60 / 69
2章 第1部 到着と初依頼
49話 VS『アサシンモンキー』
しおりを挟む
背に腹は代えられないので、俺が全員に『飛翔』を掛けて飛ぶことおよそ30分ほどで少し開けている場所が見えた。
そこには数え切れない程に多数の人の倍程の背丈がある茶色い単独級の魔物である猿の『暴れ猿』という最初に発見した人が魔物だと気が付かなかったから付いた名前の魔物と、その猿達よりも一回り大きい黒い猿である『アサシンモンキー』が居た。
その場所を素早く『鷹の目』で確認してから、2人に言った。
「見つけた!!あそこだ!!他の魔物も大勢居るが、ここからは『飛翔』を切って突っ込むぞ!!互いのフォローは最低限に、使う魔法は任せる!!最速で『アサシンモンキー』を倒して逃げるぞ!!」
「「分かったのです(りました)!!」」
俺はそう指示を出してから、2人が返事をしたのを確認し、『飛翔』を切った。
それから地面に落下が始まったが、俺はそれを気にせずにすぐに小さいために魔物相手には使えないナイフを懐から取り出して
両手を軽く斬りつけた。
「『増血』『操血』『収納』『形血』」
手から血が出たのを確認してから、何時も通りの過程に『収納』から街で買った剣を取り出す工程を入れた物で血剣を作った。
俺はその血剣で一回り大きい猿を直接攻撃しようとしたが、周りの猿が一回り大きい猿の変わりに攻撃を受けて邪魔をしてきた。
それに俺が舌打ちをするのと同時に、アイミナが体の一部を変化させて『風爪』で、エリーシアは剣に風を纏わせて『アサシンモンキー』に攻撃を仕掛けた。
それも周りにいた猿が受けて攻撃が邪魔され、逆に攻撃を受けられて隙が出来た2人に『アサシンモンキー』が近くに置いてあった岩を投げてきた。
流石にこれは不味いと悟った俺は2人を『飛翔』で急いで引き寄せてから物理結界で守った。
それからすぐに、『ガキン!!』という結界と岩がぶつかる音が周囲に鳴り響いた。
それからすぐに『魔散』を掛けようとしたが、岩には魔法が掛かっていない事に気が付いた。
それをラッキーだと思い、使用するつもりの無かった魔法を使用した。
「『加重』!!」
俺がかなりの魔力ーといっても全体の1割ほどの魔力ーを使用して発動させた『加重』は『暴れ猿』を地面に縫い付け、半分以上はそのまま死亡、残りもある程度のダメージを負ったのか暴れることすらしなかった。
しかし、『アサシンモンキー』は岩を投げた直後なのに地面に両手を付けて倒れないように踏ん張っていた。
そもそも俺が『加重』を使わない判断をしたのは、都市級に分類されるだろう魔物には足止め程度でしか使えないし、逆にこちらの不利になる場合があるからだ。
その上、もしも『アサシンモンキー』が一部とはいえ『加重』を上回る出力の『身体強化』をされて岩を投げられたら、こちらに逃げ場が無いのも要因になっている。
しかし、今回は2人が危なかったのもあるが、2人に攻撃するために『アサシンモンキー』が体勢を崩してくれたから使えた。
とにかく、『アサシンモンキー』の動きを封じたので後は『アサシンモンキー』が起き上がってくる可能性があるので、その時間与えないためにも、時間さえかけなければ煮るなり焼くなり自由に出来る。
俺はそう思って2人に聞いた。
「2人共、あいつどうやって倒す?一応俺から少し離れたら『加重』の範囲に入っちゃうから、あんまり離れられないけど」
俺がそういうとアイミナは元気に答えた。
「はい!!ボスと一緒に近付いて首を折るのが良いと思うのです!!」
「首を?でも折るよりは、切ったほうが確実だし楽じゃないか?それに折るほどに近づけば流石に『加重』の効果が外れるから却下だな」
「あ、そうだったのです」
「それならエリーシアはどう倒す?一応魔法も『加重』に邪魔されるからある程度は近付くのは決まってるけどね」
俺がそう言っても、エリーシアからの返答が無かった。
その為にエリーシアの方を向くと何かを考え込んでいるようだった。
そして、暫くそのまま悩んでいたエリーシアは俺に顔を向けながら言った。
「ストレンス殿。あの『アサシンモンキー』ですが、少し弱すぎませんか?」
そこには数え切れない程に多数の人の倍程の背丈がある茶色い単独級の魔物である猿の『暴れ猿』という最初に発見した人が魔物だと気が付かなかったから付いた名前の魔物と、その猿達よりも一回り大きい黒い猿である『アサシンモンキー』が居た。
その場所を素早く『鷹の目』で確認してから、2人に言った。
「見つけた!!あそこだ!!他の魔物も大勢居るが、ここからは『飛翔』を切って突っ込むぞ!!互いのフォローは最低限に、使う魔法は任せる!!最速で『アサシンモンキー』を倒して逃げるぞ!!」
「「分かったのです(りました)!!」」
俺はそう指示を出してから、2人が返事をしたのを確認し、『飛翔』を切った。
それから地面に落下が始まったが、俺はそれを気にせずにすぐに小さいために魔物相手には使えないナイフを懐から取り出して
両手を軽く斬りつけた。
「『増血』『操血』『収納』『形血』」
手から血が出たのを確認してから、何時も通りの過程に『収納』から街で買った剣を取り出す工程を入れた物で血剣を作った。
俺はその血剣で一回り大きい猿を直接攻撃しようとしたが、周りの猿が一回り大きい猿の変わりに攻撃を受けて邪魔をしてきた。
それに俺が舌打ちをするのと同時に、アイミナが体の一部を変化させて『風爪』で、エリーシアは剣に風を纏わせて『アサシンモンキー』に攻撃を仕掛けた。
それも周りにいた猿が受けて攻撃が邪魔され、逆に攻撃を受けられて隙が出来た2人に『アサシンモンキー』が近くに置いてあった岩を投げてきた。
流石にこれは不味いと悟った俺は2人を『飛翔』で急いで引き寄せてから物理結界で守った。
それからすぐに、『ガキン!!』という結界と岩がぶつかる音が周囲に鳴り響いた。
それからすぐに『魔散』を掛けようとしたが、岩には魔法が掛かっていない事に気が付いた。
それをラッキーだと思い、使用するつもりの無かった魔法を使用した。
「『加重』!!」
俺がかなりの魔力ーといっても全体の1割ほどの魔力ーを使用して発動させた『加重』は『暴れ猿』を地面に縫い付け、半分以上はそのまま死亡、残りもある程度のダメージを負ったのか暴れることすらしなかった。
しかし、『アサシンモンキー』は岩を投げた直後なのに地面に両手を付けて倒れないように踏ん張っていた。
そもそも俺が『加重』を使わない判断をしたのは、都市級に分類されるだろう魔物には足止め程度でしか使えないし、逆にこちらの不利になる場合があるからだ。
その上、もしも『アサシンモンキー』が一部とはいえ『加重』を上回る出力の『身体強化』をされて岩を投げられたら、こちらに逃げ場が無いのも要因になっている。
しかし、今回は2人が危なかったのもあるが、2人に攻撃するために『アサシンモンキー』が体勢を崩してくれたから使えた。
とにかく、『アサシンモンキー』の動きを封じたので後は『アサシンモンキー』が起き上がってくる可能性があるので、その時間与えないためにも、時間さえかけなければ煮るなり焼くなり自由に出来る。
俺はそう思って2人に聞いた。
「2人共、あいつどうやって倒す?一応俺から少し離れたら『加重』の範囲に入っちゃうから、あんまり離れられないけど」
俺がそういうとアイミナは元気に答えた。
「はい!!ボスと一緒に近付いて首を折るのが良いと思うのです!!」
「首を?でも折るよりは、切ったほうが確実だし楽じゃないか?それに折るほどに近づけば流石に『加重』の効果が外れるから却下だな」
「あ、そうだったのです」
「それならエリーシアはどう倒す?一応魔法も『加重』に邪魔されるからある程度は近付くのは決まってるけどね」
俺がそう言っても、エリーシアからの返答が無かった。
その為にエリーシアの方を向くと何かを考え込んでいるようだった。
そして、暫くそのまま悩んでいたエリーシアは俺に顔を向けながら言った。
「ストレンス殿。あの『アサシンモンキー』ですが、少し弱すぎませんか?」
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない
しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる