血の魔法使いは仲間を求める

ロシキ

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1章 第1部 追放と一人目

11話 魔物について

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今日で魔の森に飛ばされてから4日目だ。
まあ、初日は魔物を一体倒して寝るくらいしかしていないから、実質的には3日くらいだ。

そんな訳で実質的には3日目な4日目だが、今日の予定は魔物を引っ張ってきて、この拠点の強度を確かめて、夜になったら魔法を試すくらいだ。

正直、遭難してるならばもっと焦れよと自分では思うのだが、やろうと思えば『転移』対策をされていないなら、どんな場所からでも『転移』があれば逃げられるから、そんなに焦りが生まれない。
因みにだが、『転移』はかなりの高等魔法であり、俺の魔力の半分を使っても街と街の間が一番長い距離の分くらいしか飛べないし、魔術師は『転移』を発動させても極近距離しか飛べない。

少し話が反れだが、今日の予定はこの周辺の魔物で拠点の強度を試すのだ。
と、意気込み『魔物避け』を『収納』したのは良いのだが、ここで俺の拠点の大きな弱点に気が付いた。

それは外に出る扉を作り忘れたということだ。
いやね、拠点を拡張している時は内側から拡張してたから必要無かったし、元々水は川に近いから川の水を浮かせて運べば外に出る必要は無かったし、トイレなんかは抵当に深めの穴を掘ってそこにして『浄化』してから『風化』を掛ければ問題なかったから気がつけなかったのだ。
うん、仕方ないな。

というわけで、扉をつけようとした所で、「これもしかして扉要らないんじゃないか?」と思った。
そもそもの話、今回外に出るのは、この拠点の強度を試したいからであり、それも適当に『サーチ』をある程度の範囲で使えば問題無く魔物をこちらに誘導出来る。

しかも今のところは魔物を使って拠点の強度を確かめる以外の時は拠点の外に出るなんて事は、現状ではしなくても良い。
つまり、扉は要らないし、寧ろつけたらつけたで、たまたま魔物がその扉を開けられたりしたら拠点を作った意味がない。

それならば扉は要らないし、外に出たいときは魔力を馬鹿みたいに使う『転移』か、いちいち面倒くさいが『土操作』の魔法で人が通れるくらいの穴を作ればいい。

よし、それで行こう。
というわけで、今回は『サーチ』を使って魔物を集めることにした。
一応強力な魔物が現れたときの事を考えて、先に魔物を倒す準備を整えておく。

まずは体の表面を軽く傷つけて血を出し『増血』を使用、次に『操血』を使って拠点の外に血を出し、最後に『形血』で卒業パーティーの場から持ってきてしまったナイフを核に一本はよく切れる剣に、後はいつか使えるだろうと思って暇つぶしついでに作っていた木刀計10本(素材は切り倒した魔の森の木)を血でコーティングしてある程度の魔物でも倒せる剣を作った。

因みに『形血』は細かい形を作る魔法だが、魔法使用の時に核を用意するとその核の特性を強化してくれるので、ナイフや木刀を核にした。
まあ、刃がある分ナイフを核にした剣の方が魔物を倒しやすいが、木刀を核にした剣もここらへに出る『フォレストウルフ』や『キングスネーク』くらいならば倒せるだろう。

そんな訳で準備が整ったので、さっそく2kmを範囲に『サーチ』を発動させた。
そして、『サーチ』の結果が分かった所で俺は声を出した。

「うげ、なんだこの数。軽く100体くらい魔物が集団で居るとか。おかしいだろ、異常発生か?幸い、一定方向に動いてないから、キングは生まれたばかりか、成長途中な上に魔物は行為によって増えている段階か?」

ここで少し魔物について語ると、魔物は基本的に突如として生まれ、生殖等はしない。

因みに魔物は略称で、正式名称は『魔法が使える危険生物』という名称で、魔物を倒すときは如何にして魔物に魔法を使わせないかが重要になる。
そして、魔法使いや魔術師でなければ魔物の相手にならないと以前に言ったのは、魔法か魔術でなければ魔物に魔法をつく使われてしまうためだ。

少し話が逸れたが話を戻すと、魔物の中では最高位の魔物であるドラゴンは生殖をして突如としては生まれないが、魔物の中の例外はドラゴンだけで、他の魔物は何も無い所から突如として生まれる。
まあ、それは魔の森なんかの危険地帯にばかり生まれるために街な村がなんかには殆ど発生しないし、魔物の強さなんかも危険地帯の奥に行くほどに強い個体が生まれすくなるので、街や村なんかは危険地帯の一番外に作るのが定番だ。

因みに俺の前世の世界には、そもそも魔物や魔物が発生する危険地帯やダンジョンなんてものは存在しなかったので、地図や言語等が全く同じでも俺はこの世界と前世の世界は別物だと思っている。

それで異常発生やキング、行為という単語に戻るが、まず異常発生は何らかの原因により魔物が突如発生する以外の方法で発生する事、またな通常の魔物ではなくそれよりも圧倒的に強い魔物が生まれた事を指す言葉だ。

次にキングは突如として発生する魔物だが、これは周辺に居る魔物を統率したり、操ったり、単純に単体として馬鹿みたいに強かったりと何種か種類が存在するが、普通の魔物とは決定的に違う上位の存在だと思ってくれれば良い。
だが、この王の存在はかなり厄介で街を率先して襲ってくるが事が少ないが、魔物を束ねたり、束ねていなくとも追い立ててしまう形で魔物達に街を襲わせるので、凄く厄介だ。

最後に行為だが、これは何らかの原因によって魔物達が交尾をしだすことを言う。
今回の場合は完全に突如として生まれたら数の魔物ではない(現状で確認されている最大の魔物発生数は10匹ほど)ので、確実に異常発生であり、基本は群れない魔物(複数が突如として生まれた場合は群れる事がある)が一塊にはなっている。
なので、王が生まれていることは確定的で、そこから街の方向に進んでいないので、数を増やしているタイプの王であり、更に王が成長している途中なのだろう。

因みに基本的に魔物は突如として生まれてくる時は成体で、行為で生まれる時は一日足らずで成体になるが、王は成体になるまで一年を要する。
魔物は成体になると途端に強くなるので、成体前の期間の王が育ち切る前に倒すというのが、王討伐の基本であり、偶にそれを怠ってかなりの被害を受ける国や貴族達が居る。
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