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1章 第2部 街へと二人目
20話 得意な魔法
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魔法使いの得意な魔法は本来ならば簡単に見つけられる。
なにせ、精神集中をしながら自分の体に魔力を流しつつ、特定の魔法を使おうとせずに魔法を使おうとすれば頭に思い浮かぶのだから、見つからないほうが稀だ。
しかし、見つからないほうが稀だと言うことは、見つからない事があるということ。
そして、アイミナはたまたまその見つからない魔法使いだったのだ。
一応魔法の講義を3週間程しても見つからないので、偶にアイミナは肩を落としているが、そのたびに頭を撫でて『仕方ない事だから落ち込むな』と声をかけているが、心配だ。
魔法使いの得意な魔法はどういう原理で決まるのか謎に包まれているが、得意な魔法が見つからない時の理由ははっきりとしている。
それは得意な魔法が自身のトラウマに関係している時だ。
例えばここに1人の魔法使いが居るとして、その魔法使いは子供の頃に家で火事が起こり、その火事で家族全員が亡くなるのを見てしまった魔法使いの得意な魔法が炎魔法だった時は、魔法の名前は愚か、簡単な火を起こす魔法なんかも使えなくなる。
因みにこれは俺が前の人生で、魔法使いの講義を受けた時に聞いた話だ。
まあ、そのトラウマを乗り越えて得意な魔法が使えるようになった場合は反動なのか、強い魔法が少ない魔力で使える。
簡単に言えば魔法使いが普通に魔法を発動させると1の効果を得ることが出来、得意な魔法を使うと1.5の効果を得ることが出来、トラウマを乗り越えて魔法を使うと2の効果を得ることが出来るという感じだ。
しかし、トラウマの厄介な所は下手に刺激をすると、辺り構わず魔法が暴走する可能性がある点だ。
これも俺が前の人生で聞いた話だが、魔法使いのトラウマを無理矢理克服させようとして壊滅的な被害を受けた町があったのだとか。
そんな訳で何がトラウマなのか分からない内は、拠点を離れられなかったし、アイミナの勉強のために町にも連れて行きたかったが出来なかった。
まあ、町に入ること自体出来ないので、結果は変わらないが。
因みになんでこんな話をしているのかというと、アイミナは俺が魔法を教え始めてから実戦を行っていなかった(好きに戦っていいと言ってアイミナの素の実力がどれくらいか試した『キライマ』等は別にして)が、今日がその初日であり、俺に使えない魔法をアイミナが自然に使ったからだ。
その魔法は見た目的には『変身』という名前が相応しいだろう。
では何故『変身』という名前が相応しいかを話そう。
まず、アイミナの実戦という事で、彼女が比較的な得意だった接近タイプの風の魔法、例えば何かに風を纏わせてそれで攻撃したり、何処か一箇所に風を集めて風で防御したと言った感じだ。
そんな感じである程度の数の魔法が形になり、俺との練習試合で俺に怪我を負わせることが出来るくらいになってきたので、今日はようやく実際に戦闘をさせてみたのだ。
因みに、アイミナが人間になってから今まで戦闘をさせなかったのは、アイミナが二足歩行に慣れておらず普通に歩くだけでも危ない時があったからだ。
そんな訳で実際に戦闘をさせる相手は、ここら辺でよく見られる『キングスネーク』の15m級にした。
そして、「危なくなったら助けに入るから、好きに戦闘をしてみろ」と言うと、アイミナはいい笑顔で「分かりました!!」と言って『キングスネーク』に向かって走り出した。
その走りは途中から2足から4足になり、そして4足から手足だけが『フォレストウルフ』時代の物に変化し、『キングスネーク』に気づかれても勢いはそのままで風の魔法『風爪』で『キングスネーク』の首を簡単に落とした。
まあ、元々『キングスネーク』を狩って生活していた『ハイ・フォレストウルフ』ならば危険な事は起こらないだろうとは思っていたが、ここまで簡単に倒されては驚くしかない。
それに俺は魔法を教えるときにイメージと魔力次第ではなんでも出来るとは言ったが、まさか一瞬、更に一部とは言え『ハイ・フォレストウルフ』に戻るとは恐れ入った。
ただ戦闘で毎回『ハイ・フォレストウルフ』になられては、町になんて絶対に行けないので『変身』を使うのは良いとしても人前では使わないように言っておかないといけない。
なので、俺は『キングスネーク』を『収納』に仕舞ったアイミナに声をかけた。
「『キングスネーク』をこうもあっさりと仕留めるのは流石だな。でも人前では『変身』は使うなよ。使っても攻撃時に片足または片手だけにしたほうがいいな。
まあ、アイミナは『ハイ・フォレストウルフ』とはいえ、毛並みが金色だったお陰で早々気づかれることも無いだろうからそこまで心配は要らないだろうけど、一応な」
俺がそう声をかけるとアイミナは首を傾げて質問してきた。
「『変身』、ですか?それは一体なんですか?」
「え、いや、なにってアイミナが『キングスネーク』に接近するときに手と足が『ハイ・フォレストウルフ』に戻ってただろ?」
俺がそう返しても、アイミナは首を傾げるだけだった。
なので俺は更に詳しく説明しようとしたところで、「これはアイミナの得意な分野の魔法が『変身』であり、アイミナに取っては力が一番出せる姿は『ハイ・フォレストウルフ』だが『ハイ・フォレストウルフ』にはなりたくないから無意識化で『変身』を使い、自分では気が付いていないんじゃないか?」と思い至った。
なので、話を逸らすようにこの後の予定を口にした。
「とりあえず、アイミナの実力は『キライマ』戦では分かっていたけど、魔法を使った戦闘も問題無さそうだな。
ただ魔法を使った戦闘は魔力切れには注意しろよ。例え魔法使いと言っても魔力が切れたりしたら、流石に不味いからな」
「はい!!分かったのです!!」
俺は元気に返答するアイミナを見ながら、アイミナの得意な魔法を使わせるには、かなり苦労しそうだなと思っていた。
なにせ、精神集中をしながら自分の体に魔力を流しつつ、特定の魔法を使おうとせずに魔法を使おうとすれば頭に思い浮かぶのだから、見つからないほうが稀だ。
しかし、見つからないほうが稀だと言うことは、見つからない事があるということ。
そして、アイミナはたまたまその見つからない魔法使いだったのだ。
一応魔法の講義を3週間程しても見つからないので、偶にアイミナは肩を落としているが、そのたびに頭を撫でて『仕方ない事だから落ち込むな』と声をかけているが、心配だ。
魔法使いの得意な魔法はどういう原理で決まるのか謎に包まれているが、得意な魔法が見つからない時の理由ははっきりとしている。
それは得意な魔法が自身のトラウマに関係している時だ。
例えばここに1人の魔法使いが居るとして、その魔法使いは子供の頃に家で火事が起こり、その火事で家族全員が亡くなるのを見てしまった魔法使いの得意な魔法が炎魔法だった時は、魔法の名前は愚か、簡単な火を起こす魔法なんかも使えなくなる。
因みにこれは俺が前の人生で、魔法使いの講義を受けた時に聞いた話だ。
まあ、そのトラウマを乗り越えて得意な魔法が使えるようになった場合は反動なのか、強い魔法が少ない魔力で使える。
簡単に言えば魔法使いが普通に魔法を発動させると1の効果を得ることが出来、得意な魔法を使うと1.5の効果を得ることが出来、トラウマを乗り越えて魔法を使うと2の効果を得ることが出来るという感じだ。
しかし、トラウマの厄介な所は下手に刺激をすると、辺り構わず魔法が暴走する可能性がある点だ。
これも俺が前の人生で聞いた話だが、魔法使いのトラウマを無理矢理克服させようとして壊滅的な被害を受けた町があったのだとか。
そんな訳で何がトラウマなのか分からない内は、拠点を離れられなかったし、アイミナの勉強のために町にも連れて行きたかったが出来なかった。
まあ、町に入ること自体出来ないので、結果は変わらないが。
因みになんでこんな話をしているのかというと、アイミナは俺が魔法を教え始めてから実戦を行っていなかった(好きに戦っていいと言ってアイミナの素の実力がどれくらいか試した『キライマ』等は別にして)が、今日がその初日であり、俺に使えない魔法をアイミナが自然に使ったからだ。
その魔法は見た目的には『変身』という名前が相応しいだろう。
では何故『変身』という名前が相応しいかを話そう。
まず、アイミナの実戦という事で、彼女が比較的な得意だった接近タイプの風の魔法、例えば何かに風を纏わせてそれで攻撃したり、何処か一箇所に風を集めて風で防御したと言った感じだ。
そんな感じである程度の数の魔法が形になり、俺との練習試合で俺に怪我を負わせることが出来るくらいになってきたので、今日はようやく実際に戦闘をさせてみたのだ。
因みに、アイミナが人間になってから今まで戦闘をさせなかったのは、アイミナが二足歩行に慣れておらず普通に歩くだけでも危ない時があったからだ。
そんな訳で実際に戦闘をさせる相手は、ここら辺でよく見られる『キングスネーク』の15m級にした。
そして、「危なくなったら助けに入るから、好きに戦闘をしてみろ」と言うと、アイミナはいい笑顔で「分かりました!!」と言って『キングスネーク』に向かって走り出した。
その走りは途中から2足から4足になり、そして4足から手足だけが『フォレストウルフ』時代の物に変化し、『キングスネーク』に気づかれても勢いはそのままで風の魔法『風爪』で『キングスネーク』の首を簡単に落とした。
まあ、元々『キングスネーク』を狩って生活していた『ハイ・フォレストウルフ』ならば危険な事は起こらないだろうとは思っていたが、ここまで簡単に倒されては驚くしかない。
それに俺は魔法を教えるときにイメージと魔力次第ではなんでも出来るとは言ったが、まさか一瞬、更に一部とは言え『ハイ・フォレストウルフ』に戻るとは恐れ入った。
ただ戦闘で毎回『ハイ・フォレストウルフ』になられては、町になんて絶対に行けないので『変身』を使うのは良いとしても人前では使わないように言っておかないといけない。
なので、俺は『キングスネーク』を『収納』に仕舞ったアイミナに声をかけた。
「『キングスネーク』をこうもあっさりと仕留めるのは流石だな。でも人前では『変身』は使うなよ。使っても攻撃時に片足または片手だけにしたほうがいいな。
まあ、アイミナは『ハイ・フォレストウルフ』とはいえ、毛並みが金色だったお陰で早々気づかれることも無いだろうからそこまで心配は要らないだろうけど、一応な」
俺がそう声をかけるとアイミナは首を傾げて質問してきた。
「『変身』、ですか?それは一体なんですか?」
「え、いや、なにってアイミナが『キングスネーク』に接近するときに手と足が『ハイ・フォレストウルフ』に戻ってただろ?」
俺がそう返しても、アイミナは首を傾げるだけだった。
なので俺は更に詳しく説明しようとしたところで、「これはアイミナの得意な分野の魔法が『変身』であり、アイミナに取っては力が一番出せる姿は『ハイ・フォレストウルフ』だが『ハイ・フォレストウルフ』にはなりたくないから無意識化で『変身』を使い、自分では気が付いていないんじゃないか?」と思い至った。
なので、話を逸らすようにこの後の予定を口にした。
「とりあえず、アイミナの実力は『キライマ』戦では分かっていたけど、魔法を使った戦闘も問題無さそうだな。
ただ魔法を使った戦闘は魔力切れには注意しろよ。例え魔法使いと言っても魔力が切れたりしたら、流石に不味いからな」
「はい!!分かったのです!!」
俺は元気に返答するアイミナを見ながら、アイミナの得意な魔法を使わせるには、かなり苦労しそうだなと思っていた。
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