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1章 第1部 追放と一人目
3話 愚か者達
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ユウキが失禁した瞬間に、卒業パーティーの会場に兵士達が雪崩込んできた。
その兵士達は何処かの貴族家の家紋を示す物を持っていなかったので、それを見た俺は「国王陛下が仮にアイリス王女が婚約破棄をしても、すぐに相手を拘束し撤回させる為の私兵か?」と思ったが、その兵士達は俺を取り囲み、槍を突きつけてきた。
それをされた俺は殺気を込め俺を取り囲んだ兵士達を威圧するように睨みつけた。
俺に睨みつけられた兵士達は全身が震え、今にも倒れてしまいそうに思えたが、誰も倒れず、逃げずに俺を囲み槍を向けていた。
それを俺は睨みつけたままで不審に思っていた。
俺は魔法使いなのでブラーディトになってからは大規模な戦争こそ経験していない(起こっていないため)が、小競り合い等は経験したし、人類の敵である魔物との戦闘も経験済みな上に、ブラーディトになる前は大規模な戦争なんて数多く経験した。
それに余程の強者でなければ剣士では対応できずに殺される魔物は、基本的には魔術師か魔法使いが相手をしなければならないが、その魔物も国王陛下がアイリス王女と俺を婚約させたタイミングで出された条件のせいで、ここ10年は殆ど俺が対応していたので俺の戦闘や諸々の感覚は全く衰えていない。
そんな俺の殺気を全力でないとはいえ受けているのに逃げ出さない、この兵士達はある程度の強者に部類される者達だと理解出来た。
そんな兵士達が俺を取り囲み、槍さえも向けている理由を考えていると、その理由が卒業パーティーの会場に入場してきた。
「おやおや、こんな祝のパーティー会場で魔法を発動させているとは、お前は我が公爵家の評判を貶めるつもりか?」
入場してきたのは、俺の兄達である長男と次男だった。
2人共にニヤニヤとしており、この兵士達が2人に従っているのが見て取れた。
ここで兄達というよりも俺の家族を紹介すると、俺の父親は公爵家の入婿で、兄達の母親は父親の愛人、俺の母は元々公爵家の一人娘で既に亡くなっているといえば、大体の人は事情を察してくれるだろう。
本来ならば、そのまま俺も事故死や自殺と称して殺されて終わりの話なのだが、俺の母はとてもいい人で、母の両親が亡くなり父親の本性を知った後には気持ちを切り替えて、俺が自衛の手段を持てる様にと3歳の頃に魔術師の適正審査を受けさせてくれた。
その魔術師の適正審査を受け、適正無しとなった俺は魔法使いか無能かのどちらかに分けられた。
ちなみに、この世界の人間にはどんなに才能が無くとも簡単な魔術は使えるので、どんなに少ない数値でも適正はあるのだが、その使える魔術が戦闘に耐えると判断された適正を持つものが魔術師と呼ばれるのだ。
そんな魔術師の適正審査なのだが、適正が無いとされるのは魔法使いか魔術師にもなれない無能だけであり、そもそも適正が無いとされるのは1000万人に一人くらい。
その中でも魔法使いであるのは1億人に1人くらいで、魔術師の適正がないと分かった途端に父親達が俺を殺そうとしたが、その前に母が魔法使いの適正検査を受けさせてくれたのは有り難かった。
その魔法使いの適正検査で適正ありと判断された俺は王家が手厚く保護され、思うままに家族に邪魔をされずに自身の魔法を学び、伸ばす事が出来た。
しかし、その頃に俺の母が魔物に襲われ亡くなったと教えられ、そのことをきっかけとして俺の前の人生を思い出し、それに伴い魔法の使い方も成長速度も上がることになったのだが、それはまた機会がある時にでも話すとしよう。
そして、8歳の時にアイリス王女との婚約と俺が18になる年に参加する学園の卒業パーティーにて公爵家の当主になることが王命で決まった。
交渉等も殆どは俺がやったのに、俺に消えてほしい家族達は王家に『魔法使いならば、その能力を使い国の役に立たなければならない』とかなんとか言って、俺を魔物討伐に向かわせるように要請した。
しかも、魔物討伐の最高責任者が父親の仲間なのか、毎回俺を魔物討伐に向かわせるだけでなく、俺に魔物討伐を一人で行わせている。
