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新たな学生生活
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勝負は一瞬で決まった。反応すら出来なかった恭一郎の傍を詠は風のように擦り抜けていた。少し何が焦げたにおいがした。
「そこまで!」
威圧感充分の声が鋭く響いた。剣道部顧問の風原教諭だった。
風原は詠と恭一郎に近づくと其々に視線を送った。平然としている詠の手には先革が紛失、中結は外れ、弦も切れて剣先が開いた竹の一枚が殆どが黒く変色した竹刀が握られていた。一方、恭一郎は胴に黒い線状の焦げ後がクッキリ残し、放心状態で立ち尽くしていた。
風原は詠にツカツカと近寄り、小声で
「目立つ事はするなと長官に言われているだろう。」
と言った。
「彼はあの傷の意味を理解した時、良い戦士になるよ。」
詠はそれには答えず、自分の感想のみ話す。
そんな僅かなやりとりに風原はやれやれという表情を浮かべ皆に言い放つ。
「余興はここまでだ。さっさと練習を開始しろ。」
そして、
「吉塚詠。君は此処から立ち去りなさい。」
風原は壊れた竹刀を詠の手から取り上げて言った。
詠は置いてあったバッグから預かった家のキーを取り出す。これが試合の原因だった。
自分の留守中に家の中を勝手にいじられたくなくて、詠と一緒に帰宅しようとした来栖真子長官の娘、理子。
得体の知れない野郎と二人きりにさせたくない理子の彼氏(だと思う)神野恭一郎。
取り出したキーを剣道部員として、恭一郎のカノジョとして、一部始終を傍観していた理子に向かって放り投げた。
「これは返しておく。本当の鍵は君の許可だから。」
「な、何言ってるの。」
詠はただ、昨日突然何も知らされずに自分と同居することになった状況を慮って言った言葉だったが、理子は周囲の反応を気にして返事に窮して口ごもってしまった。更には焦ってストライクで向かってきた鍵を受け損こねるという醜態を晒してしまった。
理子の手から零れ落ちた鍵の床に落ちて起てた音が、落ち着きを取り戻しかけていた道場に小さく響いた。
「目立つ事はするな。」
先程言われた言葉を小声で反芻する。確かに長官にそう言われた。
現世に帰還してから生活、教育等あらゆる事に関して世話してくれたのは、来栖真子長官。二十年前の幼なじみだった。
当然、再び悲しませる事はしたくはないが、いつまでも借りてきた猫を装うのも嫌だった。
一人で学園を散策することにした詠に背後から突然声を掛けてきた人物がいた。カワイイ声で。
「おにいちゃん。今暇だよね。」
振り向くと声と違わず、可愛らしい容姿の女生徒が立っていた。
「えーっと、何から言うべきなのかな。」
「先ず、自分は貴女のおにいちゃんじゃない。」
取り敢えずベタな答えから入る事にした。
「そして、先輩からおにいちゃん呼ばわりも変なのではないでしょうか。」
この学園では男子生徒はネクタイ、女子生徒はリボンの色で学年が判るようになっていた。彼女のリボンの色は淡い赤色。二年生だった。
「最後に初対面の人に対していきなり暇と断言されるのも。如何わしい店のキャッチに合っているようでちょっと。確かに暇なのは否定は出来ないけど。」
「えーっ!男の人っておにいちゃんって呼ばれると喜ぶんじゃないの。」
「まあ、そういう人もいますけど、世間の男性皆という考え方は改めた方が良いと思いますけど。」
言葉にこそしないが、後輩に諭され、大いに不満なのは膨れっ面を見れば明らかだった。
詠は本当の妹だったら、嬉しいのだろうか。と結局未だに顔を見ていない、無事であれば自分より年上であろう妹について考えつつ「では、これで。」と片手で挨拶すると、脱兎のごとくこの場を走り去った。
暫く走り続け、追って来てない事を確認して普通の歩みに戻した。
と、進行方向正面に女生徒が踞っていた。
(新手か?)
と警戒しつつも、歩みを止める事は無かった。
「どうかしましたか?先輩。」
淡い赤色のリボンに警戒感を高めつつも、そのまま見過ごす事も出来ず声を掛けた。
「あっ。」
突然、声を掛けられて驚いた様に声をあげ、振り向いたその顔に見覚えがある感じがした。先程絡まれた先輩に似ているような気がしたのだが、髪の色が異なっていた。
先程の先輩が赤味がかったブラウンだったのに対し、目の前の先輩は限りなく黒に近い濃い紫色だった。
「すみません。ちょっと足を捻ってしまったみたいで。」
その答えに全くの別人だと判ってしまった。声質はどことなく似ている感はあるものの、言葉使い、仕草、雰囲気が全然違っていた。
「本来なら『保健室まで送りましょう』と言うところですが、まだ学園の施設の場所を把握していなくて、教えて頂けますか?」
「いえ、申し訳ないのですが、生徒会室に急ぎの用がありまして。少し行った所、建物の一部が見えていると思いますが、そこまで連れて行っては頂けないでしょうか。」
指指す方を見ると確かに青い屋根の建物が木々の隙間から見てとれた。さほど遠くなさそうだった。
「いいですよ。」
そう言うと、詠は女生徒を軽々と抱き上げた。いわゆるお姫様抱っこである。
「キャッ!」
小さな驚きの声がする。
連れて行ってと頼みはしたが、まさかお姫様抱っこをされるとは思っていなかった。
しかし、戸惑いを見せたのは最初だけで、あとは身を預けていた。
「詠様ったらいきなりなんですもの。」
詠には聞こえないように、音になるかならないかの音量で呟いた。
数分後には目的地に到着した。
可愛い感じの家で、ここだけグリーンゲイブルズを思わせる景観だった。
「ありがとう。ここで良い。」
玄関前に立った時、腕の中の彼女が言った。
「はい。」
戸惑いながらも丁寧に降ろす。口調のみならず雰囲気も変わっていた。
「入り給え。今後、君の働き場所となる所だ。」
(働き場所?何の事だ?)
質問しようとするタイミングで
「訊きたい事も有るだろうが、まずは見て欲しいものがある。」
と先手を取られてしまった詠は大人しく付いて行く。
と、後ろから強力なプッシュを受けた。
「おにいちゃん。急いだ。急いだ。」
「えっ。先輩っ。」
詠は悟った。計画的に自分は此処に連れて来られたのだと。
玄関を入った長テーブルの置かれた部屋を抜け、入った奥の部屋は重厚な机が据えられ、さらに窓の無い壁全てが書棚となっていた。
「紫乃はね。開け方暗記してるんだよ。本を抜いて入れる順番、場所、向きぜーんぶ。」
確かに本を棚から五冊づつ抜き、違う場所に収める、その際わざと上下を逆さまにするという行為を滞りなく十回行った。
すると期待通り書棚の一部が移動した。上方へ。
(うん、まあ少し意表を突かれたかな。)
現れたのは予想に違わず隠し部屋だった。
その隠し部屋の出入り口の前に立ち、詠の方へ体を向けた紫乃が両手を広げ、仰々しく言い放った。
「ようこそ!ジンガイ被害撲滅部(非公認)へ!」
「そこまで!」
威圧感充分の声が鋭く響いた。剣道部顧問の風原教諭だった。
風原は詠と恭一郎に近づくと其々に視線を送った。平然としている詠の手には先革が紛失、中結は外れ、弦も切れて剣先が開いた竹の一枚が殆どが黒く変色した竹刀が握られていた。一方、恭一郎は胴に黒い線状の焦げ後がクッキリ残し、放心状態で立ち尽くしていた。
風原は詠にツカツカと近寄り、小声で
「目立つ事はするなと長官に言われているだろう。」
と言った。
「彼はあの傷の意味を理解した時、良い戦士になるよ。」
詠はそれには答えず、自分の感想のみ話す。
そんな僅かなやりとりに風原はやれやれという表情を浮かべ皆に言い放つ。
「余興はここまでだ。さっさと練習を開始しろ。」
そして、
「吉塚詠。君は此処から立ち去りなさい。」
風原は壊れた竹刀を詠の手から取り上げて言った。
詠は置いてあったバッグから預かった家のキーを取り出す。これが試合の原因だった。
自分の留守中に家の中を勝手にいじられたくなくて、詠と一緒に帰宅しようとした来栖真子長官の娘、理子。
得体の知れない野郎と二人きりにさせたくない理子の彼氏(だと思う)神野恭一郎。
取り出したキーを剣道部員として、恭一郎のカノジョとして、一部始終を傍観していた理子に向かって放り投げた。
「これは返しておく。本当の鍵は君の許可だから。」
「な、何言ってるの。」
詠はただ、昨日突然何も知らされずに自分と同居することになった状況を慮って言った言葉だったが、理子は周囲の反応を気にして返事に窮して口ごもってしまった。更には焦ってストライクで向かってきた鍵を受け損こねるという醜態を晒してしまった。
理子の手から零れ落ちた鍵の床に落ちて起てた音が、落ち着きを取り戻しかけていた道場に小さく響いた。
