61 / 69
2章 第1部 到着と初依頼
50話 VS『アサシンモンキー』の群れ
しおりを挟む
「ストレンス殿。あの『アサシンモンキー』ですが、少し弱すぎませんか?」
そう言ったエリーシアに俺とアイミナは動きを止めた。
確かに、目の前に倒れているのは『アサシンモンキー』だ。
しかし、目の前の『アサシンモンキー』は周りに居た取り巻きが邪魔をしていた為に、強く感じたが本体の強さ自体は都市級の中でも中の上くらいに分類されるだろう。
それにあの『アサシンモンキー』は俺達に岩を投げてきた時に岩に風を纏わせず、通常の『アサシンモンキー』と同じ様に『身体強化』しなかった。
それつまりー、
「っ!!ボス!!」
「なんだー」
俺の思考の途中でアイミナが叫び、それに反応して振り返ると目の前に大きな何かが迫ってきていた。
本来ならば魔法で防御するのだが、対象があまりにも近すぎた為に俺は反応が出来なかった。
そんな俺を何かは的確に捉えて、俺の体の右側の外を向いていた手や足に凄まじい衝撃を受けて、俺は吹き飛ばされた。
その勢いはあまりにも凄く、何十本もの木を俺の体でへし折ってやっと止まるほどだった。
一応戦闘中は『身体強化』を出来るだけ使うようにしていたが、それが無ければ即死。
さっきは使って居たものの、声は血が含まれている咳しか出ないし、痛みで全身が痛いし、何かにぶつかられた右手と右足は完全に変な方向に曲がっているし、体内で折れた骨の一部が刺さったのか体の所々から血が地面に流れ出している。
かなりの痛みになかなか集中出来ず、少しだけ手間取ったがなんとか『痛覚鈍化』を自分にかけて、更に自分の中の血を『操血』で無理矢理操って立ち上がった。
立ち上がった際に、意識が飛びそうな程の痛みが走り、『痛覚鈍化』『操血』の両方が解けかけたが、そこは意地で魔法を維持し、このまま戻るのは無理だと判断して、自分に『欠損回復』と『回復』を掛けた。
それ相応の魔力(魔力総量の1割)を使い、なんとか元通りにしたが、俺が使う『回復』系の魔法は普通の魔法使いが使う『回復』系の魔法とは違い、万能では無いので体の中はボロボロだ。
あんまり激しく動くと再び傷が開いて、治った骨なんかも再び折れるだろう。
それでも国家級に分類される程の魔物相手に魔法使い2人では厳しいのだから、いかないと。
「ウキキ!!」
その声が聞こえてきた時に、俺は無意識に全方位に『針血』を使用した。
そして、それは正解だったのだと理解できた。
それは俺の周りから猿の叫び声が聞こえてきたからだ。
「狙われてたのにも気が付けて居なかったか。相手は『緑』の『アサシンモンキー』だけじゃなく、『暴れ猿』も居るんだ。しっかりしろ」
そう自分に言い聞かせながら歩こうとすると、後ろから魔力の反応を感知した。
通常の自然界では魔力の反応なんて無いので、これは魔物からの攻撃だろうというが見当は付いたが、今からだと魔法を発動出来ても一回だけ。
なので、俺は魔力消費を無視して『転移』を発動させ、斜め上に飛んだ。
その直後に俺が居た場所に岩が飛んできた。
しかも、上からではなく俺の周囲に展開していた『針血』を突き破るようにして岩を飛ばしてきたので、『転移』を使用しなければ危なかっただろう。
俺はそれを理解すると、すぐさま岩を飛ばした犯人を探した。
すると、『暴れ猿』の中に一体だけ真っ黒い体をしている個体を見つけた。
それを見つけると、俺は俺達が一番最初に倒した『アサシンモンキー』が弱かった理由にも見当がついてしまった。
恐らく、『緑』の『アサシンモンキー』は他の『アサシンモンキー』を従えているのだろう。
魔物は群れを作る魔物以外は群れにはならないが、魔物にある一定以上に知性と強さがある時は群れになる時があるので、今回はそれだろう。
しかも、俺が吹っ飛ばされてからそこまで時間は経っていないので、俺達が最初から相手取っていた『アサシンモンキー』とこの『アサシンモンキー』は別だと考えられる。
要するに今回は『緑』の『アサシンモンキー』だけが相手では無くなった訳だ。
それを理解した俺は地上で俺の死体を探しているのか、俺が解除した『針血』の中心ウロウロしている『暴れ猿』や『アサシンモンキー』を見ながら、苦い顔をした。
