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1章
29話 決起会と大きすぎる亀
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※お知らせ
大変お待たせしました。
本日から再開します。
ドリスさんに捕まって、そのまま連れてこられた部屋でお化粧というものをされていると、突然部屋の扉が開いた。
その音に驚いてビクリと反応し、それから扉の方を見るとドリスさんが立っていた。
そのドリスさんは、私の格好を見て安堵したような表情になって、言った。
「緊急だから、今の状態で付いてきて。
他の者は、【風】属性の知らせを待ちなさい」
「『緊急指令、黒!!
繰り返す、緊急指令、黒!!
総員急いで持ち場に移動せよ!!』」
ドリスさんの言葉の次の瞬間に、何処からか男の人の声の、指示が聞こえてきた。
私がそれに戸惑っていると、周りの人達は驚きの表情を浮かべたものの、すぐさま行動を開始した。
そんな人達を見ていると、ドリスさんが私の肩に手を置いた。
「他の者は今の指示に従い行動するけど、貴女は私についてきて」
「は、はい!!」
ドリスさんのこれまでに見たことの無い真剣な表情に、思わず声が裏返ってしまった。
ただドリスさんは、そんな事を気にせずに頷いてから、私に黒いローブを着せ、動ける状態なのを確認してから、移動を開始した。
ドリスさんは私を連れて屋敷の外に出ると、そこにはエクス様と領主様、更にミュディー様が居た。
ドリスさんを含めた4人以外にも、沢山の騎士の人達、それに沢山の緑色のローブを着て杖を持っている人達が居た。
騎士の人達の中には、私と同じように黒いローブを着ている人が何十人も居て、エクス様とドリスさんも黒いローブを着ていた。
その事を私が認識した所で、領主様がさっき部屋で聞いた声の大きさと同じくらいの大きさで話し始めた。
「『辺境の街、クロスべーヌを守る戦士、そして戦士を支える者達よ。
我々今日、難敵と相対する。
その難敵を打ち砕くにはクロスべーヌを守る、皆の力が必須と言える。
だが、その事が分かっていてもなお、難敵に立ち向かうのは恐ろしいだろう。
しかし、今回の我々には、我々が培ってきた戦闘能力や様々な技術、団結力の他に、幸運も味方に付いている。
その証が、彼女だ!!』」
領主様の言葉で、その場にいた人達の視線が私に向けられた。
その場に居る人の数だけでも、100人以上は居るだろう人数だったので、私は体をビクリと反応させてしまった。
しかし、領主様はそんな私の反応に構わずに、話を続けた。
「『彼女は、クロスべーヌの民だ。
しかし、そんな彼女は【癒し手】として、既に覚醒している!!
皆も【癒し手】の存在は知っているだろう。
そして、これまでの歴史上【癒し手】が初めて参加する戦闘は、必ず勝利してきた。
それはもちろん今回もだ。
我々は全力を持ってして、危険度15『タートル』を討つ!!
今日をもって【癒し手】の伝説に、初めて我々クロスべーヌの名が、危険度15の魔物を1つの街のみで討伐したという歴史的な快挙と共に語り継がれるのだ!!』」
「「「「「うぉぉおおおおおおお!!」」」」」
「ひゃ!?」
領主様の言葉の後に、領主様の言葉を聞いていた人達の多くが、雄叫びを上げた。
上げていないのは、ミュディー様にエクス様、ドリスさんだけだった。
私は、その雄叫びのあまりの大きさに耳がキンキンとなった。
雄叫びが終わった後も、領主様は何かの話していた様子だったものの、私の耳はその時もキンキンと鳴って聞こえていて、なんの話をしているか分からなかった。
私の耳がいつも通りに戻った時には、既に話が終わっていて、既にほとんどの人達が移動を始めていた。
その人達の中にはエクス様とドリスも居て、2人に付いて行こうとすると後ろから肩を叩かれた。
それに反応して、振り返るとエステールさんが居た。
そのエステールさんは、苦笑いしながら私に言った。
「たった今から『タートル』討伐作戦が始まります。
アリアさん、いえ、アリア様はこちらにお願いします」
「へ!?
あ、あの様ってなんですか?」
「アリア様は【癒し手】ですので、ただの【付与師】では様付けで呼ぶのが当然の事です。
まあ、エクス様や主任は平然と呼び捨てにするかもしれませんが」
「いえ、普通に呼んで欲しいのですが」
「それは、難しいですね。
それに私には敬語すら必要ありません」
「いえ、でも」
「2人共、そこまでよ。
ひとまず移動してから、ゆっくり話をしましょう?」
「「は、はい」」
エステールさんと一緒に、ミュディー様にそう言われた。
ミュディー様の表情は笑顔であったものの、その笑顔には圧があって、エステールさんと共に黙らされてしまった。
そのままミュディー様に付いてくるように言われて、街を囲う城壁の上に登った。
城壁はとても大きいものの、周りの森の木よりは少しだけ低い。
その城壁の上には初めて登った。
城壁の上からは、森の遠くまで見通せた。
城壁の周りは、かなり遠くまで見える範囲で木が切られている。
この事に付いて、あまり深く考えた事は無かったものの、魔法の訓練をして、エクス様やドリスさんの訓練を見ていて気がついた。
多分、城壁に向かってくる魔物を見つけやすく、更に見つけ次第魔法を放って倒すか足止めを行う為の空間を作っているのだろうと、今初めて気づいた。
普通なら、そんな事には気づかなかったと思う。
だって、普通の思考状態じゃあ、気にならない事だったから。
でも今は城壁よりも高い木、その木よりも更に大きくて、城壁の倍くらいの大きさがある亀が、こちらに歩いてきている。
だから、そんな亀から思考を逸らしたくて、城壁の周囲にある空間に目がいったのだと思う。
そんな事を考えていると、ミュディー様に優しい声で、話かけられた。
「大丈夫よ、アリアさん。
少なくとも、ここまで攻撃が届く事態にはならない筈よ」
「で、でも」
「大丈夫、大丈夫よ」
私がミュディー様の言葉に返そうとした所で、ミュディー様に言葉を被せるように私の言葉を遮られた。
でも私は、ミュディー様の声に少しだけ震えが含まれた気がした。
だから、ミュディー様の顔を見てしまった。
その顔は力強く睨みつけるように亀を見ていたものの、その顔は焦りや不安があるように見えた。
あの亀は、それ程の相手だと大きさだけでも分かった。
それでも、ミュディー様の顔を見るまではエクス様やドリスさんが居れば、どうにかなると思っていた。
そして、その考えが間違っているのだと、この瞬間に理解してしまった。
私がその事を理解した瞬間に、亀の顔の極々小さな一部分が爆発した。
大変お待たせしました。
本日から再開します。
ドリスさんに捕まって、そのまま連れてこられた部屋でお化粧というものをされていると、突然部屋の扉が開いた。
その音に驚いてビクリと反応し、それから扉の方を見るとドリスさんが立っていた。
そのドリスさんは、私の格好を見て安堵したような表情になって、言った。
「緊急だから、今の状態で付いてきて。
他の者は、【風】属性の知らせを待ちなさい」
「『緊急指令、黒!!
繰り返す、緊急指令、黒!!
総員急いで持ち場に移動せよ!!』」
ドリスさんの言葉の次の瞬間に、何処からか男の人の声の、指示が聞こえてきた。
私がそれに戸惑っていると、周りの人達は驚きの表情を浮かべたものの、すぐさま行動を開始した。
そんな人達を見ていると、ドリスさんが私の肩に手を置いた。
「他の者は今の指示に従い行動するけど、貴女は私についてきて」
「は、はい!!」
ドリスさんのこれまでに見たことの無い真剣な表情に、思わず声が裏返ってしまった。
ただドリスさんは、そんな事を気にせずに頷いてから、私に黒いローブを着せ、動ける状態なのを確認してから、移動を開始した。
ドリスさんは私を連れて屋敷の外に出ると、そこにはエクス様と領主様、更にミュディー様が居た。
ドリスさんを含めた4人以外にも、沢山の騎士の人達、それに沢山の緑色のローブを着て杖を持っている人達が居た。
騎士の人達の中には、私と同じように黒いローブを着ている人が何十人も居て、エクス様とドリスさんも黒いローブを着ていた。
その事を私が認識した所で、領主様がさっき部屋で聞いた声の大きさと同じくらいの大きさで話し始めた。
「『辺境の街、クロスべーヌを守る戦士、そして戦士を支える者達よ。
我々今日、難敵と相対する。
その難敵を打ち砕くにはクロスべーヌを守る、皆の力が必須と言える。
だが、その事が分かっていてもなお、難敵に立ち向かうのは恐ろしいだろう。
しかし、今回の我々には、我々が培ってきた戦闘能力や様々な技術、団結力の他に、幸運も味方に付いている。
その証が、彼女だ!!』」
領主様の言葉で、その場にいた人達の視線が私に向けられた。
その場に居る人の数だけでも、100人以上は居るだろう人数だったので、私は体をビクリと反応させてしまった。
しかし、領主様はそんな私の反応に構わずに、話を続けた。
「『彼女は、クロスべーヌの民だ。
しかし、そんな彼女は【癒し手】として、既に覚醒している!!
