血の魔法使いは仲間を求める

ロシキ

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1章 第1部 追放と一人目

6話 水を求めて

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俺は『フォレストウルフ』を食した後で、罠に使っている魔法を発動状態にしたままで、就寝した。
因みに俺は傭兵団時代の記憶があるので、寝たままの魔法維持の重要性を理解出来ていたので、ひっそりと訓練しており、今では簡単に寝たままで魔法の維持が可能になっている。

そんな訳で魔法を発動させたままで寝た俺だったが、その後の襲撃などはなく日の出を迎え、日の出と同時に起きてから水辺を探すべく魔法を使った。

「『鷹の目』」

『鷹の目』は自身の視界を空中から見ているように切り替える魔法であり、熟練度によって見ることができる範囲が変わる。
俺は『鷹の目』の便利さを知っているので、意識的に『鷹の目』の熟練度を上げており、普通の魔術師が自身の魔力の大半を使い半径500mを見れたら良い所を、俺は集中し総合魔力量の半分を使えばすれば最大半径5km程は見ることも可能だ。
だが、ここは魔の森でいつ、何処から、どんな方法で魔物に攻撃されるか分かったものでないので、余裕を持って見る範囲を半径1kmに設定した。

因みに、普通の魔術師が俺と同じ状況に陥ったならば『鷹の目』ではなく、『鷹の目』よりも難易度が低く、かつ『鷹の目』よりも簡単に広い範囲を探れる『サーチ』という魔術を使うだろう。
だが『サーチ』は自身の魔力を薄く広範囲に、自身を中心とした円形状に飛ばすので、特に総じて魔力に敏感である魔物が『サーチ』の範囲内に居た場合において、確実にこちらの存在を魔物に悟られ狙われてしまうので、今回は使わなかった。

逆に『鷹の目』は上空に見えない鷹がいて、その鷹の目が見ている光景を俺が見ているイメージをすると分かりやすい。
そんな訳で『鷹の目』を使用し、暫く周辺を探っていたが、俺は『鷹の目』を止めてため息をついた。

「はぁ~、都合良く川なんかは見つからないか。村の跡地らしき物も見当たらなかったし、流石に不味いな」

俺はそんな事を呟きながら、昨日の内に作っておいた焼き『フォレストウルフ』肉を食べつつ、何をするかを声に出しながら考えた。

「今の優先事項は上から水の確保。次に雨が降る前に拠点つぐり。食料は『鷹の目』で魔物を見つけて、狩れば問題はないから、優先度は下げられる。それなら、拠点づくりの次はここが何処だが把握する事か。

後はここに俺に勝てない魔物が居る場合があるから、ブラーディト家に居た時はおろか、学園に居たときでも試せなかった俺が得意な血の魔法が幾つかあるから、それを試したほうがいいな」

俺はそこまでは考え終えた時には『フォレストウルフ』を食べ終え、残してしまった『フォレストウルフ』は『掘削』の魔法で穴を掘り残りの『フォレストウルフ』を埋めた。

その後はとりあえず前に進みながら、たまに『鷹の目』を使い、川なんかが無いかと探し回った。
そして、偶然遭遇する魔物と戦闘しながら、全てを倒してつつ進むこと一日(日が沈む寸前)、ようやく川を発見できた。
ただ最初は『鷹の目』の端っこに少し川の様な物が映っただけだったので、範囲を2kmに変更し川かどうかを確認した。

『鷹の目』の範囲変更後は、川だという確信が取れたので川に向かった。
少し歩き、川に到着した所で気が抜けそうになったが、ここは魔の森だということを思い出し、気を引き締めた。

しかし、川に到着したときは思っていたよりも凄く川が大きなかったので驚いた。
俺がたどり着いた川は、横幅が大体200mくらいあり、川の底も見えないくらいには深く、深さを調べようと土で10mほどある細長い針を作り、それで深さを調べた所9mも川底まであり、かなり驚いた。

因みに、ここが魔の森だというのは既に確信が持てた。
何故なら、この世界は魔物なんてものは魔物が発生する場所でしか発生しないし、それぞれの場所で発生する強さや頻度、種類等も全く違い、俺が襲われた魔物の傾向から、ここが何処なのかは判断しやすかった。

ひとまず、川と自身の周囲200mに限定して『サーチ』を使用した。
これは周囲や川の中に魔物が潜んでいた時に、向こうからこちらを襲うように仕向ける為だ。
これは先程も言ったが、『サーチ』は魔物を集める、その為に魔物の討伐任務等の場合は準備が済んだあとに討伐対象を誘き出すためにも使える。

そんな訳で『サーチ』を使用して暫く待っていたが、『フォレストウルフ』1体しか魔物は現れなかった。
なので、ひとまずはここを拠点とするべく、川から10m程離れた場所の木を『ウィンドカッター』で切って、木が地面に落ちて音を立てる前に『収納』にしまった。

その後は木の根を『掘削』で掘り返しつつ、『ブロック』という土で正方形の形を作る魔法を使った。
今回は相応の魔力量を込めたので『ブロック』で小さめの家くらいの大きさの箱を作れた。
因みに中はくり抜いて作ったので、ひとまずはこれで雨と風は防げる。
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