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2章 第1部 到着と初依頼
56話 有り難い行動
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「ぐっ、それなら今からでも他の国にー」
「ストレンスさん。その前にこちらを」
そう言って、レイアさんは俺に手紙を3枚渡してきた。
「これは?」
「魔術師協会、商人協会、冒険者協会からの強制召喚取り消し要求書と取り消されなかった時の為の強制召喚の場にそれぞれの協会の協会支部支部長並びに同行人が同席する事を要求する旨が書かれている物です」
俺はその言葉に驚いた。
そもそも協会はかなりの数があるが、それはある一国の中だけだったりする協会もある。
しかし、そんな協会の中でも国を超えて多数の国に存在している協会もある。
そんな多数の国に存在している協会の中でも魔術師協会、商人協会、冒険者協会は特に強い権力を持っている。
流石に貴族や王族相手に命令は出来ないが、お願いという形にして重要な要求は断らせなくすることも出来るくらいだ。
まあ魔術師協会、商人協会、冒険者協会は無くてはならない協会だから、そうなるのも必然と言える。
しかし、それほどの権力があるために協会も下手な事は要求出来ない。
それこそ一個人の事に対しての要求なんて、出来ない無いにも等しい。
それを覆しているのだが、驚くのも無理はないだろう。
俺は驚いていると、レイアさんが話を続けた。
「ストレンスさん。お二人が強制召喚され、騎士に王都へと連れて行かれたのが2日前です。
そして、この街から王都までは通常のスピードで1ヶ月。魔術師が上手く魔術を公使して2週間掛ります。しかし、強制召喚された為に今回は『転移玉』が使われました。そのためにお二人は既に王都にいらっしゃることでしょう。
ですが、王都にある支部の協会長達が後1日、つまり明日までは時間を稼いでくれる手筈になっています。そして、明日中に王都へと到着出来れば協会支部長の同行人として強制召喚の場に入り込むことが出来るように手配しています
3日ぶりに目覚めたストレンスさんには辛いかもしれませんが、今から行動すればストレンスさんならば王都に明日にはつけるでしょう。どうしますか?」
レイアさんからそう聞かれたが、答えはすでに決まっていた。
「無論、行きます。ですが、何故協会は私達にここまでしてくれるのですか?」
「それはひとえにストレンスさんを守りたいからですよ」
俺がその言葉に『信じれるわけ無いだろう』という言葉をレイアさんに目で伝えた。
すると、レイアさんは一度肩を竦めてから答えた。
「ストレンスさんを守りたいのは本当ですよ。ただ元々魔法使いでは無かったエリーシアさんや、突如として現れた魔法使いであるアイミナさんの事を知りたくなったというのもあります。
ですが、魔術師協会、商人協会、冒険者協会はこれまで魔物討伐やその素材の販売、研究等で、ストレンスさんに随分とお世話になりましたからね。それらの恩返しも含まれていると思ってください」
「つまり、今後も良いお付き合いをしたいですし、研究とかも参加してほしいので、助ける代わりに良いお付き合いをして研究にも参加して、ということでいいでしょうか?」
俺がそう言うと、レイアさんは苦笑いをしながら言った。
「まあ、身も蓋もなく言えば、そうですね」
「それくらいなら構いません。ただ私の看病をして下さっていた方が居たので、少し気が引けるのですが、今すぐに出発してもいいですか?」
「ええ、もちろんです。あぁ、それとストレンスさんにこちらを」
レイアさんがそう言いながら、俺に緑色のマントを渡してきた。
マントは暗い色ではなく明るい色で、マントを止めるボタンは首元に一箇所のみだが、そのボタンの部分が風をイメージ出来る様なボタンになっていた。
更に、受け取ってから分かったが、そのマントはかなりの魔力が宿っていて、魔導具であることは簡単に理解できた。
「これは?」
「それはエリーシアさんに頼まれて、商人協会と協力して大急ぎで作った、『緑』の『アサシンモンキー』の皮膚から作ったマントです。すでに分かっていると思いますが、そのマントは風系統の魔法全般と『身体強化』の効力を上げてくれる魔導具です。
それと商人協会の副協会長と冒険者協会の協会長からの伝言です。『緊急指名依頼の報酬は正式な冒険者証が発行できていないので、商人協会の商人証に振り込んでおきました。ですが、緊急指名依頼のお礼を言いたいので、戻ってきてから会いに来てください』だそうです。
その時には、また私にも顔を見せに来てください」
「戻ってきてから、はい、分かりました。何から何まで、ありがとうございます」
俺は『戻ってきてから』という言葉に『このまま消えることは許さないから、犯罪等は犯さずに堂々と会いに来て欲しい』という意味を感じ取った。
その事に対して、レイアさんにお礼を言ってから急いで準備してから魔術師協会を飛び出して、街を出てから王都へと『飛翔』を使用して全力で移動を開始した。
END:1部
※事情により、一旦完結と致します。
現状は再び投稿を再開する予定はありません。
感想にて望む声があれば、再開するかもしれませんがご了承ください。
「ストレンスさん。その前にこちらを」
そう言って、レイアさんは俺に手紙を3枚渡してきた。
「これは?」
「魔術師協会、商人協会、冒険者協会からの強制召喚取り消し要求書と取り消されなかった時の為の強制召喚の場にそれぞれの協会の協会支部支部長並びに同行人が同席する事を要求する旨が書かれている物です」
俺はその言葉に驚いた。
そもそも協会はかなりの数があるが、それはある一国の中だけだったりする協会もある。
しかし、そんな協会の中でも国を超えて多数の国に存在している協会もある。
そんな多数の国に存在している協会の中でも魔術師協会、商人協会、冒険者協会は特に強い権力を持っている。
流石に貴族や王族相手に命令は出来ないが、お願いという形にして重要な要求は断らせなくすることも出来るくらいだ。
まあ魔術師協会、商人協会、冒険者協会は無くてはならない協会だから、そうなるのも必然と言える。
しかし、それほどの権力があるために協会も下手な事は要求出来ない。
それこそ一個人の事に対しての要求なんて、出来ない無いにも等しい。
それを覆しているのだが、驚くのも無理はないだろう。
俺は驚いていると、レイアさんが話を続けた。
「ストレンスさん。お二人が強制召喚され、騎士に王都へと連れて行かれたのが2日前です。
そして、この街から王都までは通常のスピードで1ヶ月。魔術師が上手く魔術を公使して2週間掛ります。しかし、強制召喚された為に今回は『転移玉』が使われました。そのためにお二人は既に王都にいらっしゃることでしょう。
ですが、王都にある支部の協会長達が後1日、つまり明日までは時間を稼いでくれる手筈になっています。そして、明日中に王都へと到着出来れば協会支部長の同行人として強制召喚の場に入り込むことが出来るように手配しています
3日ぶりに目覚めたストレンスさんには辛いかもしれませんが、今から行動すればストレンスさんならば王都に明日にはつけるでしょう。どうしますか?」
レイアさんからそう聞かれたが、答えはすでに決まっていた。
「無論、行きます。ですが、何故協会は私達にここまでしてくれるのですか?」
「それはひとえにストレンスさんを守りたいからですよ」
俺がその言葉に『信じれるわけ無いだろう』という言葉をレイアさんに目で伝えた。
すると、レイアさんは一度肩を竦めてから答えた。
「ストレンスさんを守りたいのは本当ですよ。ただ元々魔法使いでは無かったエリーシアさんや、突如として現れた魔法使いであるアイミナさんの事を知りたくなったというのもあります。
ですが、魔術師協会、商人協会、冒険者協会はこれまで魔物討伐やその素材の販売、研究等で、ストレンスさんに随分とお世話になりましたからね。それらの恩返しも含まれていると思ってください」
「つまり、今後も良いお付き合いをしたいですし、研究とかも参加してほしいので、助ける代わりに良いお付き合いをして研究にも参加して、ということでいいでしょうか?」
俺がそう言うと、レイアさんは苦笑いをしながら言った。
「まあ、身も蓋もなく言えば、そうですね」
「それくらいなら構いません。ただ私の看病をして下さっていた方が居たので、少し気が引けるのですが、今すぐに出発してもいいですか?」
「ええ、もちろんです。あぁ、それとストレンスさんにこちらを」
レイアさんがそう言いながら、俺に緑色のマントを渡してきた。
マントは暗い色ではなく明るい色で、マントを止めるボタンは首元に一箇所のみだが、そのボタンの部分が風をイメージ出来る様なボタンになっていた。
更に、受け取ってから分かったが、そのマントはかなりの魔力が宿っていて、魔導具であることは簡単に理解できた。
「これは?」
「それはエリーシアさんに頼まれて、商人協会と協力して大急ぎで作った、『緑』の『アサシンモンキー』の皮膚から作ったマントです。すでに分かっていると思いますが、そのマントは風系統の魔法全般と『身体強化』の効力を上げてくれる魔導具です。
それと商人協会の副協会長と冒険者協会の協会長からの伝言です。『緊急指名依頼の報酬は正式な冒険者証が発行できていないので、商人協会の商人証に振り込んでおきました。ですが、緊急指名依頼のお礼を言いたいので、戻ってきてから会いに来てください』だそうです。
その時には、また私にも顔を見せに来てください」
「戻ってきてから、はい、分かりました。何から何まで、ありがとうございます」
俺は『戻ってきてから』という言葉に『このまま消えることは許さないから、犯罪等は犯さずに堂々と会いに来て欲しい』という意味を感じ取った。
その事に対して、レイアさんにお礼を言ってから急いで準備してから魔術師協会を飛び出して、街を出てから王都へと『飛翔』を使用して全力で移動を開始した。
END:1部
※事情により、一旦完結と致します。
現状は再び投稿を再開する予定はありません。
感想にて望む声があれば、再開するかもしれませんがご了承ください。
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