「目立つ事はするな。」
先程言われた言葉を小声で反芻する。確かに長官にそう言われた。
現世に帰還してから生活、教育等あらゆる事に関して世話してくれたのは、来栖真子長官。二十年前の幼なじみだった。
当然、再び悲しませる事はしたくはないが、いつまでも借りてきた猫を装うのも嫌だった。
一人で学園を散策することにした詠に背後から突然声を掛けてきた人物がいた。カワイイ声で。
「おにいちゃん。今暇だよね。」
振り向くと声と違わず、可愛らしい容姿の女生徒が立っていた。
「えーっと、何から言うべきなのかな。」
「先ず、自分は貴女のおにいちゃんじゃない。」
取り敢えずベタな答えから入る事にした。
「そして、先輩からおにいちゃん呼ばわりも変なのではないでしょうか。」
この学園では男子生徒はネクタイ、女子生徒はリボンの色で学年が判るようになっていた。彼女のリボンの色は淡い赤色。二年生だった。
「最後に初対面の人に対していきなり暇と断言されるのも。如何わしい店のキャッチに合っているようでちょっと。確かに暇なのは否定は出来ないけど。」
「えーっ!男の人っておにいちゃんって呼ばれると喜ぶんじゃないの。」
「まあ、そういう人もいますけど、世間の男性皆という考え方は改めた方が良いと思いますけど。」
言葉にこそしないが、後輩に諭され、大いに不満なのは膨れっ面を見れば明らかだった。
詠は本当の妹だったら、嬉しいのだろうか。と結局未だに顔を見ていない、無事であれば自分より年上であろう妹について考えつつ「では、これで。」と片手で挨拶すると、脱兎のごとくこの場を走り去った。
暫く走り続け、追って来てない事を確認して普通の歩みに戻した。
と、進行方向正面に女生徒が踞っていた。
(新手か?)
と警戒しつつも、歩みを止める事は無かった。
「どうかしましたか?先輩。」
淡い赤色のリボンに警戒感を高めつつも、そのまま見過ごす事も出来ず声を掛けた。
「あっ。」
突然、声を掛けられて驚いた様に声をあげ、振り向いたその顔に見覚えがある感じがした。先程絡まれた先輩に似ているような気がしたのだが、髪の色が異なっていた。
先程の先輩が赤味がかったブラウンだったのに対し、目の前の先輩は限りなく黒に近い濃い紫色だった。
「すみません。ちょっと足を捻ってしまったみたいで。」
その答えに全くの別人だと判ってしまった。声質はどことなく似ている感はあるものの、言葉使い、仕草、雰囲気が全然違っていた。
「本来なら『保健室まで送りましょう』と言うところですが、まだ学園の施設の場所を把握していなくて、教えて頂けますか?」
「いえ、申し訳ないのですが、生徒会室に急ぎの用がありまして。少し行った所、建物の一部が見えていると思いますが、そこまで連れて行っては頂けないでしょうか。」
指指す方を見ると確かに青い屋根の建物が木々の隙間から見てとれた。さほど遠くなさそうだった。
「いいですよ。」
そう言うと、詠は女生徒を軽々と抱き上げた。いわゆるお姫様抱っこである。
「キャッ!」
小さな驚きの声がする。
連れて行ってと頼みはしたが、まさかお姫様抱っこをされるとは思っていなかった。
しかし、戸惑いを見せたのは最初だけで、あとは身を預けていた。
「詠様ったらいきなりなんですもの。」
詠には聞こえないように、音になるかならないかの音量で呟いた。
数分後には目的地に到着した。
可愛い感じの家で、ここだけグリーンゲイブルズを思わせる景観だった。
「ありがとう。ここで良い。」
玄関前に立った時、腕の中の彼女が言った。
「はい。」
戸惑いながらも丁寧に降ろす。口調のみならず雰囲気も変わっていた。
「入り給え。今後、君の働き場所となる所だ。」
(働き場所?何の事だ?)
質問しようとするタイミングで
「訊きたい事も有るだろうが、まずは見て欲しいものがある。」
と先手を取られてしまった詠は大人しく付いて行く。
と、後ろから強力なプッシュを受けた。
「おにいちゃん。急いだ。急いだ。」
「えっ。先輩っ。」
詠は悟った。計画的に自分は此処に連れて来られたのだと。
玄関を入った長テーブルの置かれた部屋を抜け、入った奥の部屋は重厚な机が据えられ、さらに窓の無い壁全てが書棚となっていた。
「紫乃はね。開け方暗記してるんだよ。本を抜いて入れる順番、場所、向きぜーんぶ。」
確かに本を棚から五冊づつ抜き、違う場所に収める、その際わざと上下を逆さまにするという行為を滞りなく十回行った。
すると期待通り書棚の一部が移動した。上方へ。
(うん、まあ少し意表を突かれたかな。)
現れたのは予想に違わず隠し部屋だった。
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