皆も【癒し手】の存在は知っているだろう。
そして、これまでの歴史上【癒し手】が初めて参加する戦闘は、必ず勝利してきた。
それはもちろん今回もだ。
我々は全力を持ってして、危険度15『タートル』を討つ!!
今日をもって【癒し手】の伝説に、初めて我々クロスべーヌの名が、危険度15の魔物を1つの街のみで討伐したという歴史的な快挙と共に語り継がれるのだ!!』」
「「「「「うぉぉおおおおおおお!!」」」」」
「ひゃ!?」
領主様の言葉の後に、領主様の言葉を聞いていた人達の多くが、雄叫びを上げた。
上げていないのは、ミュディー様にエクス様、ドリスさんだけだった。
私は、その雄叫びのあまりの大きさに耳がキンキンとなった。
雄叫びが終わった後も、領主様は何かの話していた様子だったものの、私の耳はその時もキンキンと鳴って聞こえていて、なんの話をしているか分からなかった。
私の耳がいつも通りに戻った時には、既に話が終わっていて、既にほとんどの人達が移動を始めていた。
その人達の中にはエクス様とドリスも居て、2人に付いて行こうとすると後ろから肩を叩かれた。
それに反応して、振り返るとエステールさんが居た。
そのエステールさんは、苦笑いしながら私に言った。
「たった今から『タートル』討伐作戦が始まります。
アリアさん、いえ、アリア様はこちらにお願いします」
「へ!?
あ、あの様ってなんですか?」
「アリア様は【癒し手】ですので、ただの【付与師】では様付けで呼ぶのが当然の事です。
まあ、エクス様や主任は平然と呼び捨てにするかもしれませんが」
「いえ、普通に呼んで欲しいのですが」
「それは、難しいですね。
それに私には敬語すら必要ありません」
「いえ、でも」
「2人共、そこまでよ。
ひとまず移動してから、ゆっくり話をしましょう?」
「「は、はい」」
エステールさんと一緒に、ミュディー様にそう言われた。
ミュディー様の表情は笑顔であったものの、その笑顔には圧があって、エステールさんと共に黙らされてしまった。
そのままミュディー様に付いてくるように言われて、街を囲う城壁の上に登った。
城壁はとても大きいものの、周りの森の木よりは少しだけ低い。
その城壁の上には初めて登った。
城壁の上からは、森の遠くまで見通せた。
城壁の周りは、かなり遠くまで見える範囲で木が切られている。
この事に付いて、あまり深く考えた事は無かったものの、魔法の訓練をして、エクス様やドリスさんの訓練を見ていて気がついた。
多分、城壁に向かってくる魔物を見つけやすく、更に見つけ次第魔法を放って倒すか足止めを行う為の空間を作っているのだろうと、今初めて気づいた。
普通なら、そんな事には気づかなかったと思う。
だって、普通の思考状態じゃあ、気にならない事だったから。
でも今は城壁よりも高い木、その木よりも更に大きくて、城壁の倍くらいの大きさがある亀が、こちらに歩いてきている。
だから、そんな亀から思考を逸らしたくて、城壁の周囲にある空間に目がいったのだと思う。
そんな事を考えていると、ミュディー様に優しい声で、話かけられた。
「大丈夫よ、アリアさん。
少なくとも、ここまで攻撃が届く事態にはならない筈よ」
「で、でも」
「大丈夫、大丈夫よ」
私がミュディー様の言葉に返そうとした所で、ミュディー様に言葉を被せるように私の言葉を遮られた。
でも私は、ミュディー様の声に少しだけ震えが含まれた気がした。
だから、ミュディー様の顔を見てしまった。
その顔は力強く睨みつけるように亀を見ていたものの、その顔は焦りや不安があるように見えた。
あの亀は、それ程の相手だと大きさだけでも分かった。
それでも、ミュディー様の顔を見るまではエクス様やドリスさんが居れば、どうにかなると思っていた。
そして、その考えが間違っているのだと、この瞬間に理解してしまった。
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