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番外編 『王国学園』編

11話

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あの女子生徒と話をしようとしてから、早いもので一ヶ月が経過した。
あれからも何件か商会を回ったが、話を聞く奴すら現れなかったので、仕方無く私が商会を立ち上げ、名前は『何でも屋商会』にした。

書類を提出するときに、商会の名前を見て役人が思考停止していたが、気にしなかった。
因みに、初期の従業員は、私を除いてフィーナだけだった。

そして、『何でも屋商会』の初仕事は、フロービス伯爵領で行われる予定だった貯水湖の整備を1日で終わらせた。
その事が話題となり、多少だが従業員と仕事が出来た。

そして、今はまた学園に投稿している。
今は昼休みだが、周りの視線が鬱陶しい。

「はぁ~、うっざ」

「ローニャ様、口調が悪いですよ。もう少し取り繕って下さい」

「だって今私達を見てる奴らって、大体は私の案すら聞かずに却下したのに、今更擦り寄ってくる奴らだよ?それなら口調だって、乱れるよ」

私がそう言うと、フィーナは苦笑いをした。
だが、実際にその通りなのだから仕方無い。


それに私に擦り寄ってくるのは、『何でも屋商会』は魔眼所持者、特に強い魔眼や珍しい系統の魔眼所持者達には諸手を上げて歓迎されていた影響もあるだろう。
これは強い魔眼所持者は軍に入って欲しいという国と雇いたいという貴族、更に強い人間になりえる人材を欲しているハンターや傭兵達に、しつこく勧誘して魔眼所持者達は疲れているからだ。

『何でも屋商会』は基本的に、魔眼所持者である事が雇う条件になっていて、どんな立場でも、問題無い立場の人間からどんな人間でも受け入れている。
例えば、私が立ち上げてから雇った一番偉い立場の人間は、王国の魔法副大臣からなのだ。

魔法副大臣は虹色の魔眼所持者であり、使える魔法は土魔法だ。
元平民の彼だが、土魔法は魔法の中でも、かなり有用性があり、そこかしこから勧誘が来るだけでなく、就職先が王国の圧力により決まらず、仕方なく魔法省に入った経緯がある。

今は副大臣であり、上げた功績により子爵の位を持っているが、それでも元平民という事で、こき使われていたらしい。
そんな時に、私の商会の宣伝を見て応募してきたのだ。

因みに、私が行った宣伝は『集え魔眼所持者達よ!!好きに生きれずして、何が人生か!!好きに生きるために、商会員となるのだ!!』だけだ。
一応、その宣伝広告と共に、『1ヶ月に1度は魔法による仕事をしてもらう予定あり』とも宣伝をした。

これが思っていたよりも魔眼所持者達に刺さったらしく、強い魔眼所持者が私とフィーナを除いて8人、珍しい系統の魔眼所持者が2人程が商会員になってくれた。
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