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2章 第1部 到着と初依頼
50.5話 幸運とエリーシアの魔法(エリーシア視点)
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◇エリーシア視点
(不味い!!非常に不味いです!!)
私はストレンス殿が吹き飛ばされてから現れた、いえ正確に言えば確認出来た目の前の『アサシンモンキー』に冷や汗が止まらなかった。
それは目の前の『アサシンモンキー』が国家級に分類される程の強さを持っていると、分かってしまったから。
そもそも『アサシンモンキー』は投げるということに特化している魔物なので、体はしっかりとしていますが素の身体能力はよく鍛え抜かれた騎士と同じ程度だと言うことが、学者達の研究によって判明している。
その為、騎士は例え『身体強化』をしても魔物の動きを見失わないように動体視力も鍛えるようにしている。
なので、『アサシンモンキー』くらいの『身体強化』ならば見失う、正確に言えば動きを目で捉えられないなんて事は私も、そしてストレンス殿もあり得ない、あってはならないはずだった。
何せ相手の動きが見えないという事は直感等の反応以外は許されないということ。
そんな状態で魔物と戦闘するなど自殺行為。
その為に私が冷や汗をかいていると、『アサシンモンキー』は私とアイミナを嘲笑うような顔をした。
それを見て、この『アサシンモンキー』は私達の正確な実力を把握していて、ストレンス殿が一番強いと分かっていたから、ストレンス殿を最初に狙ったのだと理解できた。
そして、幸運な事にそれならば私が魔法を発動させようとも、最初の魔法は見逃される可能性が高い。
私にはストレンス殿に魔法使いにして貰い得た、得意な魔法がある。
その魔法を発動させることが出来さえすれば、『アサシンモンキー』に対抗することも難しくはない。
私は『アサシンモンキー』がこちらを侮っている内に魔法を発動させた。
「『特殊身体強化』」
『特殊身体強化』とは『身体強化』の延長線上にある物で、本来ならば戦闘に関わる筋力や脚力しか強化しない筈の部分の強化のみを行う魔法である。
簡単に説明すれば動体視力や反射能力等と言った戦闘では重要であるのに、強化されなかった部分を補う魔法ということ。
ストレンス殿にこの魔法を見せたときは、驚いて固まり、「なるほど、こんな魔法もあるのか」と興味深そうに魔法の効果を私に質問された。
まあ、魔法使いの得意な魔法を調べて、それを纏めている魔術師協会にも『特殊身体強化』の記述は無かったので、珍しいだろう。
今回私が強化したのは動体視力で、魔法により私の動体視力は10倍になっている。
そして、私の動体視力が10倍になったと同時に『アサシンモンキー』が私に攻撃してきましたが、それをなんとか剣を抜き弾きながら、アイミナに言った。
「アイミナ!!ここに居る魔物は私が食い止めます!!貴方はストレンス殿を!!」
「そんな!!私も残るのです!!2人でやれば、きっとー」
「早く行って下さい!!私の魔法は私もコントロールしきれません!!アイミナを巻き込みたくはない!!」
私のその言葉に更に反論しようとしたアイミナは、そのタイミングで再び襲ってきた『アサシンモンキー』の攻撃をギリギリで弾いた私を見て、私に背を向けてストレンス殿が飛ばされた方に走り出した。
「すぐにボスを見つけて戻ってくるのです!!だから、怪我をしたら許さないのですからね!!」
私はその言葉に頬を緩めながら呟いた。
「元から死ぬつもりはありませんでしたが、怪我をするなとは。アイミナも無理を言いますね。
ですが、これでも私はストレンス殿とアイミナの仲間になることを望む者。それならば、2人の信頼を勝ち取るために極力無傷で切り抜けねばなりませんね。
『身体能力』倍率20倍」
私は自身が発動させた魔法で全身が軋む音を聞きながら、『アサシンモンキー』達に剣を向けた。
「ここからは私の独壇場とさせて貰いましょう。もう私に、私達に傷をつけられると思わないことです」
(不味い!!非常に不味いです!!)
私はストレンス殿が吹き飛ばされてから現れた、いえ正確に言えば確認出来た目の前の『アサシンモンキー』に冷や汗が止まらなかった。
それは目の前の『アサシンモンキー』が国家級に分類される程の強さを持っていると、分かってしまったから。
そもそも『アサシンモンキー』は投げるということに特化している魔物なので、体はしっかりとしていますが素の身体能力はよく鍛え抜かれた騎士と同じ程度だと言うことが、学者達の研究によって判明している。
その為、騎士は例え『身体強化』をしても魔物の動きを見失わないように動体視力も鍛えるようにしている。
なので、『アサシンモンキー』くらいの『身体強化』ならば見失う、正確に言えば動きを目で捉えられないなんて事は私も、そしてストレンス殿もあり得ない、あってはならないはずだった。
何せ相手の動きが見えないという事は直感等の反応以外は許されないということ。
そんな状態で魔物と戦闘するなど自殺行為。
その為に私が冷や汗をかいていると、『アサシンモンキー』は私とアイミナを嘲笑うような顔をした。
それを見て、この『アサシンモンキー』は私達の正確な実力を把握していて、ストレンス殿が一番強いと分かっていたから、ストレンス殿を最初に狙ったのだと理解できた。
そして、幸運な事にそれならば私が魔法を発動させようとも、最初の魔法は見逃される可能性が高い。
私にはストレンス殿に魔法使いにして貰い得た、得意な魔法がある。
その魔法を発動させることが出来さえすれば、『アサシンモンキー』に対抗することも難しくはない。
私は『アサシンモンキー』がこちらを侮っている内に魔法を発動させた。
「『特殊身体強化』」
『特殊身体強化』とは『身体強化』の延長線上にある物で、本来ならば戦闘に関わる筋力や脚力しか強化しない筈の部分の強化のみを行う魔法である。
簡単に説明すれば動体視力や反射能力等と言った戦闘では重要であるのに、強化されなかった部分を補う魔法ということ。
ストレンス殿にこの魔法を見せたときは、驚いて固まり、「なるほど、こんな魔法もあるのか」と興味深そうに魔法の効果を私に質問された。
まあ、魔法使いの得意な魔法を調べて、それを纏めている魔術師協会にも『特殊身体強化』の記述は無かったので、珍しいだろう。
今回私が強化したのは動体視力で、魔法により私の動体視力は10倍になっている。
そして、私の動体視力が10倍になったと同時に『アサシンモンキー』が私に攻撃してきましたが、それをなんとか剣を抜き弾きながら、アイミナに言った。
「アイミナ!!ここに居る魔物は私が食い止めます!!貴方はストレンス殿を!!」
「そんな!!私も残るのです!!2人でやれば、きっとー」
「早く行って下さい!!私の魔法は私もコントロールしきれません!!アイミナを巻き込みたくはない!!」
私のその言葉に更に反論しようとしたアイミナは、そのタイミングで再び襲ってきた『アサシンモンキー』の攻撃をギリギリで弾いた私を見て、私に背を向けてストレンス殿が飛ばされた方に走り出した。
「すぐにボスを見つけて戻ってくるのです!!だから、怪我をしたら許さないのですからね!!」
私はその言葉に頬を緩めながら呟いた。
「元から死ぬつもりはありませんでしたが、怪我をするなとは。アイミナも無理を言いますね。
ですが、これでも私はストレンス殿とアイミナの仲間になることを望む者。それならば、2人の信頼を勝ち取るために極力無傷で切り抜けねばなりませんね。
『身体能力』倍率20倍」
私は自身が発動させた魔法で全身が軋む音を聞きながら、『アサシンモンキー』達に剣を向けた。
「ここからは私の独壇場とさせて貰いましょう。もう私に、私達に傷をつけられると思わないことです」
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