そう言ったエリーシアに俺とアイミナは動きを止めた。
確かに、目の前に倒れているのは『アサシンモンキー』だ。
しかし、目の前の『アサシンモンキー』は周りに居た取り巻きが邪魔をしていた為に、強く感じたが本体の強さ自体は都市級の中でも中の上くらいに分類されるだろう。
それにあの『アサシンモンキー』は俺達に岩を投げてきた時に岩に風を纏わせず、通常の『アサシンモンキー』と同じ様に『身体強化』しなかった。
それつまりー、
「っ!!ボス!!」
「なんだー」
俺の思考の途中でアイミナが叫び、それに反応して振り返ると目の前に大きな何かが迫ってきていた。
本来ならば魔法で防御するのだが、対象があまりにも近すぎた為に俺は反応が出来なかった。
そんな俺を何かは的確に捉えて、俺の体の右側の外を向いていた手や足に凄まじい衝撃を受けて、俺は吹き飛ばされた。
その勢いはあまりにも凄く、何十本もの木を俺の体でへし折ってやっと止まるほどだった。
一応戦闘中は『身体強化』を出来るだけ使うようにしていたが、それが無ければ即死。
さっきは使って居たものの、声は血が含まれている咳しか出ないし、痛みで全身が痛いし、何かにぶつかられた右手と右足は完全に変な方向に曲がっているし、体内で折れた骨の一部が刺さったのか体の所々から血が地面に流れ出している。
かなりの痛みになかなか集中出来ず、少しだけ手間取ったがなんとか『痛覚鈍化』を自分にかけて、更に自分の中の血を『操血』で無理矢理操って立ち上がった。
立ち上がった際に、意識が飛びそうな程の痛みが走り、『痛覚鈍化』『操血』の両方が解けかけたが、そこは意地で魔法を維持し、このまま戻るのは無理だと判断して、自分に『欠損回復』と『回復』を掛けた。
それ相応の魔力(魔力総量の1割)を使い、なんとか元通りにしたが、俺が使う『回復』系の魔法は普通の魔法使いが使う『回復』系の魔法とは違い、万能では無いので体の中はボロボロだ。
あんまり激しく動くと再び傷が開いて、治った骨なんかも再び折れるだろう。
それでも国家級に分類される程の魔物相手に魔法使い2人では厳しいのだから、いかないと。
「ウキキ!!」
その声が聞こえてきた時に、俺は無意識に全方位に『針血』を使用した。
そして、それは正解だったのだと理解できた。
それは俺の周りから猿の叫び声が聞こえてきたからだ。
「狙われてたのにも気が付けて居なかったか。相手は『緑』の『アサシンモンキー』だけじゃなく、『暴れ猿』も居るんだ。しっかりしろ」
そう自分に言い聞かせながら歩こうとすると、後ろから魔力の反応を感知した。
通常の自然界では魔力の反応なんて無いので、これは魔物からの攻撃だろうというが見当は付いたが、今からだと魔法を発動出来ても一回だけ。
なので、俺は魔力消費を無視して『転移』を発動させ、斜め上に飛んだ。
その直後に俺が居た場所に岩が飛んできた。
しかも、上からではなく俺の周囲に展開していた『針血』を突き破るようにして岩を飛ばしてきたので、『転移』を使用しなければ危なかっただろう。
俺はそれを理解すると、すぐさま岩を飛ばした犯人を探した。
すると、『暴れ猿』の中に一体だけ真っ黒い体をしている個体を見つけた。
それを見つけると、俺は俺達が一番最初に倒した『アサシンモンキー』が弱かった理由にも見当がついてしまった。
恐らく、『緑』の『アサシンモンキー』は他の『アサシンモンキー』を従えているのだろう。
魔物は群れを作る魔物以外は群れにはならないが、魔物にある一定以上に知性と強さがある時は群れになる時があるので、今回はそれだろう。
しかも、俺が吹っ飛ばされてからそこまで時間は経っていないので、俺達が最初から相手取っていた『アサシンモンキー』とこの『アサシンモンキー』は別だと考えられる。
要するに今回は『緑』の『アサシンモンキー』だけが相手では無くなった訳だ。
それを理解した俺は地上で俺の死体を探しているのか、俺が解除した『針血』の中心ウロウロしている『暴れ猿』や『アサシンモンキー』を見ながら、苦い顔をした。
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない
しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる