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2章 対魔獣戦闘編

54話

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しかし、『感知雨』と『高温氷結』の欠点を潰し合うのが掛け合わせだ。

掛け合わせとは、魔法を2つ同時に使用することで弱点を打ち消し合うことを良い、この掛け合わせは2系統持ちデュアラーか以上、2つ持ちダブルホルダーでなければならない。

因みに、2系統持ちデュアラーは1つの魔眼に2つの系統がある魔眼持ちの事であり、2つ持ちダブルホルダーが魔眼持ちの2つの持ちの事を言う。
改めて、話すとこの2つ共に私が当てはまっていると考えると、つくづく世間にバレると不味いと理解させられてしまう。

少し話がそれてしまったが、『感知雨』と『高温氷結』の掛け合わせは、『感知雨』で生物を認識する事で『高温氷結』の生物以外の温度条件で発動出来なくなる事を消し、『高温氷結』で『感知雨』の遮蔽物の下にいる高温の生物(または物)を凍らせる。
まあ、土の下に潜りたり、私の『感知雨』の高度である500m以上を移動されれば、掛け合わせた意味もなくなってしまうけど。

とにかく、そんなある程度万能な魔法でも、万能にイメージし過ぎたせいか、対応出来る魔獣も居る。
そこまで考えたところで、私に近付いてきている生物の集団に気が付いた。

「接近してくる多数の生物あり!!場所はフィーナの真正面!!掃討!!」

「了解!!」

私の声に私の掛け合わせ魔法による間接的な支援があったとはいえ短時間で魔獣を倒したフィーナが返答した所で、近付いていた生物を視認できた。
因みに、戦闘の時は短い時間でやり取りするために、ミューに短い言葉で端的に伝達を言われているので、それを使う。

まだ遠目ではあるものの、狼であると分かる速度と群れの統率力。
そして、何より私達の間にある木を全て無視して直進し、私を出来るだけ早く排除しようとしている、その判断力。

恐らくは群れのリーダー格には確実に魔眼を持っていない個体がいると思う。
でなければ、もっとリーダー格は突出していてもおかしくはない。

そして、こちらに近付いていた狼達の先頭が50m圏内に入った瞬間に、フィーナは剣を振るい、狼達との間にあった木ごと狼達の首を切り落とした。
数匹は直前に伏せたり、ジャンプしたりして避けていたものの、私が振らせている雨を防いでいた魔獣が死んだのか、こちらに辿り着く前に凍りついた。

それを見て、フィーナが狼達に近付き、数匹の目を確認してから一匹だけ狼を持って来た。
私はまさかという思いで、フィーナに聞いた。

「え~と、フィーナ?一応聞くけど、その狼はどうするの?」

「魔眼が無い狼を持ってきたので、もちろん食べますよ?」

「狼って食べれるの?」

「食べれると思いますよ」

私はフィーナの言葉に暫く考えたものの、今後魔眼持ちではない、更に食べれる動物が手に入るとは限らないので、一匹だけ持っていく事にした。
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