血の魔法使いは仲間を求める

ロシキ

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2章 第1部 到着と初依頼

38話 冒険者協会

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ハーレムの坊主という言葉には少し気になる所があったが、最低限の攻撃力があると証明した俺達はそれを証明する木札を貰い冒険者協会に向かった。

そして、冒険者協会に到着したのが夜になった頃だった。
門兵の人からは「冒険者協会に着く頃には夜になってるだろうから、登録は明日の方が良いかもしれないぞ」と言われたが、宿に泊まるためのお金を確保するためには仕方ないだろう。

一応冒険者になれなければエリーシアに借りる予定になっているが、お金の貸し借りは極力しない主義なので仕方ない。
流石に冒険者になってからは時間的に何かの依頼は受けられないが、魔物の素材の買い取りは受付もらえる筈だ。

そんな訳で冒険者協会に来たのだが、冒険者協会はかなりざわついていた。
しかも、かなり人が多いいのでざわつきの原因が分からない。
なので、冒険者登録をする場所を聞くのと合わせてざわつきの原因を近くの冒険者に聞くと、冒険者になって半年の新人達が部隊級の魔物を討伐し、現在は解体をしているから話題になっているのだとか。

俺は「部隊級の魔物を倒したくらいでそんなに騒ぐことか?」と首を傾げてしまったが、エリーシアが俺にひっそりと耳打ちをしてきた。

「部隊級の魔物は文字通りに30人からなる部隊で、やっと討伐できる魔物ですよ。それを冒険者パーティーならば最大で6人でしょうから、6人で倒したのでしょう。

それが冒険者になって半年の新人ならば話題になるのも当然かと」

俺はなるほどと納得しながら、今は誰も並んでいない新人冒険者受付という受付に向かった。
その受付には今は誰もおらず、『御用の方はこのベルを鳴らしてください』と書いてある札とベルがあった。
なのでベルを鳴らして、協会の職員が来るまでに何を売って、何を売らないかを話し合っていた。

「どうする?都市級のは結構いい素材だから俺達の装備に使っても良いけど、売ったらそれならの額になるぞ?」

「そうですね。魔物の素材で売れるのは革や牙等ですからね。肉はどうせ売れないので、こちらで食べるとして、私達にはそこまでこだわる理由がありませんからね。なので、目立つことにはなりますが都市級以下の素材は全ての売っても構わないと思いますよ」

「ボス~。そんな事よりもお腹すいたのです~。早くご飯に行くのですよ~」

「あはは、確かに昼は『ダンジョン都市』が見えたからお昼を抜いて急いできたもんな。素材を売ってお金が出来たら、屋台かなんかで買って食べるか」

「やったのです!!」

そんな事を話しながら待っていたのだが、中々職員が来なかった。
なので、その後も何度かベルを鳴らして担当の職員を待っていたのだが、全く来る気配が無かった。
そんな様子に俺とエリーシアが困惑していると、アイミナが痺れをしてしまった。

「むぅ~、早く来るのです~!!」

そう叫びながらベルを連打したのだ。
すぐ俺とエリーシアで止めた。
だが、このベルはベルが本体で、ベルが押されると耳に付けている子機に音が流れるタイプの魔道具(魔術が付与されている道具)だ。
なので、どういうことかというとベルを押した回数だけ音が耳元で流れるわけだ。

そして、すぐに止めたとはいえ連打してしまったので、担当だろう20代くらいの女性の職員が奥からイライラとした様子で出てきた。
そして、その職員は受付に来て『本日は終了』という札を受付に叩きつける様にして俺達に向かって言った。

「本日の冒険者加入の業務は終了しました!!それと今はカイト君の倒した魔物を職員達で解体しているので、新人なら空気を読んで邪魔しないで貰えますか!?」

そう言って女性の職員はベルを持って走って奥に戻っていた。
俺はそんな職員の様子を見て「態度悪過ぎないか?」と思いながらも口には出さずにおいた。
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