黒色の令嬢と金色の側近

ロシキ

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1章 令嬢の決闘

1話 婚約破棄

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「例え公爵家出身であり、私の婚約者だとしても、正妻の子ではないというだけで『異能』を使いイヤがらせをするような振る舞いは許されない!!よって、貴様とは婚約を破棄する!!

そして、私は私の元婚約者である貴様が、アリスに心の傷を負わせた責任を取り、アリスを私の婚約者とする!!」

異能国家エリステンの第一王子であり、立太子を間近に控えた私の婚約者であるルーク・エリステン第一王子殿下は、エリステンで最も伝統と歴史がある『王立エリステン第一学園』の卒業パーティーの卒業生代表挨拶の場にて、そう叫んだ。

ここで第一王子殿下が叫んだ『異能』という言葉を説明すると、一言で言えば再現出来ない異常現象ということになる。
ただ『異能』も千差万別だが、例を上げれば単に空を飛べるだけの異能や何処でも火の玉を出せる異能等が有名だ。

また『異能者』毎に出力や効果範囲、効果内容がかなり違うために出力並びに効果範囲が大きく、効果内容が強いとかなり優遇される。
ただ、それは『異能者』である時点で各国から相当な優遇を受けられるので、『異能者』同士から見ればという話だ。

そんな『異能』を使える『異能者』は数少なく、各国に6人も居れば良いほうだ。
そんな『異能者』が他よりも生まれやすく、現在では私を含めて17人の『異能』が使える人間、つまり『異能者』が居るために、この国は異能国家と名乗っている。
まあ、初代国王も『異能者』であり、『異能者』の子供は『異能者』になりやすいため、別に名乗っても変ではないとは思う。

因みに第一王子殿下は『異能者』なんなではなく、普通の人間である。

話が逸れてしまったが、卒業生代表挨拶は、ノーザス公爵家の長女ローザ・ノーザスであり、欠点は微笑すら浮かべられなず常に無表情であること。
そんな私がする予定だったのに、私が壇上に登る前に、割り込んできた。
なので、私は私の仕事(卒業生代表挨拶)をするために、まず最初に婚約破棄のことに対して答えてから、第一王子殿下に質問した。

「婚約破棄については、どうぞご自由に。お話が以上でしたら、私が卒業生代表挨拶をしても?」

私が真顔でそう言うと、第一王子殿下はビクリと体を反応させたが、すぐに気を取り直して第一王子殿下は再び叫んだ。

「い、いいや、まだだ!!アリス、上がってきてくれ!!」

そういうと、私の異母姉妹であるアリスが壇上に上がり、更には第一王子殿下の側近達も壇上に上がった。

それを受けて、私の後ろには私の側近であるニードレッドが控えた。
このニードレッドは元々は孤児で、現在は私と同い年の18歳であり、貴族と言われても納得してしまいそうなほどに容姿は整っており、金髪碧眼、更にはニードレッドを直に見た者の半数程が『傾国の美女』または『現世に舞い降りた女神』と言わしめる。

更には私が見つけて拾ってきた『異能者』で、その時は『異能』がコントロール出来ずに死にかけていたところを、私の『異能』で助けたのだ。

それ以来、彼女は私に仕えていて、私が生きてきた中で私に仕え、側近にする条件として出した無理難題をすべてクリアした唯一の猛者であり、今は私の命も預けらる程の側近だ。

「ニードレッド、彼らが何をしようとしているか分かる?」

「はい、どうやらローザ様が異母姉妹を虐めたとして、国有奴隷化するように命じる気のようです。どうされますか?」

「そうね。とりあえずは様子見にしましょう」

私の質問にニードレッドは淀みなく答えた。
これには彼女の『異能』が関係している。
彼女の『異能』は限定的な時間の操作。

それは1時間という範囲限定で未来過去好きな時間の対象物(自身以外)の状況を、その対象物に上書きでたり、更には時間の制限なし(見る時間は正確に指定しなければならないそうだけど)で自身が立っている場所の過去未来が見えたり、世界の時間を10分という時間制限内でのみ巻き戻す事が出来たり等、それはもう膨大な効果内容になっている。

彼女の『異能』の効果自体は、他にも多岐に渡るが、それは多岐過ぎるので割愛する。

そんな彼女は現在生存している『異能者』の中で2番目に強いと言われている。
因みに1番目は私だ。

そんな事を考えている内に、ある程度の時間が経ったのだが、第一王子殿下とアリス更には第一王子殿下の側近達は壇上にて、何やら馬鹿な事を演劇でもするかのように熱く?お互いに声を掛け合っていた。
その内容は『殿下1人には任せられませんからね(鼻を人差し指で擦りながら:側近達(3人))』や『お前達、(少しホッとした顔:第一王子殿下)』、『みんな、ありがとう!!(嬉しそうな顔:アリス)』なんかだった。

こんな状況でなければ、壇上に上がっている者達の絆が確かめられるような会話だが、正直に言って興味がないので、私は聞き流していた。


※30分毎に2話づつに投稿します。
今夜22時に完結します
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