、少し嬉しかった。
まあ、王子の婚約者時代は護衛に手を出される事等なく、王子に手を出してもらうか、誰も手を出さないかの二択だったから仕方ない。

少しだけ小さな喜びに浸りながら屋敷の中に入ると、使用人達が私を出迎えた。
何時もなら、私が帰宅しても何の反応もしない使用人達が何故この様な対応をしているのかを考えた時に、思い当たる事があった。

おそらく強制的に父とその愛人を王城に連行する際に、その理由を使用人達に話していたのだろう。
そして、そんな話を聞いていた状態で私だけが王城から帰ってくれば、連行された人間がどうなったかの判断くらいは出来る。

正直に言って、ここまで掌返しが凄いと全く信用ならない。
なので、使用人達に暇を出したい(クビにしたい)が、その後の新しい使用人を雇う労力や雇うまでの面倒、更に今の私が最年少当主という、かなり目立つものの微妙な立場である事を踏まえると、一気に暇を出す訳にはいかない。

それでも、いくつかはやらなければならないことがある。

「おかえりなさいませ、ご当主様。我ら使用人一同、ご当主様のお帰りをお待ちしておりました」

フロービス伯爵邸の中でも、現在は古株である父が実家から連れてきた執事長が私にそう頭を下げた。
それに合わせて、他の使用人も頭を下げた。

私はその言葉を聞き、その行動を見て、見下すように言った。

「執事長。それは、今まで私に対しての無礼を謝罪する態度かしら」

私がそう言うと、場が凍り付いた。
執事長は体をビクリと反応させたものの、何も言わずに頭を下げている。

なるほど、何も言わずに頭を下げ続け、その状態で私に追い詰められることで私と一緒に来たフィーナかコローナに止めて貰うつもりかしら?
私はそこまで甘くは無いのだけれど、良いのかしら。

私がそんな事を考えつつ、暫く無言を貫いていると、コローナが動こうとしたので、何をするか分からないそれを抑える形で口を開いた。

「ああ、それとも私の父親に隠れて行っていたフロービス伯爵家の資産を横領した罪を許して欲しくて、私に頭を下げたのかしら」

私がそう言うと、執事長は流石に沈黙を貫く事が出来ずに口を開いた。

「ご、ご当主様。一体何を言っているのでしょうか?私は横領等は決して、」

私は執事長の言葉を遮るように言った。

「執事長。私は知っているのよ。貴方が、何時から横領をし、そして何に使って来たのかをね」
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