血の魔法使いは仲間を求める

ロシキ

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2章 第1部 到着と初依頼

39話 商人協会へ

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女性の職員に酷い対応されてから、周りの目も厳しくなり、流石にこのままここに居るのは得策じゃないと思いながらも、一応魔物の素材買取カウンターに移動して、冒険者証が無くとも買取りはしてくれるのかを質問した。

質問の答えは「後ろが詰まってるから早く退いてくれ」というなんとも分かりやすい答えだった。
なので、「これは駄目だな」と思いながら冒険者協会の外に出た。

冒険者協会の外に出てから、2人に話しかけた。

「冒険者は実力主義って聞いたけど、なんか仲良しこよしをしてそうだな。職員に拒否されてから、他の冒険者とか職員の態度が明らかに変わったし」

「ですね。最初の職員の態度も悪かったですし、正直に言えば冒険者協会のイメージが悪くなりましたね」

「あぅ~、ごめんなさいなのです」

冒険者協会を出てからアイミナがずっとしょんぼりとしていたので、なんでしょんぼりしているのかと思っていたがそういうことか。

「大丈夫だよ、アイミナ。あの職員の対応を見るに多分待ってても同じ様な対応をされただろうからね。本当なら、あんまり冒険者協会に嫌われたくないけど、今回は仕方ないさ」

「そうですよ、アイミナ。次に同じ様な失敗をしなければ良いのです。それにまだお金を手に入れる手段はありますしね」

「本当なのです?」

「「あぁ(えぇ)、本当だぞ(ですよ)」」

そう冒険者協会に魔物の素材の買取を拒否されても、一般の店舗に直接卸したり、商人協会に卸したりも出来る。
ただ冒険者協会はそういう専門なので様々な依頼があったり、依頼が来たときのストックとして買い取ったり、一般の店舗に卸すための物を用意したりする関係上、多少割高な報酬を貰えるが、他の所では本当の買取価格でしか買ってくれないだけだ。

そんな訳で俺達は商人協会にやってきた。
一般の店舗に卸すことも考えたが、ここに来たばかりの事を考えればどこかの協会に買取をしてもらった方が良い。

商人協会は冒険者協会のガヤガヤとした雰囲気はなく落ち着いた雰囲気だった。
まあ、商人協会に併設で作られている食事処で商談している商人達も居ることを考えれば当然だが。

そんな商人達にこちらをチラチラと見られながら、俺達は商人協会のカウンターに辿り着いた。
そして、俺達が商人協会のカウンターに辿り着いたと同時に、カウンターに座っていた受付嬢さんに話しかけられた。

「こんばんわ、商人協会にようこそ。ご要件はなんでしょうか?」

「はい、解体した魔物の買取をお願いしたいのですが、買取はしていただけるでしょうか?」

「はい、もちろん可能ですが冒険者協会で買取をして頂いた方が、高くなると思いますが、よろしいでしょうか?」

「はい、大丈夫です。ただ量がかなり多いいのですが、大丈夫でしょうか?」

俺がそういうと受付嬢さんは一瞬だけ、キョトンした顔をしたがすぐに笑顔に戻って言った。

「はい、もちろん大丈夫です。それでは買取素材をここに置いて頂けますか?」

そう言って受付嬢さんはカウンターの上に銀色のトレーを置いた。
それを見た俺達3人は微妙な顔をしてしまった。
それに受付嬢さんが首を傾げると、エリーシアが受付嬢さんに言った。

「申し訳ありませんが、このカウンターに置くとカウンターが壊れてしまうかもしれないのですが、大丈夫ですか?」

「カウンターが、ですか?いえ、失礼しました。それではこちらに置いて頂けますか?」

そう言って受付嬢さんはカウンターの奥から上下二段に分かれている人の腰くらいまでの高さの台車を持ってきた。
これなら大丈夫そうだと判断して、俺やアイミナ、エリーシアが魔の森で狩っていた魔物の解体済み素材を次々と出していった。

因みにだが、素材を出すのは『収納』の魔法では無く、以前俺が作った『収納袋』という魔道具で、これは見た目以上に物が入る魔道具だ。

この『収納袋』は現代で複製不可能な魔道具アーティファクトで本来ならば古代遺跡やダンジョンから時たま出てくるだけだった。
しかし、そこは魔法使いの俺が頑張って複製したのだ。
まあ、出来た事は誰にも話していないので、知っているのは俺とアイミナとエリーシアだけだがな。

そして、俺が作り出した『収納袋』は中身が公爵爵家の屋敷くらいの収納量なので未だに一杯までなったことは無い。
ただ何でもかんでも入れていると何を入れているか忘れてしまうし、『収納袋』の中では時間経過もするので、使えないという結論に至り殆どが空で俺の『収納』に仕舞っていたのを魔の森の拠点で思いだして引っ張り出してきたのだ。
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