53 / 69
2章 第1部 到着と初依頼
44話 依頼の種類
しおりを挟む
緊急指名依頼という言葉を聞いて冒険者と冒険者協会職員は目を見張った。
ここで簡単に冒険者協会の依頼の種類を挙げたいと思う。
依頼には、通常依頼、指名依頼、緊急依頼、緊急指名依頼、強制依頼の5つがある。
通常依頼は冒険者協会が受けた依頼をクラス別に分けて仕事をする冒険者を募る依頼だ。
指名依頼は冒険者協会に依頼した依頼者が、この冒険者に受けて欲しいという要望を出し、冒険者協会が依頼者の指名した冒険者にだけ教え、そして受けることが出来るか依頼だ。
緊急依頼は各協会と国や貴族のみが出すことが出来る依頼で、この依頼は街や国の存亡やそれに準ずる脅威が迫っている時くらいしか出されないが、この依頼はどこかの協会に属しているなら協力しなければならない。
緊急指名依頼は緊急依頼と殆ど同じ内容だが、受ける冒険者または協会組織の人間を指名している。
強制依頼は緊急依頼と緊急指名依頼と殆ど同じだが、これは前の2つと違って断ることが出来ない。
そして、ミーディアさんは緊急指名依頼と言った。
それはつまり、この街に危機が迫っているという事だ。
そんな事を聞かされれば、目を見張るのは仕方無いだろう。
ただ、今回の場合はミーディアさんの緊急指名依頼を俺達が受けられない、欠点が1つある。
それをミーディアさんに言おうとした所で、新人冒険者受付にいた受付嬢がミーディアさんに言った。
「き、緊急指名依頼ですか。本来ならば冒険者協会として、その緊急指名依頼を受理したのは山々ですが、今回の緊急指名依頼は受理できません」
「な!?なぜですか!!これは私だけではなく、商人協会の協会長も同意している依頼ですよ!!理由を言いなさい!!」
「あの3人はGランクスタートですので、強制指名依頼は愚か通常依頼ですから受けられませんよ」
新人冒険者受付の受付嬢がそう言って優越感に浸っている顔をした。
そう、Gランクは未熟な冒険者見習いという立場になるので、通常依頼ですら受けられない。
先輩冒険者に認められて、門でやった攻撃力試験と似た試験を行い、それに合格して初めて自分達だけで通常依頼を受けることが出来るようになるのだ。
しかし、それを聞いたミーディアさんは呆然としていた。
それもその筈だろう。
何せ、俺達は昨日商人協会に都市級の魔物の素材を持ち込んだのだから、新人冒険者でもFランクは確定している様な物で、Fランクからなら無理を通せば緊急指名依頼も受けることが出来る筈だったのだから。
しかし、現在は呆然としているがミーディアさんが先程まで叫んでいたのを見た事で、俺達3人はミーディアさんの焦りを感じ取って、戸惑っていた。
昨日話た感じだと、ミーディアさんはかなり場馴れしていて、かなりの事にならなければ取り乱さないだろうという認識を持っていたからだ。
そんなミーディアさんが取り乱しているのを見て、これはただことでは無いと思った俺はミーディアさんに言った。
「ミーディアさん。商人協会からの無介入依頼という形で、その緊急指名依頼を受けます。詳細を教えて下さい」
俺が口に出した無介入依頼とは、冒険者協会には無いが実は存在している依頼の種類だ。
無介入依頼とは文字の通り、冒険者協会が依頼内容に対して適正な報酬で、受ける冒険者でその依頼が達成出来るかや、報酬のスムーズな受け渡しを一切しない依頼だ。
この依頼の種類は不認知依頼とも言われて、この不認知依頼で起こった事の全ての責任は冒険者自身が負い、例え負傷したとしても冒険者協会は何もしてくれない。
中々にリスキーな依頼だが、その分冒険者協会に中抜けされる依頼量分が増えるし、依頼者の金銭的な負担も減るが、それ以外では双方に様々な問題を抱えてる依頼の種類だ。
その上、この不認知依頼は冒険者協会に介入されないので、ランクが関係なくどんな依頼でも受けるのも利点の一つだ。
ただ自分の力量を見誤れば速攻で死ぬ諸刃の剣のようなものでもある。
ここで簡単に冒険者協会の依頼の種類を挙げたいと思う。