まあ、そのお陰もあって既に俺の魔法と戦闘能力は前の人生の全盛期と同じくらいにはなっているが。
その兵士達は何処かの貴族家の家紋を示す物を持っていなかったので、それを見た俺は「国王陛下が仮にアイリス王女が婚約破棄をしても、すぐに相手を拘束し撤回させる為の私兵か?」と思ったが、その兵士達は俺を取り囲み、槍を突きつけてきた。
それをされた俺は殺気を込め俺を取り囲んだ兵士達を威圧するように睨みつけた。
俺に睨みつけられた兵士達は全身が震え、今にも倒れてしまいそうに思えたが、誰も倒れず、逃げずに俺を囲み槍を向けていた。
それを俺は睨みつけたままで不審に思っていた。
俺は魔法使いなのでブラーディトになってからは大規模な戦争こそ経験していない(起こっていないため)が、小競り合い等は経験したし、人類の敵である魔物との戦闘も経験済みな上に、ブラーディトになる前は大規模な戦争なんて数多く経験した。
それに余程の強者でなければ剣士では対応できずに殺される魔物は、基本的には魔術師か魔法使いが相手をしなければならないが、その魔物も国王陛下がアイリス王女と俺を婚約させたタイミングで出された条件のせいで、ここ10年は殆ど俺が対応していたので俺の戦闘や諸々の感覚は全く衰えていない。
そんな俺の殺気を全力でないとはいえ受けているのに逃げ出さない、この兵士達はある程度の強者に部類される者達だと理解出来た。
そんな兵士達が俺を取り囲み、槍さえも向けている理由を考えていると、その理由が卒業パーティーの会場に入場してきた。
「おやおや、こんな祝のパーティー会場で魔法を発動させているとは、お前は我が公爵家の評判を貶めるつもりか?」
入場してきたのは、俺の兄達である長男と次男だった。
2人共にニヤニヤとしており、この兵士達が2人に従っているのが見て取れた。
ここで兄達というよりも俺の家族を紹介すると、俺の父親は公爵家の入婿で、兄達の母親は父親の愛人、俺の母は元々公爵家の一人娘で既に亡くなっているといえば、大体の人は事情を察してくれるだろう。
本来ならば、そのまま俺も事故死や自殺と称して殺されて終わりの話なのだが、俺の母はとてもいい人で、母の両親が亡くなり父親の本性を知った後には気持ちを切り替えて、俺が自衛の手段を持てる様にと3歳の頃に魔術師の適正審査を受けさせてくれた。
その魔術師の適正審査を受け、適正無しとなった俺は魔法使いか無能かのどちらかに分けられた。
ちなみに、この世界の人間にはどんなに才能が無くとも簡単な魔術は使えるので、どんなに少ない数値でも適正はあるのだが、その使える魔術が戦闘に耐えると判断された適正を持つものが魔術師と呼ばれるのだ。
そんな魔術師の適正審査なのだが、適正が無いとされるのは魔法使いか魔術師にもなれない無能だけであり、そもそも適正が無いとされるのは1000万人に一人くらい。
その中でも魔法使いであるのは1億人に1人くらいで、魔術師の適正がないと分かった途端に父親達が俺を殺そうとしたが、その前に母が魔法使いの適正検査を受けさせてくれたのは有り難かった。
その魔法使いの適正検査で適正ありと判断された俺は王家が手厚く保護され、思うままに家族に邪魔をされずに自身の魔法を学び、伸ばす事が出来た。
しかし、その頃に俺の母が魔物に襲われ亡くなったと教えられ、そのことをきっかけとして俺の前の人生を思い出し、それに伴い魔法の使い方も成長速度も上がることになったのだが、それはまた機会がある時にでも話すとしよう。
そして、8歳の時にアイリス王女との婚約と俺が18になる年に参加する学園の卒業パーティーにて公爵家の当主になることが王命で決まった。
交渉等も殆どは俺がやったのに、俺に消えてほしい家族達は王家に『魔法使いならば、その能力を使い国の役に立たなければならない』とかなんとか言って、俺を魔物討伐に向かわせるように要請した。
しかも、魔物討伐の最高責任者が父親の仲間なのか、毎回俺を魔物討伐に向かわせるだけでなく、俺に魔物討伐を一人で行わせている。
まあ、そのお陰もあって既に俺の魔法と戦闘能力は前の人生の全盛期と同じくらいにはなっているが。
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