血の魔法使いは仲間を求める

ロシキ

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1章 第2部 街へと二人目

30話 結界内へと

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俺が地面に降りると、アイミナとエリーシアが急いで駆け寄ってきた。
2人の顔には驚きと不安が浮かんでいた。

なので、笑顔を2人に返してから、痛みでその場で膝を付いた。
2人は俺の笑顔を見て、ほっとした様子だったが俺が膝を付いたのを見て再び急いで駆け寄ってきた。

「ボス!!大丈夫ですか!?」

「気を抜いたせいで左手の痛みが戻ってきただけだ」

実は悪魔との戦闘前に『痛覚無効』を掛けておいたのだが、それが着地したタイミングで切れてしまったのだ。
やっぱり『痛覚鈍化』しとくべきだったか?
『痛覚無効』と『痛覚鈍化』は効果は名の通りだが、その発動並びに維持は『痛覚無効』の方が『痛覚鈍化』の100倍は難しいと言われているといえば、大まかには理解してくれると思う。

そんな訳で『痛覚無効』を切ってしまった俺の左腕をエリーシアが魔術で直そうとしたが、それを制してアイミナに頼んだ。
ただアイミナは回復系の魔法は詠唱を覚えていないので、エリーシアに魔法使いだとバレてしまうが、仕方なかった。

その理由は未だに結界が機能しているからだ。
『魔玉』になった悪魔は一切の魔法が使えなくなり、魔法で『魔玉』を解除されない限り元には戻れない。
更に『魔玉』である石を砕けば、悪魔も死亡する。

なので、『魔玉』を世界に発表した時は随分と騒がれていた。
実はこの『魔玉』は前の世界で最後まで俺を守ってくれていた彼女が作り出した魔法で、悪魔を『魔玉』にするだけなら魔術か魔法で『魔玉』を発動させてから、悪魔に触れれば良いのだ。

そして、俺に未だに理解出来ないが、『魔玉』が解除をするのに魔法使いが必要なのが、良いのだとか。
その時は「悪魔も魔法使いと同じじゃないのか?」と思ったが、悪魔には『魔玉』は解除出来ないそうだ、俺には訳が分からん。

そんな事を考えている内にアイミナが俺の左手の怪我(『血集玉』の反動)を癒やしてくれた。
まだ少しだけ痛みが走るが問題は無いし、悪魔が近くに居るだろうと予想できるのに、何時までも留まっておくのも愚の骨頂だ。

なので、とりあえず細かい説明は省いて、簡単な説明と意見を聞いた。

「2人共、よく聞いてくれ。恐らく、この結界の中にさっきの普通の悪魔よりも位の高い、つまり強い悪魔が居る。しかも結界は『血集玉』が触れるまで透明だった所を見ると、最低でも中位、下手をすれば上位の悪魔が居る。

俺は結界の中に入るが、2人が取れる選択肢はまだある。2人が取れる選択肢はこのまま戻るか、この結界の中に入るかだけだ。まあ、このまま戻ってもこちらの存在は向こうに感づかれてるだろうから、戻れるかは分からないし、結界に入れば悪魔を倒すまでは出られない。どうする?」

俺がそう聞くと、アイミナは即答した。

「勿論、行くのです!!今度こそ、私もボスの役に立つのです!!」

エリーシアは暫く悩んでいたが、剣を鞘から抜き放ち王に剣を捧げるときと同じ様に、剣を両手で持ち俺に捧げた。

「私はストレンス殿が居なければ、とっくに死んでいたでしょう。そして、アイミナが魔法使いだという事実も成り行きだったとはいえ、教えて下った。

魔法使いは貴重であり、下手をすれば国に狙われるのにです。それならば死地にゆく貴方達に、私とこの剣を預けましょう」

俺はそんなエリーシアの言葉に驚いた。
俺は魔法使いは貴重なので俺が魔法使いだとバレるならばまだしも、アイミナがバレるのはまだ早いと思っていた。
なので人には教えず、悟られない様にしようと思っていたのに、今は「確かにエリーシアだけなら良いかな」と思っていた自分に気がついた。

そんな自分に気がついていると、アイミナが言った。

「そうと決まれば、早速行くのです!!」

そう言ってアイミナとエリーシアはなんの躊躇いもなく、結界内に入っていった。
それ見て、自分が最初の頃は悪魔が結界なんて怖くて入れなかったのを思い出し、2人は今後も強くなりそうだと思った。
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