【本編完結】魔眼持ちの伯爵令嬢〜2度目のチャンスは好きにやる〜

ロシキ

文字の大きさ
64 / 188
2章 対魔獣戦闘編

63話

しおりを挟む
それを聞いた私は叫ぶように指示を出した。

「フィーナ!!前から来る動物や魔獣達は極力無視して、奴らの主を狙うしかない!!」

「奴らの主?まさか!!」

私が言いたいことを理解したフィーナが驚愕に顔を染めた。
しかし、すぐに気を取り戻し、再びフィーナは走り出し、私は私達に近付いていくる魔獣や魔法を極力魔力消費を抑えて撃退していく。

私が気づき、フィーナに伝えたこと、それはこの森の主が一体ではない可能性。

初めに襲って来た魔獣や動物達が急に動きを止めた事、更に魔法も打ち込んでこない事から、ここは奴らの縄張りの外であると同時に、例え魔法を打ち込む程度とはいえ手を出してはいけない何かが居るということを示している、と私は思う。

更に黒の魔眼を持っていると思われる魔獣が手を出せない、又は厄介だと思う存在はおそらくは同質、つまりは黒の魔眼を持っている魔獣のはず。

もしも、主のような存在が複数居た場合は主の魔法も変わる。
それが先程までの土魔法と同じであれば、これほどまでに厄介な事はない。

私がそんなことを考えている間に、フィーナは更にスピードを上げ、それに伴って私が撃退に追いつかなくなってきた魔獣や魔法を避けながら、どんどん魔獣や動物の数が多い方に向かっていく。

多い方に向かっていくのは私が指示をしたわけではないけど、恐らくフィーナは主のような存在を倒さなければ、主のような存在が居る縄張りではどうにもならないことが分かっているのだろう。

そして、私達が進んでいると、森の中で木が切り開かれている大きな円形の広場のような場所に出た。
その広場は大きく王都のフロービス伯爵邸の2回以上も含めた床の面積よりも大きい様に思えた。

フィーナはその広場に魔獣や動物が居ないことを足を止めずに確認すると、広場の中心へと走って足を止めて、私を降ろした。
恐らくフィーナはこの広場を主のような存在が作ったと思っているのだろう。
まあ、私も同じ考えだし、これだけ広いと下手な奇襲は出来ないから、ここで待ち受けているのは賛成できる。
問題は魔獣や動物をまとめている主のような存在が、私達の前に姿を表すかだけ。

私がそう考えていると、森の中から一体の動物が出て来た。
その動物を見て、フィーナが私に小声で言った。

「ローニャ様、あの動物は魔獣です。しかも、魔眼の色は黒、紋様からして火の魔法を使うように思えます」

フィーナはそう言いながらも、顔色が少し悪い。
まあ、フィーナがいくら身体強化魔法を使えるとしても、火を体に受ければ痛いし、実際に王城で熊の魔獣に手を吹き飛ばされているから仕方ない。
しかし、私はフィーナのそんな様子を見て、励まさなければならないと分かっていても、呟かずには居られなかった。

「なるほどね。森の中では下手に使えない火の魔法を最大限に使うために、こんな広場を作っていたという訳ね」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。

BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。 辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん?? 私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?

お兄様、冷血貴公子じゃなかったんですか?~7歳から始める第二の聖女人生~

みつまめ つぼみ
ファンタジー
 17歳で偽りの聖女として処刑された記憶を持つ7歳の女の子が、今度こそ世界を救うためにエルメーテ公爵家に引き取られて人生をやり直します。  記憶では冷血貴公子と呼ばれていた公爵令息は、義妹である主人公一筋。  そんな義兄に戸惑いながらも甘える日々。 「お兄様? シスコンもほどほどにしてくださいね?」  恋愛ポンコツと冷血貴公子の、コミカルでシリアスな救世物語開幕!

【完結】契約結婚は円満に終了しました ~勘違い令嬢はお花屋さんを始めたい~

九條葉月
ファンタジー
【ファンタジー1位獲得!】 【HOTランキング1位獲得!】 とある公爵との契約結婚を無事に終えたシャーロットは、夢だったお花屋さんを始めるための準備に取りかかる。 花を包むビニールがなければ似たような素材を求めてダンジョンに潜り、吸水スポンジ代わりにスライムを捕まえたり……。そうして準備を進めているのに、なぜか店の実態はお花屋さんからかけ離れていって――?

白い結婚を言い渡されたお飾り妻ですが、ダンジョン攻略に励んでいます

時岡継美
ファンタジー
 初夜に旦那様から「白い結婚」を言い渡され、お飾り妻としての生活が始まったヴィクトリアのライフワークはなんとダンジョンの攻略だった。  侯爵夫人として最低限の仕事をする傍ら、旦那様にも使用人たちにも内緒でダンジョンのラスボス戦に向けて準備を進めている。  しかし実は旦那様にも何やら秘密があるようで……?  他サイトでは「お飾り妻の趣味はダンジョン攻略です」のタイトルで公開している作品を加筆修正しております。  誤字脱字報告ありがとうございます!

【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます

腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった! 私が死ぬまでには完結させます。 追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。 追記2:ひとまず完結しました!

夫に顧みられない王妃は、人間をやめることにしました~もふもふ自由なセカンドライフを謳歌するつもりだったのに、何故かペットにされています!~

狭山ひびき
恋愛
もう耐えられない! 隣国から嫁いで五年。一度も国王である夫から関心を示されず白い結婚を続けていた王妃フィリエルはついに決断した。 わたし、もう王妃やめる! 政略結婚だから、ある程度の覚悟はしていた。けれども幼い日に淡い恋心を抱いて以来、ずっと片思いをしていた相手から冷たくされる日々に、フィリエルの心はもう限界に達していた。政略結婚である以上、王妃の意思で離婚はできない。しかしもうこれ以上、好きな人に無視される日々は送りたくないのだ。 離婚できないなら人間をやめるわ! 王妃で、そして隣国の王女であるフィリエルは、この先生きていてもきっと幸せにはなれないだろう。生まれた時から政治の駒。それがフィリエルの人生だ。ならばそんな「人生」を捨てて、人間以外として生きたほうがましだと、フィリエルは思った。 これからは自由気ままな「猫生」を送るのよ! フィリエルは少し前に知り合いになった、「廃墟の塔の魔女」に頼み込み、猫の姿に変えてもらう。 よし!楽しいセカンドラウフのはじまりよ!――のはずが、何故か夫(国王)に拾われ、ペットにされてしまって……。 「ふふ、君はふわふわで可愛いなぁ」 やめてえ!そんなところ撫でないで~! 夫(人間)妻(猫)の奇妙な共同生活がはじまる――

最強令嬢とは、1%のひらめきと99%の努力である

megane-san
ファンタジー
私クロエは、生まれてすぐに傷を負った母に抱かれてブラウン辺境伯城に転移しましたが、母はそのまま亡くなり、辺境伯夫妻の養子として育てていただきました。3歳になる頃には闇と光魔法を発現し、さらに暗黒魔法と膨大な魔力まで持っている事が分かりました。そしてなんと私、前世の記憶まで思い出し、前世の知識で辺境伯領はかなり大儲けしてしまいました。私の力は陰謀を企てる者達に狙われましたが、必〇仕事人バリの方々のおかげで悪者は一層され、無事に修行を共にした兄弟子と婚姻することが出来ました。……が、なんと私、魔王に任命されてしまい……。そんな波乱万丈に日々を送る私のお話です。

処理中です...