4 / 69
1章 第1部 追放と一人目
4話 『転移玉』
しおりを挟む
俺がそんな事を考えていると、俺の兄達(名前は呼ばなくとも良いだろう)が言った。
「アイリス王女に婚約破棄をされたお前など、我がブラーディト家には必要無い!!よってお前は魔の森に一番近いラスター村に追放する!!」
俺はさっきから兄達は馬鹿なのかと思っていたが、今の発言でこの兄達は確実に馬鹿で世間知らずなアホだと証明された。
そもそもブラーディト家の正当な血を引いているのは現状で俺だけなので、あのアホ達が我がブラーディト家とか言っては駄目なのだ。
一応あのアホ達もブラーディト家には属しているが、それは現ブラーディト家当主代理の長男と次男という扱いであり、奴らにはブラーディト家の何かを相続する権利は無い。
例え俺が死んで問題が起こっても、ブラーディト家の分家から養子を取り、それを傀儡にすればいいとか考えているのかもしれないが、貴族家にしては珍しくブラーディト家には分家が殆ど無く、血が繫がっている中で一番近いブラーディト家ではない人間は王家、その次は同じ位の濃さで敵対派閥の侯爵家と中立派閥の辺境伯なのだ。
そんな訳で誰がブラーディト家の当主になるかは知らないが、兄達は無理で他でも相当に面倒になるのは必定している状態。
しかも、魔の森に一番近い街か村はラスター村ではなく、さっき言った辺境伯と同じ辺境伯が収めているゴリアテという名の街だ。
ラスター村も存在はしたが、3年ほど前に魔の森からの魔物の大量氾濫によってラスター村の人間はゴリアテに避難し、ラスター村の物的被害業況が酷かったので、そのままラスター村は消滅、ラスター村の住民達はゴリアテの住民となった。
なので、ラスター村に追放するとか言っている兄達はアホであり、そもそも兄達にというかブラーディト家の代理当主である俺の父親ですら俺を追放する権限は持っていない。
まあ、魔法使いを追放しようとする馬鹿が居るなんて、そもそもが想定外だがその権利があるとすれば追放されるという名目で自分から出ていくか国王陛下が周囲の反対を押し切れれば追放を命じれるくらいである。
それをした場合は他国から貴重な魔法使いを追い出したということで、周辺国全てから速攻で戦争を仕掛けられるだろうが。
そんな訳で俺を追放することは実質的に不可能のはずなのだが、馬鹿な兄達はドヤ顔で話し続けた。
「しかし、魔の森までは長い道のりとなろう!!よって私達は貴様にとっておきの物を使ってることにした!!」
俺と周囲が「とっておきの物?」と首を捻った所で、長男は懐から真っ白な玉をとりだして、それを右手で天井に掲げながら叫んだ。
「『転移!!対象者はストレンス・ブラーディト!!場所は魔の森に一番近い村、ラスター!!』」
俺は長男が叫びだした時には魔法で長男を攻撃してでも止めようとしたが、それは周囲の兵士達と次男が予め発動していた(魔力を込めることで、魔法の効果があるアクセサリーが発動する)『魔法無効のアクセサリー』によって止められてしまった。
ちなみに、この『魔法無効のアクセサリー』は正確には無効では無く霧散である為に上手く魔法を使えば自然現象でも攻撃出来る上、このアクセサリーを付けている間は魔力を注いでいようといなかろうと、魔法が使えなくなるので使えないアイテムとして知られている。
そんなアイテムによって俺は時間を稼がれてしまい、長男が使用した『転移玉』(魔力を注ぎながら、発動!!と叫んだ後に、対象者を目視しつつ名を対象者の名を叫び、最後に場所を叫ぶ事で発動する魔法の力が込められたアイテム)が発した強い光に俺は包まれた。
「アイリス王女に婚約破棄をされたお前など、我がブラーディト家には必要無い!!よってお前は魔の森に一番近いラスター村に追放する!!」
俺はさっきから兄達は馬鹿なのかと思っていたが、今の発言でこの兄達は確実に馬鹿で世間知らずなアホだと証明された。
そもそもブラーディト家の正当な血を引いているのは現状で俺だけなので、あのアホ達が我がブラーディト家とか言っては駄目なのだ。
一応あのアホ達もブラーディト家には属しているが、それは現ブラーディト家当主代理の長男と次男という扱いであり、奴らにはブラーディト家の何かを相続する権利は無い。
例え俺が死んで問題が起こっても、ブラーディト家の分家から養子を取り、それを傀儡にすればいいとか考えているのかもしれないが、貴族家にしては珍しくブラーディト家には分家が殆ど無く、血が繫がっている中で一番近いブラーディト家ではない人間は王家、その次は同じ位の濃さで敵対派閥の侯爵家と中立派閥の辺境伯なのだ。
そんな訳で誰がブラーディト家の当主になるかは知らないが、兄達は無理で他でも相当に面倒になるのは必定している状態。
しかも、魔の森に一番近い街か村はラスター村ではなく、さっき言った辺境伯と同じ辺境伯が収めているゴリアテという名の街だ。
ラスター村も存在はしたが、3年ほど前に魔の森からの魔物の大量氾濫によってラスター村の人間はゴリアテに避難し、ラスター村の物的被害業況が酷かったので、そのままラスター村は消滅、ラスター村の住民達はゴリアテの住民となった。
なので、ラスター村に追放するとか言っている兄達はアホであり、そもそも兄達にというかブラーディト家の代理当主である俺の父親ですら俺を追放する権限は持っていない。
まあ、魔法使いを追放しようとする馬鹿が居るなんて、そもそもが想定外だがその権利があるとすれば追放されるという名目で自分から出ていくか国王陛下が周囲の反対を押し切れれば追放を命じれるくらいである。
それをした場合は他国から貴重な魔法使いを追い出したということで、周辺国全てから速攻で戦争を仕掛けられるだろうが。
そんな訳で俺を追放することは実質的に不可能のはずなのだが、馬鹿な兄達はドヤ顔で話し続けた。
「しかし、魔の森までは長い道のりとなろう!!よって私達は貴様にとっておきの物を使ってることにした!!」
俺と周囲が「とっておきの物?」と首を捻った所で、長男は懐から真っ白な玉をとりだして、それを右手で天井に掲げながら叫んだ。
「『転移!!対象者はストレンス・ブラーディト!!場所は魔の森に一番近い村、ラスター!!』」
俺は長男が叫びだした時には魔法で長男を攻撃してでも止めようとしたが、それは周囲の兵士達と次男が予め発動していた(魔力を込めることで、魔法の効果があるアクセサリーが発動する)『魔法無効のアクセサリー』によって止められてしまった。
ちなみに、この『魔法無効のアクセサリー』は正確には無効では無く霧散である為に上手く魔法を使えば自然現象でも攻撃出来る上、このアクセサリーを付けている間は魔力を注いでいようといなかろうと、魔法が使えなくなるので使えないアイテムとして知られている。
そんなアイテムによって俺は時間を稼がれてしまい、長男が使用した『転移玉』(魔力を注ぎながら、発動!!と叫んだ後に、対象者を目視しつつ名を対象者の名を叫び、最後に場所を叫ぶ事で発動する魔法の力が込められたアイテム)が発した強い光に俺は包まれた。
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない
しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる