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1章 第1部 追放と一人目
8話 『鎧血』
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そんな訳で俺はさっそく『鎧血』を使ってみることにした。
この魔法を使うのは初めてなので、自身の得意な魔法、つまりは血の魔法の象徴と言える血を頭の中で思い浮かべる。
そこから特にイメージは変化させずに魔法を使おうとすると、俺が使える血の魔法の名称が順に思い浮かんだ。
その名称は既に使っている魔法や試したことがある魔法、逆に名称しか知らなかった等、俺が現状で使える血の魔法の名称が全て乗っていた。
その中から『鎧血』を探し、見つけた後は、その魔法を使おうと意識する。
すると、俺の両手の手のひらが薄く光って見えた。
俺はそれを確認すると、魔法を2つ使う要領で『マジックアイ』を発動させた。
その理由だが、俺の両手の手のひらが光って見えているのは、そこから血を出せば俺が思い浮かべている『鎧血』という魔法を発動出来るが、それにも刺さなければならない深さという物があるからだ。
しかし、『鎧血』を発動させるという意識を切らすと薄い光は見えなくなってしまうので、魔法を同時に発動させ『マジックアイ』でどの深さまで刺せばいいかを確認しながら、刺すのだ。
因みに手のひらを刺すのは、学園のパーティー会場から何気に持ち続けていたナイフだ。
そのナイフを使い両手のひらを半分ほど刺した所で、魔法が発動出来る状態になった。
なので、『マジックアイ』を解除してから『鎧血』を使用した。
すると、俺の血が出ている両手のひらから俺の体を這うように俺の全身を血が覆った。
だが、その血はとても薄くいくら魔法による強化があると言っても、魔物や人の攻撃でも簡単に突破出来るのではないかと思うと程だ。
俺は『鎧の血というからには、もっと頑丈そうな鎧を想像していたのに』と、期待外れに思っていると、唐突に目眩がした。
その目眩により大勢を崩し、膝をついた所でさっきまであったあの薄い鎧の様子が変わっている事に気が付いた。
なんと、俺を覆っていた鎧は先程俺がイメージしたくらいの厚さになっていたのだ。
これを見てもしやと思い、俺は全身を覆う鎧部分の血は薄いが背中の腰部分には魔物なんかに生えている尻尾が生えた様な物を想像した。
すると、俺を覆っていた血の鎧は完全に俺の思い描いた通りに動き、尻尾が生えている鎧が完成した。
俺はこれは守るだけじゃないかもしれないとも思い、土のブロックの中から出で近くの木に全力で尻尾を振るってみた。
すると、俺が標的にした一本だけでなく、その前後左右一本くらいは余分に気が切れた。
俺は急いで『収納』を使い切れた木を収納したが、残った切り株の切れ口があまりにもきれいだった。
俺の血の魔法は血だけで作った剣や槍等の武器でも基本的に切るという動作が出来ず、攻撃の時には締め付ける、押しつぶす、『浸血』を使って内側から爆発させたり、心臓だけ潰したりといった感じしか出来なかった。
例外として俺が『フォレストウルフ』を解体した時の様にナイフや剣なんかに血を纏わせて、その物の効果を強化するイメージならば切るという動作も出来るが、今までは血の魔法単体では切れなかった。
しかし、この『鎧血』は俺が血の魔法で出来なかった切るという動作を可能にした。
まあ、イメージした尻尾が元は俺の前の人生で俺が殺したある中位悪魔の尻尾をイメージしたのが良かったのかは分からないが、切るという動作を血単体で出来るようになったのは心強い。
その後は『鎧血』の特性を調べるのに時間を使い、『鎧血』のある程度の特性は知ることが出来た。
まず『鎧血』は発動させただけである程度の身体能力が向上しており、今までは出来なかった血の魔法単体での切るという動作が可能であり、『鎧血』自体での防御も可能だが、俺が『鎧血』を発動させてから意識を割いて魔法を維持する以外にも、普通の鎧なんかと同じ様に耐久値という概念が存在した。
しかし、注意が必要なのが『鎧血』は少しづつではあるが水にふれると、水と一緒に血も流れ落ちてしまうので、その流れ落ちた分の血を補充したりしなければならず、また両手から血が出ているか血が出せる状態でなければ発動せず、最初に出した薄い鎧くらいでも全身を血で覆って居なければ『鎧血』が解除されてしまう。
この様な弱点もあるが、更に切るという動作をするには『鎧血』の特性を攻撃に向ける意識をする必要があり、その時は俺の身体能力の内で腕力や脚力等が特に上昇し、逆に『鎧血』自体の耐久値が下がった。
逆に『鎧血』の特性を防御に向ける意識をすると、『鎧血』の耐久値や体力の上昇、後は攻撃を受けた時の衝撃度合いなんかも防御に意識を向けると上がった。
なので、まとめとしては『鎧血』とは防御面と攻撃面の2つの面があり、その面を入れ替えるのは意識しだいであり、戦闘で『鎧血』を使う時は『鎧血』の状態を常に把握しておく必要があり、鎧の形は俺のイメージが反映され、尻尾や試したら羽も鎧に生やせた事からイメージ次第では鎧に付属品を付けることも可能。
ただし試した所、剣や盾などは作れず、あくまで自然界に存在している動物の姿の一部を取り付けていると感じた。
その後は、『鎧血』の特性を調べながらご飯も食べたり、水を沸騰させて『鑑定』して安全だと分かってから飲んだりしていたので、『鎧血』を解除してからその血に『増血』をかけて(『鎧血』中には『鎧血』に重ね掛をする形で血の魔法を使うことは出来なかったが、他の属性の魔法は掛ける事が出来たし、『鎧血』解除後は他の血の魔法も掛ける事が出来た)、『操血』で周辺に罠を張って、土のブロックの中で寝た。
※31日の投稿分から投稿時間を19時に変更します。
ご了承下さい。
この魔法を使うのは初めてなので、自身の得意な魔法、つまりは血の魔法の象徴と言える血を頭の中で思い浮かべる。
そこから特にイメージは変化させずに魔法を使おうとすると、俺が使える血の魔法の名称が順に思い浮かんだ。
その名称は既に使っている魔法や試したことがある魔法、逆に名称しか知らなかった等、俺が現状で使える血の魔法の名称が全て乗っていた。
その中から『鎧血』を探し、見つけた後は、その魔法を使おうと意識する。
すると、俺の両手の手のひらが薄く光って見えた。
俺はそれを確認すると、魔法を2つ使う要領で『マジックアイ』を発動させた。
その理由だが、俺の両手の手のひらが光って見えているのは、そこから血を出せば俺が思い浮かべている『鎧血』という魔法を発動出来るが、それにも刺さなければならない深さという物があるからだ。
しかし、『鎧血』を発動させるという意識を切らすと薄い光は見えなくなってしまうので、魔法を同時に発動させ『マジックアイ』でどの深さまで刺せばいいかを確認しながら、刺すのだ。
因みに手のひらを刺すのは、学園のパーティー会場から何気に持ち続けていたナイフだ。
そのナイフを使い両手のひらを半分ほど刺した所で、魔法が発動出来る状態になった。
なので、『マジックアイ』を解除してから『鎧血』を使用した。
すると、俺の血が出ている両手のひらから俺の体を這うように俺の全身を血が覆った。
だが、その血はとても薄くいくら魔法による強化があると言っても、魔物や人の攻撃でも簡単に突破出来るのではないかと思うと程だ。
俺は『鎧の血というからには、もっと頑丈そうな鎧を想像していたのに』と、期待外れに思っていると、唐突に目眩がした。
その目眩により大勢を崩し、膝をついた所でさっきまであったあの薄い鎧の様子が変わっている事に気が付いた。
なんと、俺を覆っていた鎧は先程俺がイメージしたくらいの厚さになっていたのだ。
これを見てもしやと思い、俺は全身を覆う鎧部分の血は薄いが背中の腰部分には魔物なんかに生えている尻尾が生えた様な物を想像した。
すると、俺を覆っていた血の鎧は完全に俺の思い描いた通りに動き、尻尾が生えている鎧が完成した。
俺はこれは守るだけじゃないかもしれないとも思い、土のブロックの中から出で近くの木に全力で尻尾を振るってみた。
すると、俺が標的にした一本だけでなく、その前後左右一本くらいは余分に気が切れた。
俺は急いで『収納』を使い切れた木を収納したが、残った切り株の切れ口があまりにもきれいだった。
俺の血の魔法は血だけで作った剣や槍等の武器でも基本的に切るという動作が出来ず、攻撃の時には締め付ける、押しつぶす、『浸血』を使って内側から爆発させたり、心臓だけ潰したりといった感じしか出来なかった。
例外として俺が『フォレストウルフ』を解体した時の様にナイフや剣なんかに血を纏わせて、その物の効果を強化するイメージならば切るという動作も出来るが、今までは血の魔法単体では切れなかった。
しかし、この『鎧血』は俺が血の魔法で出来なかった切るという動作を可能にした。
まあ、イメージした尻尾が元は俺の前の人生で俺が殺したある中位悪魔の尻尾をイメージしたのが良かったのかは分からないが、切るという動作を血単体で出来るようになったのは心強い。
その後は『鎧血』の特性を調べるのに時間を使い、『鎧血』のある程度の特性は知ることが出来た。
まず『鎧血』は発動させただけである程度の身体能力が向上しており、今までは出来なかった血の魔法単体での切るという動作が可能であり、『鎧血』自体での防御も可能だが、俺が『鎧血』を発動させてから意識を割いて魔法を維持する以外にも、普通の鎧なんかと同じ様に耐久値という概念が存在した。
しかし、注意が必要なのが『鎧血』は少しづつではあるが水にふれると、水と一緒に血も流れ落ちてしまうので、その流れ落ちた分の血を補充したりしなければならず、また両手から血が出ているか血が出せる状態でなければ発動せず、最初に出した薄い鎧くらいでも全身を血で覆って居なければ『鎧血』が解除されてしまう。
この様な弱点もあるが、更に切るという動作をするには『鎧血』の特性を攻撃に向ける意識をする必要があり、その時は俺の身体能力の内で腕力や脚力等が特に上昇し、逆に『鎧血』自体の耐久値が下がった。
逆に『鎧血』の特性を防御に向ける意識をすると、『鎧血』の耐久値や体力の上昇、後は攻撃を受けた時の衝撃度合いなんかも防御に意識を向けると上がった。
なので、まとめとしては『鎧血』とは防御面と攻撃面の2つの面があり、その面を入れ替えるのは意識しだいであり、戦闘で『鎧血』を使う時は『鎧血』の状態を常に把握しておく必要があり、鎧の形は俺のイメージが反映され、尻尾や試したら羽も鎧に生やせた事からイメージ次第では鎧に付属品を付けることも可能。
ただし試した所、剣や盾などは作れず、あくまで自然界に存在している動物の姿の一部を取り付けていると感じた。
その後は、『鎧血』の特性を調べながらご飯も食べたり、水を沸騰させて『鑑定』して安全だと分かってから飲んだりしていたので、『鎧血』を解除してからその血に『増血』をかけて(『鎧血』中には『鎧血』に重ね掛をする形で血の魔法を使うことは出来なかったが、他の属性の魔法は掛ける事が出来たし、『鎧血』解除後は他の血の魔法も掛ける事が出来た)、『操血』で周辺に罠を張って、土のブロックの中で寝た。
※31日の投稿分から投稿時間を19時に変更します。
ご了承下さい。
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