依頼には、通常依頼、指名依頼、緊急依頼、緊急指名依頼、強制依頼の5つがある。
通常依頼は冒険者協会が受けた依頼をクラス別に分けて仕事をする冒険者を募る依頼だ。
指名依頼は冒険者協会に依頼した依頼者が、この冒険者に受けて欲しいという要望を出し、冒険者協会が依頼者の指名した冒険者にだけ教え、そして受けることが出来るか依頼だ。
緊急依頼は各協会と国や貴族のみが出すことが出来る依頼で、この依頼は街や国の存亡やそれに準ずる脅威が迫っている時くらいしか出されないが、この依頼はどこかの協会に属しているなら協力しなければならない。
緊急指名依頼は緊急依頼と殆ど同じ内容だが、受ける冒険者または協会組織の人間を指名している。
強制依頼は緊急依頼と緊急指名依頼と殆ど同じだが、これは前の2つと違って断ることが出来ない。
そして、ミーディアさんは緊急指名依頼と言った。
それはつまり、この街に危機が迫っているという事だ。
そんな事を聞かされれば、目を見張るのは仕方無いだろう。
ただ、今回の場合はミーディアさんの緊急指名依頼を俺達が受けられない、欠点が1つある。
それをミーディアさんに言おうとした所で、新人冒険者受付にいた受付嬢がミーディアさんに言った。
「き、緊急指名依頼ですか。本来ならば冒険者協会として、その緊急指名依頼を受理したのは山々ですが、今回の緊急指名依頼は受理できません」
「な!?なぜですか!!これは私だけではなく、商人協会の協会長も同意している依頼ですよ!!理由を言いなさい!!」
「あの3人はGランクスタートですので、強制指名依頼は愚か通常依頼ですから受けられませんよ」
新人冒険者受付の受付嬢がそう言って優越感に浸っている顔をした。
そう、Gランクは未熟な冒険者見習いという立場になるので、通常依頼ですら受けられない。
先輩冒険者に認められて、門でやった攻撃力試験と似た試験を行い、それに合格して初めて自分達だけで通常依頼を受けることが出来るようになるのだ。
しかし、それを聞いたミーディアさんは呆然としていた。
それもその筈だろう。
何せ、俺達は昨日商人協会に都市級の魔物の素材を持ち込んだのだから、新人冒険者でもFランクは確定している様な物で、Fランクからなら無理を通せば緊急指名依頼も受けることが出来る筈だったのだから。
しかし、現在は呆然としているがミーディアさんが先程まで叫んでいたのを見た事で、俺達3人はミーディアさんの焦りを感じ取って、戸惑っていた。
昨日話た感じだと、ミーディアさんはかなり場馴れしていて、かなりの事にならなければ取り乱さないだろうという認識を持っていたからだ。
そんなミーディアさんが取り乱しているのを見て、これはただことでは無いと思った俺はミーディアさんに言った。
「ミーディアさん。商人協会からの無介入依頼という形で、その緊急指名依頼を受けます。詳細を教えて下さい」
俺が口に出した無介入依頼とは、冒険者協会には無いが実は存在している依頼の種類だ。
無介入依頼とは文字の通り、冒険者協会が依頼内容に対して適正な報酬で、受ける冒険者でその依頼が達成出来るかや、報酬のスムーズな受け渡しを一切しない依頼だ。
この依頼の種類は不認知依頼とも言われて、この不認知依頼で起こった事の全ての責任は冒険者自身が負い、例え負傷したとしても冒険者協会は何もしてくれない。
中々にリスキーな依頼だが、その分冒険者協会に中抜けされる依頼量分が増えるし、依頼者の金銭的な負担も減るが、それ以外では双方に様々な問題を抱えてる依頼の種類だ。
その上、この不認知依頼は冒険者協会に介入されないので、ランクが関係なくどんな依頼でも受けるのも利点の一つだ。
ただ自分の力量を見誤れば速攻で死ぬ諸刃の剣のようなものでもある。
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない
しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる